
Tech総研
2009/7/10
| エンジニアはどれだけ貯金をしているのか。投資・運用への興味は? 不況だからこそ気になる「隣のエンジニアの懐事情」をTech総研の調査から探ろう。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載) |
| 毎月7万円を預金して、平均貯蓄高473万円。 だが、借入金もほぼ同額 |
今回の調査対象者は、現在貯蓄をしているという20代・30代のエンジニア500人。年収層は、「300万〜500万円未満」が44.8%、「500 万〜700万円未満」が29.2%で、この2つの層で全体の約4分の3を占めている。ちなみに年収の最小値は300万円、最大値が1500万円、平均値は551万円だ。
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こうした属性を持つ500人にずばり聞く「現在の預貯金はいくら?」。最も少ない人は2万円、最も多い人はなんと4600万円。最少額と最高額の幅は天と地ほどの開きがある。平均は473万円。標準偏差は574もあり、極めてバラツキが大きいデータであることが分かる。
年代別にみると、25〜29歳の貯蓄平均が328万円、30〜34歳が536万円、35〜39歳が553万円となっている。年代を追うごとに貯蓄額は伸びているが、住宅購入や子どもの養育資金がかさむ40代以降は伸びが鈍化すると思われる。毎月の貯蓄額は0〜120万円と差がある。平均は7万円だった。
一方、住宅・自動車ローンなどの現在の借入金額については、最大で6800万円という人がいた。平均は457万円。みんな決して少なくないローンを背負っていることが分かる。借入金額も年代に応じて伸びる傾向がある。25〜29歳では平均108万円だが、30〜34歳になると437万円に跳ね上がり、35〜39歳では824万円となっている。おそらくマンションなどの住宅ローンが大部分を占めていると思われる。
今回の調査からは、こうした借入金の返済と老後に備えた資産形成のために、みな貯蓄や投資・運用に一生懸命であることがひしひしと伝わってくる。
現在の貯蓄額 |
毎月の貯蓄額 |
ローンなどの 借入金額 |
|
|---|---|---|---|
| 25〜29歳 | 328万円 |
7万円 |
109万円 |
| 30〜34歳 | 536万円 |
8万円 |
438万円 |
| 35〜39歳 | 553万円 |
6万円 |
824万円 |
表1 エンジニア500人に聞いた「貯蓄・ローン金額」
| 普通・定期預金以外に、 株式、投信、FX、外貨預金にも分散 |
日本は貯蓄大国と長くいわれてきた。家計が保有する金融資産のうち、預貯金などの安全資産の割合はおおむね6割前後で推移してきた。株式、投信などのリスク資産の割合は、バブル期後半には一時的に2割を超えるまでに上昇したが、バブル崩壊後の1990年代半ば以降は1割を大きく下回っている。
ただ、低金利の時代が長く続いたため、お金が、よりハイリスク・ハイリターンの投資先を求めているのは事実。先進諸外国に比べればまだリスク資産の割合は小さいものの、1990年代以降の金融自由化で、それまで一般的だった銀行への普通・定期貯金から、よりリターンの大きい金融商品へと、お金がシフトしていく傾向がはっきりしてきた。
中でも、小泉・竹中内閣のもとでは「貯蓄から投資へ」という言葉がスローガンになり、株式はもとより外貨預金、FX(外国為替証拠金取引)、外債など、よりハイリスクの金融商品への投資が比較的年齢の若い層にも身近になった。オンライン証券の登場や、書籍・雑誌・ネットにおける金融情報の爆発的な普及がそれを後押ししている。
とはいえ昨年来の国際的な金融危機で株式市場は暴落し、為替相場の激変で外為取引も大損のリスクが出現している。安全資産からリスク資産へという流れが、これから先、後戻りすることはあるのだろうか。今回の金融危機を乗り越えるために、エンジニアはどのような形で資金運用、資産形成を考えているのだろうか。
まず、現在の貯蓄・運用方法を聞いてみた(複数回答)。依然、「普通預金」(90%)や「定期預金」(62.6%)の比率は高い。とはいうものの、「個別株式」(56.2%)、「投資信託」(39.2%)、「外貨預金」(24.2%)などを利用する人の割合も多い。実態としては、これらをうまく組み合わせながら、金融資産のリスクと安全のバランスを図っているものと考えられる。
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図1 現在活用中の貯蓄・運用法と、興味・関心がある貯蓄・運用法 (横軸:人) |
ここで注目したいのが「FX」だ。証拠金(保証金)を業者に預託し、主に差金決済による通貨の売買を行う取引をいう。レバレッジを利用することによって証拠金の何倍もの外貨を取引することができるが、証拠金以上の損失を受けるリスクもある、極めて投機的な金融商品だ。
FXは11年前の外為法の改正以降、取引高を急速に伸ばしている。2008年1〜3月期の取引高は230兆円と、2年前の4倍強。2008年10月の東京金融取引所での売買高は過去最高となったが、10月下旬の急速な円高で11月の売買高は前月比の半分となった。しかし、2009年1月には前月比30%増となるなど、為替相場や金利動向を敏感に反映した激しい出入りを繰り広げている。
個人にとっては、少額でも大きな取引ができるだけでなく、外国為替の変動を通して国際経済の動きをピリピリと感じることができる、という緊張感も魅力の1つだ。今回の調査でも、回答者の26.8%がFXを行っており、その割合は外貨預金を上回っている。
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