第6回 売上高1兆円を超える独立系はない
イノウ業界研究会
2008/10/6
母体による売り上げのイメージは分かりました。でも、業態による売り上げの差はどうなっているのですか? やっぱり、業態と売上高は関係があるのでしょうか?
良い指摘です。ではまず、派遣系の企業を見てみましょう。図5をクリックしてみてください。
図5:【規模×母体】派遣→【規模×母体】派遣×50〜100億 |
へぇ。売り上げ規模50〜100億円の企業が多いのですね!
そうです。業態によって、基本的に売り上げ規模の上限が決まっているのです。では、最も売り上げの上限が高いのはどの業態だか分かりますか?
システム開発全般です。
ご名答! ただし、システム開発全般は売り上げ規模50億円以下の企業も存在します。いい換えれば、売り上げ規模のレンジが最も広いのも、システム開発全般の業務を行っている企業なのです。
では、メーカー系のようにさまざまな得意分野を持つ関連企業を抱えたグループ企業の場合、個々の企業の売上高とその企業の業態との間には、同じような関係があるのですか?
良い質問ですね。その答えは図6で富士通をクリックすれば分かりますよ。
図6:【売上×母体】1兆×システム開発全般→富士通のグループ企業別の売り上げ |
グループ企業内でも、売上規模がまちまちですね。
売り上げ規模2000億円台の企業のうち、富士通エフサスは主に運用アウトソーシングを行う企業ですし、1000億円台の富士通ビジネスシステムやPFUなどはシステム開発全般を行っている企業です。
なぜ、運用&アウトソーシング系の企業の売り上げが高いのですか?
それは、運用&アウトソーシングがインフラ産業と位置付けられるからです。データセンターや回線などの設備を提供する運用&アウトソーシングは、スケールメリットが出やすい業態です。だから、1つの企業がサービスを提供した方が合理的です。一方、システム開発の業務は、顧客企業の業界や業務などによって、求められるスキルが変わってくる。だから、分けるメリットもあるのです。
勉強になります!
それは良かった。実は、これまで6回にわたってIT業界のことを学んできましたが、今回で取りあえず業界についての勉強は最後です。次に、もし会うことがあったら、別のテーマを学んでみましょう。
まさか、ぼくより先に転職するつもりじゃないですよね!? 「もし」なんて、寂しいこといわないでくださいよ〜。記事インデックス |
1P IT業界の売り上げ:母体別 (50〜500億円) |
2P IT業界の売り上げ:母体別 (1000億〜1兆円、1兆円以上) |
3P IT業界の売り上げ:業態別 |
著者紹介 |
イノウ業界研究会 業界、会社、仕事のことを、「動く図表」「リアルなキャラ」「MECEな文章」を使い、Webと書籍の連動で「分かりやすく」解説することを目指しています。IT業界については「IT業界 しくみとながれ」(Web)、コンサルティング業界については「コンサル業界 しくみとながれ」(Web)でも動くグラフのサービスを提供中。 |
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本連載は、ITmedia エンタープライズと共同企画でお届けしています。 ビジュアルなグラフで理解:独立系企業の売り上げアップ、カギを握るのは営業さん? (ITmedia エンタープライズ) |
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