大学院生注目! 就職先の選び方
@IT自分戦略研究所 先輩インタビュー
千葉利宏
2008/10/21
最終的に内定が出たのは野村総合研究所を含めて7社。山下氏は最後まで職種を絞り込むことができず、ITエンジニアやコンサルタントのほか、大学院での研究に直結する環境問題の研究員職にも応募し内定を得ていた。
「周りを見ても、内定7社というのは多かったと思います。そのうち、ITエンジニアとして受けていたのは野村総合研究所だけ。自分でも当初はコンサルタントになるんだと思っていました」(山下氏)
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そんな山下氏の心境に変化が生じたきっかけは、内定後、各企業の担当者と会って話をしたことだった。野村総合研究所の担当者と接するうちに、こう考えるようになったのだ。「ITにかかわる企業であれば、これから新しく開発される技術を、どのように実際の社会に落とし込んでいくかに挑戦できます。いまある技術の範囲内で考えるコンサルティングファームとの違いを感じました」(山下氏)
技術力という武器を持つ、IT系のコンサルティングが行える企業に魅力を感じ始めたのである。野村総合研究所の人事担当者が親身になって相談に乗ってくれ、「本音ベースで話をしてくれた」(山下氏)ことも大きかったようだ。
本音ベースの話とはこうだ。ITエンジニアとして野村総合研究所に入社する以上、まずは一人前のスキルを身につけることが最優先。ITエンジニアとして何ができるかが重要で、10年たったからといって大きな仕事ができるとは限らないと。「ほかの企業と異なり、野村総合研究所の人は甘いことはいいませんでしたね。『地に足が着いている』という印象を受けました」(山下氏)
野村総合研究所は自分を鍛えて成長させてくれる企業であると、山下氏の目には映ったようだ。
野村総合研究所への就職が決まった後、大学院2年の1年間は修士論文の仕上げなどに費やし、社会人に向けての準備は特に行わなかった。ITそのものを学んだことはなかった山下氏が、本格的にIT研修を受けたのは入社してから。協力会社での外部研修を含め、2カ月間の新人研修でITの基礎知識を学んだ。
「同期入社は260人ほどです。情報系を卒業している人もいますが、私のように何もやってこなかった人もいました。最初のうちは、ついていくのも大変でした」(山下氏)。しかし時間的な余裕はあったという。野村総合研究所では、できるだけ残業を行わずに余裕を持って働く「スマートワークスタイル」を励行しているのだ
現在所属する産業システム事業一部に配属が決まったのは2007年6月。それから1年以上が経過したところだが、「お客さまと接することが多いチームで、やりがいを実感しています」(山下氏)と、生き生きと仕事に取り組んでいる。まだ2年目ということもあり、「担当するシステムの中身を完全に把握するレベルとはいえない」(山下氏)とはいうが、顧客に対して自分なりの提案を行うチャンスも与えられ、仕事には充実感を覚えている。
「ITがこれほど面白くて、奥の深いものだとは知りませんでした。新しい技術を使ったシステム開発などを通じて、少し先の将来が見られることに喜びを感じます」(山下氏)。就職活動を始めるときに思い描いていたとおりの仕事が、ITの世界にはあったわけだ。
最後に、今後の仕事に対する夢を聞いてみた。
「まずは、お客さまの要求に応えるだけでなく、プラスアルファの付加価値を提供できるようになることですね。さらに10年後を見通したとき、IT業界における仕事のやり方も大きく変わっていくでしょう。中国やインドなどのパートナー企業と仕事をするのが当たり前になっているでしょうから、グローバルな世界で成果を出せるような人間になりたいと思います」(山下氏)
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