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新人編集者のJava学習物語 初級編

最終回 新人編集者、どこが世界をまたに掛けるエンジニアだ!

荒井亜子
2008/4/1

パッケージ

先生 便利な機能はほかにもありますよ。例えば、他人が作成したクラスを扱うこともあると思いますが、同じ名前のクラスを作ってしまうと混乱しますよね。そういうときにJavaではパッケージという仕組みを使って、関連するクラスやインターフェイスをひとまとめにします

新人 自分のパソコンのローカルで、同じファイル名のものをフォルダ別に分けて保存するみたいな感じ?

先生 考え方はそれに近いです。また、Java言語には便利なパッケージがあらかじめ用意されているのですが、もちろん自分で作ることもできます

新人 先生、概要はだいたい分かったよ。さっそくパッケージのプログラムの作り方を教えてください!!

先生 今日はやる気が違いますね。パッケージのプログラム作成では、まずはパッケージを使っていることを宣言しないといけません

package dobutsu; //  dobutsuはパッケージ名
public class Tori{ // Toriはクラス名
	:
}

ソースコード4 パッケージの宣言

新人 クラス名がToriになるんだね。ところでpublicが付いているのはどういうこと?

先生 publicが付くことで、Toriがほかのパッケージから利用できるようになるんですよ

新人 ほかのクラスからパッケージを利用?

先生 パッケージにはクラスやインターフェイスが含まれますが、それらを呼び出して利用するんです

package dobutsu;

public class Tori {
	public void eggPon () {
		System.out.println(" 羽ばたけ!");
	}
}

ソースコード5-1 パッケージの利用


import dobutsu.Tori;

class X {
	public static void main(String args[]) {
		Tori t = new Tori();
		t. eggPon();
	}
}

ソースコード5-2 パッケージの利用

先生 ソースコード5は、ソースコード5-2のimportキーワードで、ソースコード5-1のdobutsuパッケージのToriクラスを呼び出すという意味です

新人 実行結果は、「羽ばたけ!」だ。鳥だから?

先生 新人さんには、もうすぐ後輩が配属されてきますね。先輩として頑張ってください、という思いを込めて

新人 先生(泣)。いままでありがとうございました! 先生のことは一生忘れません!! 世界中をあっといわせるようなITエンジニアになります

K崎 いやいや、ITエンジニアはまだ無理だよ。気持ちは分かるけど

新人 え、なれないの?

K崎 先生、この娘何も分かってないですよ

先生 (苦笑)

テストはやだ

 6日間にわたる講習会のレポートも、今回で最終回。プログラムが何かも分からなかった初日から、Javaの概要オブジェクト指向の学習を経て、例外やパッケージまでを学習した。短いソースコードを記述したり、読んだりするくらいの力は付いた。そう考えると成長はあったといえる。ITエンジニアと触れ合う機会もあった。決してまじめな生徒ではなかったが、遅刻をしながらも一生懸命(会場である)品川に通った

 とはいえ、新人編集者の使命は、講習会に通って終了ではなかったはずだ。思い起こすこと連載第1回「変数って、変な数のことでしょ」の冒頭。新人編集者がJava講習会を受講することのゴールはこうなっていたはずだ。

※2007年10月23日の記事一部抜粋
編集長  来年4月までにはSJC-Pを取得せよ!

 もう4月になるが、新人編集者はそのことをいまどう考えているのか。というか、ちゃんと覚えているのか? 以下、編集長とのやりとり。

編集長 どうだね、調子は?

新人 快調です! 最近は朝もすくっと布団から出られるようになって、遅刻も減りました。もう春ですね〜

編集長 違う違う。君の体調じゃなくて

新人 ぴょんちゃん(新人編集者が一時的に預かっているペットのウサギ)ですか? 元気ですよ〜。最近生の米食べるんです。 でも好物はトウモロコシなんですよ。知ってました?

編集長 それは良かったんだけど、いやいや、ペットのことでもなくて

 しばし考え込む新人編集者。

新人 ……あ、K崎さんとのことですか? いやだなぁ〜、編集長。やぼなこと聞くんだから。1回飲みに行ったんですけどね、それ以上はいえません

  突然、編集長は堪えていたものを新人編集者にぶつけてきた。

編集長 こらっ! SJC-Pの勉強はどうなっているんだ? 遊んでばかりでまったく、この娘は

 ようやく編集長の本意が理解できた新人編集者は、開き直るようにこう答えた。

新人 ふん、そんな半年も前のこと、もうすっかり忘れました!! そういえば、Javaって何でJavaっていうんでしたっけ

 あきれ果てる編集長。しかし、編集長まで上り詰めた男。新人の愚言に対し簡単には引き下がらない。そう、連載第1回で新人の知らぬ間に講習会を手配していたときのように。そしていま再び……。

編集長 君の合格体験記を記事予定に入れておいたから。不合格体験記でもいいけどね〜。(ククク)

新人 マジですかー?!

 講習会は終えたが、新人編集者のJava学習物語はまだまだ終わらない、というか、終わりそうもないのだった。

今回お世話になった富士通ラーニングメディアの講師、高木亮一先生より、プログラミング入門者へのアドバイス

例外処理、パッケージは実務においても重要

 例外処理やパッケージはSJC-Pの試験範囲というだけではなく、実際にシステム開発をする際にも必ず使用するものです。業務システムでは、利用者が誤って操作した内容から不測の事態の対応まで、幅広い内容に対して例外処理が施されています。

 また、例外処理は「ファイル入出力」や「スレッド」といった内容を学習するときにも必ず出てきますので、併せて学習すると効果的です。

 SJC-Pの試験では細かな文法も問われます。今後も1つでも多くJavaのプログラムを読み書きして、理解を深めてください。

(追記:“新人編集者”が合格されるように応援しています!)


 

今回のインデックス
 例外処理、try-catchでナイスキャッチ☆ (1ページ)
 鬼編集長再び現る……! (2ページ)

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