ITエンジニアにちょっと便利な早業仕事術

第12回 たった3つのフォルダでメールの洪水から逃れる分類法

斎藤健二(誠 Biz.ID)
2009/7/2

忙しいITエンジニアに無駄は禁物。本連載では、わずかな工夫と最小の努力で仕事をスムースにする、“小技”を紹介します。

  本日の早業仕事術:メール管理

メールの洪水におぼれていますか

 もう15年近く電子メールを使ってきた筆者でも、最近のメールの量は半端でないと思う。よく、「○○の会社社長は1日100通のメールをやりとりしている」などとニュース記事で見たりするが、「俺のほうが多いぞ!」とひそかに思っている人は多いのでは。

 メールは、送った方からすると“読まれていて当たり前”、しかも“24時間以内には読むよね”と思われているのがまたつらいところ。返信が3日後になっただけでも「お返事遅れて申し訳ございません」と書くのが当たり前と感じられたら、ITビジネスパーソンとしては一人前ということかもしれない。

 さて、メールの分類は奥が深い。メールソフトごとに特性も違っていたり、量にもよるので、これが正解! とはいえないのだが、筆者がうまくいっている分類のポリシーと考え方を紹介しよう。

メールはこう分類する〜1.優先度でフォルダ分けする

 メールソフトには「自動振り分け」というありがたい機能が搭載されている。これは先に条件(ルール)を決めておけば、自動的にフォルダ分けをしてくれるというものだ。

 例えば「ミナミちゃんから来たメールは、『秘密』フォルダに振り分けるように設定しよう」という具合に使う。

 普通は差し出し人ごととか、プロジェクト(仕事の単位だね)ごとにフォルダを作って分類していくらしい。筆者も昔はそうしていた。ところが、これはメールの分類には役立んだけど、“洪水から逃れる”という視点では、あまり役立ってくれない。そのプロジェクトが終わったあとで、メールを探すときに便利な分類法だからだ。

 そこでお勧めは、優先度でフォルダの自動振り分けを行うこと。まず次のように優先度を決める。

優先度 当てはまるメール
すぐ見て、できればすぐに返事 自分あてのメール、本文に自分の名前が入っているメール。それでも大量なら、上長とかお客さまからの直通メール
本日中に見て、必要なら返事 自分がccに入っているメール。自分が主催のメーリングリスト、会社からの一斉通達などのメーリングリスト
時間があったら見ておく 情報収集のためのメーリングリスト、エビデンスやログとしてのメーリングリスト

 ポイントは、自分あてのメールなど、すぐに見なくてはいけないメールを、洪水から浮かび上がらせることだ。少なくとも、このメールだけは見ておけば、「アイツは返事が遅い」とか「アイツはメールを送ったのに見ていない」といわれなくて済む。

 メールのccは、普通は自分の上長や、「この人にも一応知らせておこう」というときに入れる。だから必ずしも返事は必要ないし、目を通しておくことが期待されている。優先度は一段落ちる。

 時間があったら見ておくメールが、普通は一番多いはず。メールマガジンなどがそう。こうしたメールと優先度の高いメールが絶対に混ざらないようにしておこう。

Thunderbirdを使った自動振り分け例。自分がccされていたり、会社からの一斉通知のメールなどは、少なくとも確認が必要。なので「要確認フォルダ(=本日中に見て、必要なら返事)へ移動する

メールで自分がToにもccにも入っていないメールは優先度が低い。返信の必要性も低い。なので、「あとで見る」フォルダ(=時間があったら読んでおく)へ移動する。すると、受信箱に残るのは自分あてのメール=優先度が高いものだけになる

メールはこう分類する〜2.受信箱は常に空にする

 多くの仕事の達人にメールの管理法を聞くと、多くの人が「受信箱は空」理論を実践している。これは、受信箱をToDoリストに見立て、受信箱を空にすることでその日の仕事を終わらせるという方法だ。

 つまり、返信したり読み終わったりしたメールは、「処理済み」や「ゴミ箱」といったフォルダに手動で振り分けている。

 筆者も「受信箱は空」理論の賛同者だ。効率が上がるかどうかというよりも、精神的に楽になる。GTDもそうだけど、「あとこれだけで仕事が終わる」「仕事が全部終わった!」という達成感や満足感が得られるのだ。メールが洪水のようだ……と感じることは、まずなくなる。

 用意するのは「処理済み」とか「終わり」とか「完了」とか「アーカイブ」という名前のフォルダだけ。処理が終わったらここにメールを移動するのだ。

メールはこう分類する〜3.そろそろ検索を使いこなす

 ここまでに提案した分類法は次のとおり。

使い方 フォルダ名
すぐ見てすぐ返事する 受信箱が最適
本日中に見て必要なら返事 「確認」とか「チェック」「アラート」という名前はどうだろう
時間があったら見ておく 「情報」とか「ML」とか「あとで見る」とか未読が気にならない名前がよろしい
返信したり読み終わったりした 「処理済み」「終わり」「完了」「アーカイブ」など

 最優先のメールは普通受信箱を使うので、実はフォルダは3つあればいいことになる。もちろん、それぞれを細かくプロジェクトや相手ごとに分類してもいいが、やりすぎると本末転倒になる。

 例えば「本日中に見て必要なら返事」フォルダは、その日中に読むだけはする。これを複数のフォルダに分けてもチェックするのに一手間増えるだけだ。見終わったら「処理済み」フォルダに移すのだから。

 「処理済み」フォルダだけはさらに細かく分類してもいい。目的は後で調べやすくするため。AプロジェクトとBプロジェクトのメールが一緒のフォルダに入っているのは精神衛生上イヤだという人は多いだろうから、思う存分フォルダを作ってほしい。

 ただしお勧めは、“機械が判断できるような分類はそろそろ止めない?”ということ。例えば、メーリングリストはたいてい題名の頭に[ITmedia:214xxxx]みたいな決まった文字が入っている。わざわざフォルダを作って分けてあげなくても、後で[ITmedia: で検索すれば発見できる。いかにダブりなく詳細な分類を行うかに知恵を絞るよりも、効率的な検索法を編み出すことに頭を使ったほうがいま風だと思う。

 筆者も、効率的に検索できないようなルール、AプロジェクトとBプロジェクトの分類みたいなのは手動で別々に振り分けている。でも、ここ1〜2年、分けておいて良かったなぁと思うことも実はなかったことをお伝えしておく。

この記事は、誠 Biz.IDに掲載された連載「3分LifeHacking:Gmailが落ちたときに“アクセス”する方法を考える」を再編集して掲載しています

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