ITエンジニアのためのビジネスコミュニケーション診断

第4回 相手にYesといわせる説得力

鹿野晴夫・大塚千春(アイ・シー・イー)
2008/12/12

前のページ1 2 3 4

今日からできるスキルアップ術「説得力編」

今日からできる心構え

 相手に納得してもらうために、「相手のメリットを強調する」スキルを磨こう。

今日からできるスキルアップのポイント

 目的と効果を意識して行動すれば、必ずスキルアップできる。下記の項目に意識を向けて、行動しよう。

1.事前に、打ち合わせの目的を確認すべし

 目的には、○○について提案する、意見交換する、報告を受ける、ヒアリングするなどがある。むろん、相手に目的を伝えておくことも必要だ。

2.事前に、相手の特徴と要望を確認すべし

 相手の特徴には、役職や立場、経験が含まれる。打ち合わせの内容に関して、相手がどんな期待や要望を持っているかが分かるとなおよい。

3.事前に、打ち合わせにかけられる時間を確認すべし

 「ちょっといいかな?」で打ち合わせを始めると、相手の納得を得る前に時間切れになるかもしれない。事前に必要時間を伝えておこう。

4.事前に、打ち合わせで達成すべき目標を設定すべし

 例えば、「○○について提案する」が目的なら、目標は「合意してもらう」か、「持ち帰って検討してもらう」だ。

5.事前に、目標に合わせて説明の内容を取捨選択すべし

 例えば、「合意してもらう」が目標なら、その相手が判断を下すのに一番大事な要素が何かを考える。「持ち帰って検討してもらう」なら、持ち帰った先で必要になる情報が何かを考える必要がある。

6.事前に、相手のメリットを検討すべし

 相手の立場や状況を考慮して、強調すべき「相手のメリット」を考えよう。

7.事前に、打ち合わせの進め方を検討すべし

 「説明して、質問を受ける」だけが進め方ではない。「質問して、相手の回答に合わせて説明する」「報告を受けて、質問する」など、どの方法が、相手のメリットを強調することにつながるのかを考えよう。

8.事前に、打ち合わせの時間配分を検討すべし

 長い打ち合わせが、いい打ち合わせとは限らない。「打ち合わせの進め方」と合わせて、おおよその時間配分を考えておこう。

9.事前に、必要な資料の準備をすべし

 必ず資料が必要というわけではないが、相手の納得を得るために必要なデータを提示する場合や、持ち帰って検討してもらう際は、口頭での説明より資料を準備した方が有効だ。

10.事前に、予想される相手からの質問への回答を準備すべし

 説明や提案をすれば、相手から質問が出る。どんな質問を出そうか、どのように回答すれば納得を得やすいか、何事も事前の策が肝心だ。

前のページ1 2 3 4

筆者プロフィール
鹿野晴夫(かのはるお) アイ・シー・イー 代表取締役
大塚千春(おおつかちはる) アイ・シー・イー 取締役部長


ビジネスコミュニケーション力を診断するBCSAのスキル定義を活用し、コミュニケーション力不足が原因となっている現場の問題点を解決するコンサルティング&トレーニングを展開している。従来型のコミュニケーション研修とは一線を画する、論理的で実践的なトレーニングに注目が集まっている

@IT自分戦略研究所の関連キーワード
ビジネススキル

ヒューマンスキル


自分戦略研究所、フォーラム化のお知らせ

@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。

現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。

これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。