大学院生注目! 就職先の選び方
@IT自分戦略研究所 先輩インタビュー
第2回 「IT、で、エコ」を自分の手で実現したい―NEC
千葉利宏
2008/11/20
■「IT、で、エコ」に共感して、NECへの就職を決意
企業からの内定が届き始めたのは、大学院2年に進級する2006年の春ごろのこと。いくつかの企業から内定をもらった中で、NECに決めたポイントを聞いた。
「やはり大きかったのは『IT、で、エコ』ですね。女性が働きやすい職場だと感じられたことも理由でした」
企業を外部から評価するのは、特に学生にとっては困難だろう。そのときに重要なのは企業の姿勢とカラーである。NEC以外にも環境分野に力を入れているIT企業は多いが、「IT、で、エコ」を強くアピールするNECの姿勢が津田氏の心に響いたようだ。内定が出た後にOG訪問を行い、先輩が生き生きと働いている姿に接することができたのも大きな要因だった。
入社までの1年は、IT知識のまったくなかった津田氏にはeラーニングの教材が提供された。内容は、「コンピュータの仕組みを学ぶ」といった基礎的なものだったそうだ。
4月にNECに入社した津田氏は、主にビジネスマナーを学ぶ1カ月の全体研修を終え、ITエンジニアとしてJavaなどの研修を受けた。その後OSとデータベースの2グループに分かれてさらに研修を受け、7月に配属先が決まった。
津田氏の配属先は、現在も所属する製造装置ソリューション事業本部 第一製造システム事業部。メーカーの生産管理や倉庫管理などのシステム導入を行う部門だ。希望していた環境関連の部署ではないが、まずはITエンジニアとして一人前になることが先決である。配属後、しばらくは研修の日々が続いたが、9月になって生産管理システムの保守を行うチームのメンバーとなり、津田氏のITエンジニア生活が本格的に始まった。
■入社2年目で海外出張を経験
最初に担当した仕事は、日本企業のタイ現地工場にNECが導入した生産管理システムの保守だった。システム障害が発生すると、工場のシステム担当者(日本人)から連絡が入る。その原因究明と復旧が主な業務である。システムログなどを調べ、システム担当者に対策を知らせる。それでも復旧しない場合、NECのタイ法人から技術者を派遣するなどの指示を出す。
「今年(2008年)6月には、タイの工場に1人で出張しました。何かあるたびに『行きたい!』と主張していたら、行かせてくれました。固い会社かと思っていたのですが、結構チャレンジさせてくれますよ」と津田氏は笑う。
海外出張の目的は、新機能の要件定義。顧客からの要望で、生産管理システムの機能拡張を行うことになったのだ。当初は電話会議でコミュニケーションを取っていたが、作業が思うように進まず、急きょ現地に津田氏が飛ぶことになった。
NEC側は津田氏とNECタイの技術者、クライアント側はタイ工場のシステム担当者と生産現場を管理するタイ人スタッフが参加。日本語、タイ語、英語が飛び交う中、5日間の現地滞在で無事に目的を果たすことができた。
「ITエンジニアの仕事は本当に面白いですよ。就職する前、『ITエンジニアの主な仕事は、お客さまと話をすることだ』という理解をしていました。これが正しいかはまだ分かりませんが、現在の仕事は自分のイメージに近い内容ですね」
■技術力も人間力もあるITエンジニアを目指したい
現在の津田氏は、以前にWindows XPベースで開発した倉庫管理システムを、顧客の要望でVista対応に改良する仕事に取り組んでいる。
勤務状況は仕事の内容にもよるが、取材時には「朝8時半に出社して、夜も7時ごろには帰ります」とのこと。「先輩方も面倒見が良く、厳しいけれど優しい人たちです、本当に頼りになります」と語り、すっかりNECの雰囲気にもなじんだ様子だ。
「まずは2〜3年以内に、それなりの技術力を身に付けること」と、津田氏は現在の自分の課題を認識している。そのうえで、顧客に対してシステムの企画提案ができるようなITエンジニアになることがいまの夢だ。「その提案内容が環境問題にかかわるような仕事であればうれしいですね」
さらに、プロジェクトマネジメント力をつけることも目的にしたいという。「魅力のない人には誰も付いてきませんよね。技術力もあって、人間力もあって……という魅力的なITエンジニアを目指したいです」と語る。
夢に向かって走り出した津田氏が、いつかは「IT、で、エコ」の顔になるようなITエンジニアに成長することを期待したい。
目標は「技術力と人間力を兼ね備えた魅力的なITエンジニア」になること。NEC 津田麻祐子氏 |
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