身に付けたいスキル、何ですか?

加山恵美
2008/2/13

ITエンジニアが、いま注目しているスキルは何か。また、そのスキルを身に付ける方法とは? 最新の読者調査で浮かび上がったITエンジニアが次にと望むスキルとは?

 今回の読者調査は、@IT自分戦略研究所とJOB@ITが2007年11月に行ったスキルに的を絞ったもの。多くの読者から貴重な回答が寄せられた。ここであらためて、調査に協力してくれた読者の皆さんに感謝したい。

回答者の多くは30歳前後のエンジニア

 最初に、調査に協力してくれた回答者の年齢や職業について。基本的には前年の読者調査とさほど大きな違いはない。詳しくは2007年の記事「いまITエンジニアに人気のスキルとは?」を参照してほしい。

 今回の回答者数は996人で、そのうち有職者が972人。その職務内容は「システム分析・設計/SE」が最も多く29.3%、次いで「プログラミング/テスト」が15.9%、「システム保守/運用・管理」が14.3%。これらシステムの現場に携わっているITエンジニアが6割を占めた。そのほか「プロジェクトマネージャ」「ネットワークエンジニア」「ITアーキテクト」「ITコンサルタント/アナリスト」など、何らかの形でITシステムに携わっている人が多かった。

 雇用形態では「一般社員/職員」が57.2%と約6割、管理職が約3割を占めた。契約社員・派遣社員は合わせて3.7%、「フリーランス/個人事業主」も同じく3.7%であった。

 それではITエンジニアのスキル観を、回答結果から見ていこう。

スキルアップ研修はネットから探す時代に

 過去1年間にスキルアップのために研修を受講した人は55.2%で、半数以上である。前回の読者調査でも研修を受講した人は過半数いたので、その点に変化はない。

 ただし今回顕著だったのは、前回までと比べて会社の経費で受講した人が減り、自費で受講した人の割合が増えた点だ。前回調査では社費での受講は42.3%を占め、自費での受講は14.5%だった。今回は社費での受講は34.4%に減った一方で、自費での受講は20.8%に増えた。

 ただ社費か自費かは、勤務先の従業員規模による影響もあるようだ。社費で受講した人の割合は、従業員規模が大規模だと46.9%、中規模だと38.9%、小規模だと17.1%で、大企業ほど研修についての懐が温かいようだ。

 スキルアップ研修に関して、近年変化しているのはコースを選択する際の情報源である。2002年11月での読者調査では、教育事業者のWebサイトが52.5%を占め、2位も教育事業者のカタログ/パンフレットだった。それに対して今回の調査では、「IT系の情報Webサイト」(50.3%)が1位、「検索エンジン」(39.5%)が2位となった。ITエンジニアのスキルアップ研修の情報集めのあり方が、ここ5年ほどで劇的に変化した。

資格取得支援制度には賛否割れる

 かつては、社員の資格取得に対して、一時金や手当などを支給する企業は多かったが、現在はどうだろうか。

 今回の読者調査では、過去数年と比べて、資格取得支援制度にそれほど大きな変化はないようだ。ただし、徐々にではあるが、会社の資格取得支援制度は、わずかながら減りつつあるように見える(図1)。

図1 勤務先の資格取得支援制度
上から2004年8月、2006年11月、2007年11月の調査結果。多少設問を変更しているが、それでも「資格取得制度は、特にない」とする回答が増えていることが分かる。

 資格取得支援制度の内訳を見ると、「資格を取得すると、一時金が支給される」(39.6%)が最も多く、次いで多いのが「合格した場合のみ、受験料を負担してもらえる」(28.7%)だ。「受験のための学習費用を負担してもらえる」(23.1%)は、試験に対応した研修費用を負担してくれるものだろうか(図1の一番下のグラフを参照)。

 なお、資格別に一時金や手当を見ると、やはり国家資格(情報処理技術者試験)が多い。特にテクニカルエンジニアなど難易度が高い資格ほど一時金も高い。

 勤務先の資格取得支援制度について、当のITエンジニアは満足しているのだろうか。回答は「満足」が28.2%、「どちらともいえない」が26.7%、「不満」が44.2%で、不満が多い。

 会社の資格取得支援制度については、自由回答欄を設けたところ、多くのコメントが寄せられた。

 「満足」と回答した人は、会社の資格取得支援制度が充実していると感じるのだろう。そのため自由回答では「やりがいがあります」(30代SE)や「資格支援を見ていまの会社に決めました」(20代SE)といった回答が多かった。

 逆に「不満」と回答した人の自由回答を見ると、「合格しないともらえない」(多数)、「参考書程度にしか一時金をもらえないので、金銭的にはほとんどマイナスです」(40歳以上SE)など、資格取得支援制度そのものに対する不満というよりも、支援額の少なさに不満がある人が多いようだ。中には資格を取得しても手当がないので「転職したい」という声も。

 そうした意見以外には、そもそも資格に興味がない、資格制度に期待していない人もいる。「そもそも支援制度を期待していない」や、「資格に大した意味はない」という声である。

変化はあった? みんなが注目のスキルと資格  

今回のインデックス
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 身に付けたいスキル、何ですか? (2ページ)
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