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就活学生のための注目イベントレポート

東京Basic Technology勉強会 vol.7@桐蔭横浜大学 レポート
学生は「言語の基礎」「質問力」「勉強力」を身に付けよ


岑康貴(@IT自分戦略研究所)
2009/7/16

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相手が答えやすいように質問する

 第1部の後半では、事前に募った「学生からの質問」について、「それに対する先輩からの回答」をアンケートから抽出し、まとめて紹介した。

 「研修受講者の気になる(直したほうがいい)癖はありますか?」という質問に対しては、「分からないのに分かったふりをする」という回答が多く寄せられた。「具体的に質問してくれた方が答えやすい。相手が答えやすいように質問するのも技術の1つ」と、質問力に通じる回答も挙がった。

 もう1つ、比較的多かった回答が「メモ」について。「メモを取る習慣を身に付けること」という回答について、kwappa氏も「会社に入ると、先輩がみんなノートを常に持っているのでびっくりすると思う」と語った。

 「社会人にとって『聞いたことをメモらずに忘れた』というのは致命的です。だから、社会人はやたらとメモります」

 ただし、研修の講義中にメモを取ることに集中しすぎて、講義内容の意図や本質を見逃してしまう新人がいる、という回答もアンケートでは挙がった。

 それ以外には、「文頭の『あ』や『えー』は意識しないと直らない」「聞かれたら返事をしましょう」という回答が寄せられた。

 「IT業界は『学科不問』での募集が多いと聞きますが、本当ですか? なぜ不問なのでしょう?」という質問に対しては、「学科不問かどうか、またその理由は企業による」という回答が紹介された。下記に引用する。

 特にSEとして上流工程に携わる会社の場合、専門的な技術より業務知識やコミュニケーションスキルを問われることが多く、幅広い分野での人材を要求しています。

 逆に派遣主体の会社などは人手の数=資産なので、ただ人間を集めたいという理由で学科不問という会社も存在します。

 また、社内で研究を行う場合には学科を問うところが多く、在学中に何を学んだのかが重要になります。

「良い行動のイテレーション」を意識しよう

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 「よく会社説明会などで『文系の人や、理系でも情報系のことを学んでいない人でも、研修をしっかりやるので大丈夫』といわれるが、本音としてはどうなのでしょうか?」という質問に対しては、kwappa氏は「厳しい回答が続出した。その中から、本質は外していないけれども、比較的柔らかい回答を1つご紹介します」と苦笑い。その内容とは「研修はしっかりやる。でも学んだことを理解できるか、身に付けられるかは皆さん次第」というものだった。kwappa氏自身も、「研修をしっかりやってくれる企業に入った人は、その研修で十分と思ったらアウト。逆に、研修をあまりやってくれない企業に入った人は、自分で何とかしないとアウトになってしまいます」と語り、あらためて「自分で学ぶ姿勢」の重要性を説いた。

 「企業が新入社員に求めているものは何ですか?」という質問に対しては、「人並みに人であること」「せめて3年は(会社に)いてくれること」という回答を紹介。さらに、「自分への自信と不信、両方を持ってほしい。技術力でも人間力でもいいので自分に自信を持って、同時に過信し過ぎず、常に振り返りの姿勢を持ってほしい。若いのに頑固はダメ」という回答を「非常に味わい深い」と評しながら紹介した。また、「『素直に話を聞いて、理解して、考えて動く』ということを繰り返し行う」というアンケートの回答を引用。反復型開発における反復の単位である「イテレーション」になぞらえて、「良い行動のイテレーションを意識しましょう」と語った。

 最後に「企業が就職活動中の学生に求めているものは何ですか?」という質問に対しては、「自分が会社を選んでいるんだという感覚を持って、卑屈にならずに何でも聞く」「夏季インターンをやっている会社があれば積極的に参加しよう」「『企業に求められるもの』を意識しなくて済むような経験や知識と、適度な自信を持ってほしい」という3つの回答を紹介した。特にインターンに関しては「はてなやクックパッドなど、ここ数年積極的にインターンを募集している。インターンの学生が作ったものを実際に商用サービスとしてリリースするということも起きている。昔はこんな制度はなかったので、今の学生の特権だと思います」と熱く語った(IT企業のインターンシップについては、連載「インターンシップへ行こう」を参照してください)。

エンジニアは技術を好きになろう

 kwappa氏はまとめとして「エンジニアは技術を好きになってください。好きになれば、疲れませんから」というアンケートの言葉を引用。好きなことであれば熱意をもてるし、時間を忘れて没頭することもできると説明。プログラミングやシステム開発の仕事は、ほかの仕事に比べて「段違いに好きになりやすい仕事」であるとkwappa氏は主張した。

 「プログラミングは楽しいです。システムを開発することには大きな喜びがあります。ほかの仕事よりも好きになりやすい。好きになれるかどうかは、今後何十年かの会社員としての生活を楽しめるかどうかの、本当に大きな分岐点になります。好きでやっているのと嫌々やっているのは絶対に違います。自分の生活の質にとっても重要だし、会社としても重要なんです。好きでやっていることであれば、でき上がったものの品質に差が出るからです」

好きになれば、疲れない

 好きになるにはどうしたらいいか、それが今日話したことだとkwappa氏はこの日の発表を振り返った。好きになるには嫌な思いを極力減らすことが重要であり、そのために「プログラミング言語の基礎を学んでおく」「質問力をつけておく」「勉強力をつけておく」という3つを思い出してほしいという結論を述べ、1時間のセッションは終了した。

学生ためのIT勉強会のススメ

 第2部では「実践的IT勉強会参加術」と題し、「学生もIT勉強会に参加しよう」と呼びかける内容のセッションが行われた。

 kwappa氏は冒頭でよしおかひろたか氏の記事「学生諸君、『就活としての勉強会』に参加せよ」を紹介し、「IT勉強会に学生が参加すると、社会人と交流できるというメリットがある」と語った。

 さらに、勉強会を探すための「IT勉強会カレンダー」「IT勉強会カレンダー検索」「Tech Seminar Timemap」などのサービスを紹介し、「懇親会にも勇気を持って参加しよう。未成年やお酒を飲めない人は、別にお酒を飲まなくてもいい」「人見知りする人は、ネックストラップと個人名刺、Pokenを持っていくといい」「勉強会に行ったらブログに感想や勉強した成果を書こう。アウトプットの習慣をつけることが重要」と、勉強会の活用法について解説した。

 

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