TOEIC335点からの挑戦

超ドメスティックエンジニアがバイリンガルを目指す!
TOEIC335点からの挑戦


第1回 「全国平均より低い人、初めて見た」

山本幸志
2008/3/10

いつかは海外で働きたいかも! 超ドメスティックエンジニアの妄想。目指すはTOEIC(まずは)600点。しかし受験の結果は335点だった……。これは、1人のITエンジニアが英語力向上に励み、TOEICで目標点数を達成するまでの物語である(達成するまで続く)。

連載「通達」は突然に

 ある日の真夜中のことです。仕事を終えてようやく地元の駅までたどり着き、スタミナ豚丼でも食べて帰ろうかと思案しながら歩いていると、突然携帯電話が鳴りました。

「はい、山本です」
先輩 「山本さん、こんばんは、H川です」

 会社のかつての先輩でした。元ITエンジニアですが数年前に転職し、いまは某ITエンジニア向けサイトの編集者になっています。けっこう世話になったので、何となく逆らえない相手です。しかしこんな夜中に何の用だろう、嫌な予感がします……。

先輩 「英会話学校に通っているといっていたよね」
「ええ」
先輩 「TOEICで何点目指しているんだっけ?」
「取りあえず600点です」
先輩 「じゃあ、タイトルは『(仮)超ドメスティックエンジニアがTOEIC600点を目指す!』ってとこかな……」
「タイトル? 何のタイトルです? それにその(仮)って何ですか?」
先輩 「3月に第1回を掲載したいから、2月アタマまでに原稿書いてくれる?」
「へっ?」
先輩 「詳しい内容はメールで送るから、よろしくね〜」
「……」

 ぷつっ。ぷー。ぷー。ぷー。

「ええっ、えええ〜!」

 かくして、何となく逆らえない相手の突然の電話から、こんな連載を始めることになってしまいました。あまり文章が得意でない私が、苦手な英語のことを(しかもWeb上で)書くなんて、まさに天下に恥をさらすようなものです。しかも、「『不定期連載』にしておくから、毎月でなくてもいいけど600点取るまで続けてね」と念を押されています。

 果たして、無事600点にたどり着けるのか……。

 と、落ち込んでいても始まりませんね。ここまできたら覚悟を決めて600点目指しますとも! でも、やっぱり不安が……。500点じゃダメっすか?

 「ダメに決まってるでしょ!」という先輩の、いや担当編集の声が聞こえるようです。

超ドメスティックエンジニアの正体

 こんな弱気な私はいったい何者なのかを、少しだけ。

 私はITエンジニアの端くれです。システム開発や導入などを経験し、6年目になります。中堅規模の会社の常(?)で、インフラからアプリケーションまで、大小さまざまな仕事に携わっています。どの仕事でも、自分が完全に納得するまで確認をしたうえでお客さんと話をするよう、常に意識してきました。当たり前のことなのですが……。

 この業界には、ハードな日々を送っている方が多いと思います。皆さんほどではないかもしれませんが、私も深夜まで仕事をすることがよくあります。納得するまで調査に時間をかけてしまうこともあるため、なおさらです。

 そのため、仕事以外の何かに打ち込むことがなかなかできずにいました。そんな私が急に英語の勉強を始めることになり、例の編集者に目を付けられてしまったわけです。

英語から逃げ回っていた学生時代

 私の現在の英語のレベルについても、お知らせしておかないといけませんね。

 「あなたの英語のレベルは?」と質問されたら、皆さんはどのように答えますか。転職サイトなどでよく見掛ける質問ですね。「あまりに自信がなさそうに思われるのは不利」とどこかに書いてあったので、私は「辞書を引きながら技術書が読める程度」に迷わずチェックです。そう、お気付きのとおり、私は英語がかなり苦手です。

 日本では、中学校から英語の学習を始める人が多いでしょう(最近の子どもは小学校からかもしれませんが)。私はその時点ですでにつまずいていました。なんと最初の中間テストで、1ケタ(!)の点数を取ってしまったのです。もちろん学年でビリでした。この悲しい出来事は、12歳の私の心に深い傷を残しました。

 その後も英語の成績は伸びませんでした。大学には英語を使わずに入りました。入学してからも、英語は最低限の授業を選択するのみにしました。

 そんな私ですが、実は大学に進学後、ひそかに(?)情報処理と英会話を学ぶスクールに通っていました。英会話というものには初めて触れましたが、これは貴重な経験でした。英語だけを聞いたり話したりすることで、頭が英語モードに切り替わるというのを初めて経験しました。しかしこのスクール通いも、長くは続きませんでした。

ついに英語を学ぼうと決めたきっかけは?
1.内線電話 2.社員旅行 3. ……

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