デジタルネイティブの新世代とどう向き合うか」レポート
なぜマニュアルを求める?
デジタルネイティブの育成法
金武明日香(@IT自分戦略研究所)
2010/6/23
■ ピラミッド型の組織からネットワーク型の組織へ
紺野氏は、「今後は『フリーエージェント型』の社会になるのでは」と予測する。フリーエージェント型の社会とは、個人がネットワークでつながりながら、フリーエージェントのようにして働く社会だ。これまでのようにコントロールが行き届いた企業で働くのではなく、1人ひとりが複数の職業を持って働くことが可能になる。
フリーエージェント型の社会になるとするなら、これまでのビジネスモデルではやっていけない部分が出てくるだろう。企業は、これまでのピラミッド型の組織から、オープンでフラットなネットワーク型の組織に変わっていかなければならない、と紺野氏は主張する。
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「Flash Mobsをおかしいと思う人がいるかもしれません。しかし、必要に応じて集まって仕事をするスタイルは、非常に効率的ではないでしょうか」
現在多くの企業にある閉塞した雰囲気を変えるために、デジタルネイティブの持つ力を生かすべきだ、というのが紺野氏の見解だ。これまで主流だったルールで新しい世代をしばるのではなく、彼らの力を引き出して活用することが必要なのである。
■ 自由にアイデアを出してもらう仕組み作りを目指せ
では、具体的にデジタルネイティブをどのように育成、活用すればいいのか。紺野氏は2つの方法を提示した。
まず、「彼らが持つネットワーク力を活用すること」。そして、もう1つは、「20代のアイデアを引き出す」ことだ。20代は新鮮な感覚を持っているが、30歳を過ぎると「会社の発想」になってしまうことが多い。紺野氏の経験によれば「28歳ぐらいの人が、一番すごいアイデアを持っている」という。
「ポイントは、『責任は取らなくてもいいから、自由にアイデアをいってごらん』と若者に伝えることです。すると、すごいアイデアが出てくる可能性があります」と、紺野氏は語る。若者に自由にアイデアを出してもらい、そのアイデアを救い上げる仕組み作りが重要になってくる。
紺野氏によれば、ナレッジワーカーにとって「もっとも生産性の高い仕事」とは、「好きな仕事を自ら作り、それを自分のためではなく組織のためにすること」だ。そのためには「我々はどのような組織か」ということを明示し、基準に基づいてコーチングするとよい。
最後に紺野氏は、「いまの日本企業は、イノベーションが不可欠だと理解していても、これまでのマインドに縛られていて行動できていないのが問題。日常の中に、イノベーションのための実践を埋め込んでいくのがわたしたちの課題ではないでしょうか」とまとめた。
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