テンアートニ 越川剛臣
2006/4/18
新人エンジニアの皆さん、IT業界へようこそ。ある先輩エンジニアが、プロのITエンジニアとしての心構えを紹介する。今回は文系出身・理系出身の違いに着目し、注意すべき点をまとめてみた。仕事をするうえでの不安があるなら、この記事で一掃してほしい。 |
社会人としての心構え
新入社員の皆さん、ご入社おめでとうございます。今月から社会人としての生活が始まり、「やってやるぞ!」と意気揚々としていることと思います。
とはいえ、社会人は学生と比べ、より強い責任感を持たなければならない場面が多いものです。期待を持つと同時に、「やっていけるのか」という不安を感じている人もいるかもしれませんね。
この記事では、これからIT業界で活躍される皆さんへ、社会人としてどのような心構えを持つ必要があるのかを紹介します。
IT業界は、初めのうちは文系出身者と理系出身者とで違いが出る業界といわれています。文系出身者・理系出身者それぞれが注意すべきポイントを、いくつかのトピックに沿って紹介したいと思います。
みんな企業でのプログラミング初心者
文系出身者と理系出身者とで気持ちに違いがあるとしたら、それはプログラミングについてではないでしょうか。
文系の皆さんの多くがプログラミングは未経験であると思います。実際、この業界でやっていくうえで最も不安なこととして、プログラミングを挙げる方が多いようです。「自分と同じ新卒でも、理系はプログラミングをやっている」「専門知識が豊富」という印象を抱き、焦ることもあるかもしれませんね。
全員とはいえませんが、理系出身者の方がよりプログラミングなどの知識を身に付けていることが多いのは事実です。スタートの時点で差があることは残念ながら否定できません。
でも、心配することはありません。会社の上司や先輩は、もちろん皆さんがプログラミング未経験であることを知っていますし、これから勉強して身に付ければいいと考えています。
学校で習うプログラミングと企業に入ってするプログラミングは違います。業務システムならではのポイントや知識なども必要になります。この点では文系・理系を問わず、皆さん全員が初心者であるといえます。もちろん努力は必要ですが、入社後のある程度の期間で自然と差は埋まることでしょう。
■文系の皆さんへ:プログラム言語は英語よりずっと簡単!
文系の皆さんは、新人研修としてプログラム言語などの講義を受けるのであれば、その内容を確実に自分のものにするように心掛けておけばよいでしょう。プログラム言語と聞くと「頭が痛くなる」人もいるようですが、外国語だと割り切ってしまえばさほど苦にならないと思います。
少なくともプログラミング言語は、英語よりもずっと簡単ですよ。一歩一歩確実に進んでいきましょう。
ちなみに、皆さんがこれから作成するプログラムは、例えば特殊な計算式を使うとか、数学の公式を知らなくてはいけないとかいうことはほとんどありません。大体の場合は、理系ならではの特殊知識がなくても十分作れるものなのです。
■理系の皆さんへ:もし得意でも、勝手なプログラムを作ってはダメ
理系の皆さんの中には、「プログラミングが得意!」「プログラミングが好き!」という人も多いのではないでしょうか。
仕事でプログラミングをすることになれば、いままで学んできたことが生かせると思います。もしかしたら、新人研修のプログラミング講習なども退屈に感じてしまうかもしれません。しかし、知っているからといって油断は禁物です。
理系の皆さんは、以下の点に注意することを心掛けましょう。
・仕様どおりに作成する
業務で作成するプログラムには必ず仕様書(設計書)があります。プログラムは必ず仕様書どおりに作らなくてはなりません。極端なことをいえば、たとえ設計書が間違っていてもです。
「こっちの方が格好いい実装だから」とか「こっちの方が複雑でいかにもプログラムらしいから」などと、勝手に設計書を無視したソースは作ってはいけません。
・良いプログラム=皆が分かりやすいプログラム
複雑で難解なコードで書かれているプログラムが良いプログラムであるとは限りません。システムは自分1人で作るものではなく、多くのメンバーが集まって作るものです。自分が作ったソースをほかのメンバーが見たとき、分かりやすく記述されていることが重要です(この分かりやすさを「ソースの可読性」と表現します)。
実際の企業やプロジェクトでは、ソースの可読性を上げるためにコーディング規則などのルールを設け、ソース記述の統一を図ることも行われています。読みやすい記述を心掛けるようにしましょう。
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