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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(56)
論理思考と感性思考をバランスよく

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/10/20

■2通りの思考方法

線と面の思考術

袖川芳之(著)
大和書房
2008年7月
ISBN-10:4479391789
ISBN-13:978-4479391784
1470円(税込み)

 2通りの思考方法で現実を捕捉する。1つは「線の思考」、もう1つは「面の思考」。線の思考は「論理的な順番に時間を費やして進んでいく思考のタイプ」 (『線と面の思考術』、p20)で、面の思考は「時間を必要とせず、一瞬にして把握する能力」(同)のこと。論理的な思考と感性的な思考といい換えてもいい。あるいは、客観的な思考と主観的な思考。

 この本によると、人は線の思考と面の思考の2つの思考方法によって世界を知覚している(極端にいえば)。

 例を挙げる(この本にはいくつもの例がある。その中の1つ)。

 言葉は常に2つの意味を持っている。物理的な意味と自分にとっての意味。「涙」という言葉の物理的な意味としては「眼球の上外側の涙腺から分泌される液体」が考えられる。一方、「悲しいときや感動したときに目から流れるもの」も涙の意味として考えられる。前者は線の思考によって導かれた涙の意味で、後者は面の思考による意味。世界の在り方は、思考方法によってその意味が変わるとこの本は説く。

 このような思考方法が何に役立つのか? ロジカル・シンキングに役立つ。一面的な世界認識を反省し、もう1つの視点を追加導入して、(あなたが見ている)世界の在り方を少しだけ複雑にすることが必要だ。この操作を行うことで、自分の中にある思い込みを打破できたり、ばらばらだったアイデアが構造化できたり、納得感のあるストーリーを構築できたりする。他人とのコミュニケーションを円滑に展開するためのツールとしても有効に機能する。(鯨)

本を読む前に
ロジカル・シンキングの初歩 (@IT自分戦略研究所)
原理・原則を見抜けるITエンジニアを目指せ (@IT自分戦略研究所)
組み込みも非組み込みも、必要なのは「ロジック」 (@IT自分戦略研究所)


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