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学生のためのIT勉強会入門

第1回 IT勉強会はサークルと同じくらい魅力的!

小谷大祐(京都大学工学部情報学科計算機科学コース3回生)
2009/6/18

学生同士のコンピュータ系サークルの域を越え、技術者コミュニティに参加してみないか! プロフェッショナルに交じればさらなるスキルアップを目指せる。

 「学生の身分でIT勉強会に参加していいのか分からない」

 「IT勉強会ってどんなところなのか分からないから、行きにくい」

 「IT勉強会に行くとどんなメリットがあるのかいまいちよく分からなくて、行こうとは思わない」

……こんなことを思って、IT勉強会(*1)に足を踏み入れたことのない学生の皆さんが多いと思います。ですが、学生のうちからIT勉強会に参加し、多くを学んでいる人もたくさんいます。

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 本連載では、IT勉強会に参加したことのない学生の皆さんに向け、現役大学生として実際にいくつかのIT勉強会に参加している筆者らが、IT勉強会とはどのようなところかを学生の視点で紹介します。

 第1回は、大学のコンピュータサークルとIT勉強会は何が違うのか、という点についてお話します。

(*1)本連載でいうIT勉強会とは、技術者コミュニティにおけるIT勉強会のことです。

■大学のコンピュータサークルって? 〜「京大マイコンクラブ」を取材してきました

 コンピュータサークルは多くの大学に存在します。プログラミングが趣味であったり、自分でパソコンを組み立てたり、ネットワークを構築したり、コンピュータに関心のある学生が多く集まっています。読者の皆さんの中には、「大学のコンピュータサークルに所属したことがなく、どのような活動をしているのかよく分からない」という方がいらっしゃると思います。実は、筆者もいくつかの理由から、コンピュータサークルには所属していません。
 
 そこで、筆者が通う京都大学を中心として活動している「京大マイコンクラブ」(KMC)に所属している方々に、どのような活動をしているのか、お話を聞いてきました。

■KMCの活動は「例会」と「プロジェクト」の2種類

 KMCは、1977年に設立された、京都大学旧教養学部公認のコンピュータサークルです。「Linuxを98に移植したサークル」(*2)といえば、「あぁ」と思われる方が多いのではないでしょうか。またKMCには、2007年にACM国際大学対抗プログラミングコンテストのアジア予選を1位で通過した「echizen.bat」の方々が所属しています。

 KMCには「部室」と呼ばれる場所があり、普段は時間のある部員がそこに集まっています。筆者が伺ったときは、10人ほどの部員が集まっていました。部室には光回線が引かれており、インターネットを自由に利用できるほか、多くのコンピュータ、サーバ、プロジェクタ、スクリーン、コンピュータ系の技術書、ゲーム機、こたつなどがありました。また、この部室の入り口には市販のICカードリーダーを使った部員手作りの施錠システムが稼働していました。

KMCの勉強会風景

 KMCの活動には、大きく分けて「例会」と「プロジェクト」の2種類があります。例会は、京都大学 吉田キャンパス内の講義室で週に1〜2度開催されるメンバーの集まりです。例会では、連絡や打ち合わせのほか、「勉強会」や「講座」と称して、部員が順に関心のある話題について話をしたり、ゲームを制作したり、さまざまな本(SICP:計算機プログラムの構造と解釈など)で輪講したりしています。

 一方、プロジェクトは、部員同士が「一緒に何かをしよう」というときに作られる、KMC内のグループです。いまはゲーム開発を目的としたプロジェクトが多いですが、過去には、ゲーム開発に限らずVPNソフトウェアの開発やLinuxの98への移植など、さまざまなプロジェクトがありました。現在活動しているプロジェクトや過去のプロジェクトはKMCのWebサイトで見ることができます。

 こうした日々の活動のほかに、年3回の「合宿」や、OB/OGによる講演会などが行われています。

 普段は IRC(Internet Relay Chat)で連絡を取り合っているため、なかなか部室に来れない部員や例会に参加できない部員でも活動に参加しやすくなっています。筆者が伺ったときも、IRCのチャンネル(チャットの部屋のようなもの)を立ち上げ、そこで文字によるコミュニケーションを行うなど、IRCを非常に活用している印象を受けました。

(*2)LinuxカーネルをNEC PC-9800シリーズ上に移植したプロジェクト。詳細はこちら

■KMCの勉強会とIT勉強会の違い

 正直筆者は、KMCの勉強会はIT勉強会の一種ではないか、という印象を受けました。そもそも、KMCの勉強会と技術者コミュニティにおけるIT勉強会はどう違うのでしょうか。このことを考える前に、IT勉強会について考えてみようと思います。

 IT勉強会といっても、セミナーやカンファレンスのようなものから、輪講、ハンズオンのようなものまで、さまざまなスタイルがありますが、筆者は、IT勉強会には3つの大きな共通点があるような気がしています。

 1つ目は、「参加が自由」という点です。筆者が知る限り、参加するに当たって資格が必要だったり、継続的に会費を納めないと参加できない、といった制限がある勉強会はほとんどありません。むしろ、申し込みをして参加費を支払うだけで参加できるIT勉強会が非常に多いと思っています。また、「ライトニングトーク」の時間が設けられている勉強会では、参加するだけでなく発表する、ということもできます。

 2つ目は、「参加者層が多様である」という点です。参加に関して制限がほとんどないため、一般の社会人の方から学生、よくWeb上で名前を見掛けるような技術者の方まで、さまざまな年齢、職業の方が同じIT勉強会に参加している、という印象を持っています。例えば、筆者がよく参加する「まっちゃ139勉強会」では、毎回、筆者のような学生のほかにも、プログラマの方、社内システムの管理をされている方、研究開発を担当されている方などが参加されています。

 3つ目は、「ある1つの大きなテーマを取り上げていることが多い」という点です。もちろん、テーマに制限を設けていないIT勉強会もありますが、例えば「セキュリティ系勉強会」や「インフラ系勉強会」「Web系勉強会」など、大きなテーマを持っている場合が多いような気がします。

 一方で、KMCの勉強会はどうでしょうか。まず、KMCの勉強会に参加するにはKMCの部員でなければならない、大学のサークルである以上、参加者のほとんどが学生に限られる、という制限があります。また、KMCの勉強会は、部員の興味によってテーマが毎回変わります。

 参加者が限られているため「どういう人が参加するのだろう」という心配がない点や、毎回テーマが変わることによって幅広い分野の知識を得ることができるだろう、という点はKMCの勉強会の特徴です。

 それは同時に、誰でも自由に参加でき、ある1つの大きな分野を取り上げることが多いIT勉強会との大きな違いだともいえます。

■1つの分野を追求したいならIT勉強会がお勧め

 第1回は、大学のコンピュータ系サークルとIT勉強会の違いについて考えてみました。それぞれに特徴があり、コンピュータ系サークルの勉強会とIT勉強会では、参加の自由度が違うこと、取り上げているテーマの幅が違うこと、などを説明しました。

 「コンピュータ系サークルの勉強会ではもの足りない」「ある分野についてもっと詳しく勉強したい」「いろいろなエンジニアの方と交流して、IT業界について詳しく知りたい」「大人(職業エンジニア)に交じって自分の持つ技術を高めたい」という学生の皆さんには、自分の興味のある分野のIT勉強会に参加されることを、筆者は強くお勧めします。

 次回は、IT勉強会とはどんなところなのか、参加するとどのようなメリットがあるのか、などについて、学生の視点でより詳しく説明します。

記者プロフィール
小谷大祐(こたにだいすけ)●京都大学工学部情報学科計算機科学コース3回生

関西のセキュリティ系の勉強会「まっちゃ139」に参加する傍ら、出身地の富山県では「富山インターネット協議会」運営委員を務める。主にインターネット技術に興味がある。

▼Webサイト
 ⇒ 小谷@京都と高岡の日記

 

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