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第1回 ドワンゴにOB訪問してみた


北村慶一(慶應義塾大学大学院)
岑康貴(@IT自分戦略研究所)
2009/6/5

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入社半年後には仕事を任されていた

 岩佐氏の1日のスケジュールを聞いた。出社は11時から12時ごろ(技術職は裁量労働制を採用している)。出社したらまずメールチェックをして、必要があれば返信。「休日明けだと大量のメールが来るので、その対応が大変」らしい。その後、セクションごとに情報共有のための「朝会」を行う。朝会が終わると、仲間とランチを取りつつ、各自パソコンに向かってコードを書き始める。

 遅くとも22時には退社するようにしている、と岩佐氏は語る。

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 「残業をして終電で帰る、というような風潮はあまりありません。やっている人もいますけどね。少し前まではそういう人が多かったみたいですが、全社的に(長時間労働をなくすように)取り組んだ結果だそうです。いまではむしろ、むやみに残業をすると呼び出しが掛かります」

 独り立ちは早かった。入社して半年後には多くの仕事が任された。着うたダウンロード数の報告・管理システムに関しては、入社後半年で1人で制作。その後、レコード会社へ行き、担当者と打ち合わせをしたり、直接案件を聞いてシステムに取り入れたりする仕事を1人で行うようになった。

 「ドワンゴでは、新人にどんどん仕事を任せます。入社してから1年後には、ほとんどの業務は1人でこなすようになりましたね」

取材風景
学生記者の「OB訪問」を受ける岩佐氏

「話しやすい、溶け込みやすい、そんな会社」

 エンジニアは1人で黙々と仕事をこなす職業、というイメージを、岩佐氏は笑って否定した。

 「仲間とは話しやすいし、溶け込みやすい。同僚だけではなく、会社全体がフランクですね。オンとオフの切り替えがしっかりしている人が多くて、気分転換するときはしっかりするし、仕事するときはしっかりと打ち込めます。部署間でもよく飲みに行きます」

 オンのときは、開発に熱心に取り組む。開発の相談があれば、同僚に気軽に聞ける雰囲気があるという。

 「社内勉強会で5分間の発表があるのですが、そこではみんなが見ているので、いい刺激になります」

 逆に、オフのときは各自が思い思いに気分転換を図るそうだ。記者はこのインタビュー前、オフィスにいた社員同士のやりとりを眺めていたが、ノートパソコンを片手に、フリースペースのいすに座って、笑いながら打ち合わせをしていた。

好きなことに全力を注げ

 岩佐氏が考える「エンジニアに向いている人」とは、どのような人物だろうか。

 「何かを作るのが好きな人。わたしは学生時代にFlash作りに熱中していて、それが興じてものづくりがそのまま仕事になりました」

 好きなことに全力で打ち込んでいる人が周りには多いという。1つのことにとことん集中できる人は、エンジニアという職業の適性があるのだろう。

 また、岩佐氏は学生のうちに「自分が好きなこと」と「旅行」はしておいた方がいい、とアドバイスをくれた。

 「学生ならではの自由な時間というものは確実にあります。その時間を使って、自分の好きなことをして、有意義に使ってほしい。いまは旅行になかなか行けなくて、学生時代にいろいろな場所に行けばよかったと悔やんでいます」

 最後に、岩佐氏が考えるこれからのIT業界の展望について語ってもらった。

 「小型のコンピュータが進化・普及して、ITリテラシーがそれほど高くない人も1人1台ずつ持つようになるんじゃないでしょうか。そうして若いうちからITに触れる機会を持つようになって、ITに興味を持つ人が増えると思います。IT企業は、そういう人たちを受け入れる場。そういう環境がつくれるようになりたいですね」

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【参考:ドワンゴにはこんなITエンジニアの先輩もいます(2009年6月現在)】


記者プロフィール
北村慶一(きたむらけいいち)

慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻修士1年。
高校時代に文転して経済学部へと入学したが、数学に興味を抱き、院試を期に「理転」して数学を研究する。学部時代、学生新聞「慶應塾生新聞」で情報システム局長を務め、取材やWeb編成を通じて、ネット媒体を通じた情報発信に興味を持つ。現在は研究の傍ら、ネットメディアの在り方と自身のメディアへの貢献の仕方を模索中。

慶應塾生新聞会

 

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