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第78回 満足度が高い県は? 勤務地別エンジニア年収

Tech総研
2010/8/9

第77回1 2次のページ

「地方の時代」とずいぶん前から叫ばれているが、産業分布の構造的な偏りや、中央/地方の賃金格差の問題はなかなか解消されない。今回は、全国4300人のエンジニアの年収を調べ、その「格差」の現状と、それでもなお地方で働く魅力について分析した。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

  厚労省全国調査では
ダントツトップは東京都

 主要産業に雇用される労働者の賃金については、厚生労働省が毎年「賃金構造基本統計調査」を全国で行っている。基本的には月額給与をまとめたものだが、平成21年(2009年)の調査結果では、全産業にわたる一般労働者(短時間労働者を除く)の平均賃金は29万4500円で、これは1996年以降で最も低く、4年連続の減少。また、調査が現行方式になった1976年以降で最大の減少率となった。リーマンショックによる景気悪化が労働者の賃金に影響を与えた、といってよいだろう。

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 産業別では最も賃金が高いのは、男性が金融業・保険業(46万8100円)で、最も低い運輸業・郵便業(26万1700円)に比べると、約1.8倍の開きがある。雇用形態別には、男性の場合、正社員は33万7400円であるのに対して、非正規雇用の社員は22万2000円で、非正規は正社員の66%程度の賃金となっている。昨今、さまざまな角度から議論されている非正規雇用問題だが、正規/非正規の格差は一向に埋まらないのが現状だ。

 厚労省の調査では、都道府県別の集計も出している。そこから製造業・男子に絞って、ベスト10とワースト10を抜き出したのが表1(製造業・男子に絞ったのは、後で見るTech総研調査の回答者属性との間で、整合性を可能な限りもたせるためである)。それによれば、トップは東京都の40万8500円。以下約6万円差と大きく水があいて、大阪、神奈川、愛知、京都、三重などが続く。ワーストは、全国最低が青森の23万2300円。沖縄、秋田、鳥取、島根、宮崎なども月収25万円以下と低い。これは製造業の中でも大企業の事業所の分布が関東、関西、東海地区に集中し、東北、沖縄、中国、四国、九州に少ない現状を裏付ける数字でもある。

◆ ベスト10
全国順位 都道府県名 月額賃金
1位 東京都 40.85 万円
2位 大阪府 34.66 万円
3位 神奈川県 34.56 万円
4位 愛知県 33.75 万円
5位 京都府 33.44 万円
6位 三重県 32.26 万円
7位 奈良県 31.93 万円
8位 千葉県 31.83 万円
9位 兵庫県 31.70 万円
10位 埼玉県 31.26 万円
◆ ワースト10
全国順位 都道府県名 月額賃金
47位 青森県 23.23 万円
46位 沖縄県 23.37 万円
45位 秋田県 24.25 万円
44位 鳥取県 24.35 万円
43位 島根県 24.98 万円
42位 宮崎県 25.00 万円
41位 高知県 25.36 万円
40位 山形県 25.90 万円
38位 岩手県 25.91 万円
38位 鹿児島県 25.91 万円

表1 地域別の月額賃金ランキング
(厚労省平成21年賃金構造基本統計調査より/製造業男子:月額給与)

  関東、関西、中部地区が
依然高い傾向

 こうした公的な全国調査の結果を念頭に置いて、Tech総研が独自に行った調査を見ていただきたい。Tech総研の場合は、サンプル数が4300件。電気・機械・化学(EMC系)とIT系エンジニアに絞った調査なので、読者にとってより身近な数字になっているはずだ。また、こちらは月収ではなく年収ベースで回答を得ている。

 それによれば、年収額のトップは徳島の555万5000円。続いて、栃木が入り、東京は3位。以下、神奈川、三重、兵庫、千葉などが続く。先の厚労省調査では19位の徳島がトップになっているのは、統計上のサンプルの偏りがあるのかもしれない(徳島のサンプル数は14件で東京1241件の1.1%ほどしかない)。そうした一部の突出現象を無視すれば、やはり関東、関西、中部地区が高い傾向は読み取れる。

 ワーストは、秋田の318万円が最も低く、大分、青森、山口、山形、新潟、沖縄と続いている。栃木の528万6000円と比べても、秋田、大分、青森は60%ほどしか年収を得ていないことになる。ちなみに調査対象の全職種平均の年収は459万9000円だった。

順位 勤務地 年収(全体) 年収(EMC系) 年収(IT系)
1位 徳島県 555.5 万円 471.4 万円 702.5 万円
2位 栃木県 528.6 万円 552.6 万円 476.7 万円
3位 東京都 496.3 万円 494.6 万円 496.6 万円
4位 神奈川県 493.2 万円 494.8 万円 492.0 万円
5位 三重県 472.8 万円 519.4 万円 390.0 万円
6位 兵庫県 461.4 万円 479.4 万円 438.9 万円
7位 千葉県 453.1 万円 490.5 万円 437.6 万円
8位 奈良県 450.0 万円 427.8 万円 516.7 万円
9位 愛知県 449.6 万円 468.2 万円 428.7 万円
10位 香川県 446.6 万円 318.0 万円 498.0 万円
11位 熊本県 445.3 万円 493.3 万円 362.9 万円
12位 静岡県 441.3 万円 447.2 万円 428.9 万円
13位 大阪府 441.1 万円 484.1 万円 425.6 万円
14位 茨城県 436.7 万円 468.8 万円 400.0 万円
15位 京都府 435.5 万円 465.0 万円 405.0 万円
16位 滋賀県 434.7 万円 462.8 万円 392.5 万円
17位 岐阜県 434.5 万円 495.0 万円 362.0 万円
18位 佐賀県 433.3 万円 424.0 万円 480.0 万円
19位 山梨県 432.2 万円 470.7 万円 316.7 万円
20位 高知県 430.0 万円 386.0 万円 485.0 万円
21位 北海道 425.5 万円 511.0 万円 411.6 万円
22位 埼玉県 421.8 万円 433.6 万円 403.9 万円
23位 宮城県 418.1 万円 409.4 万円 425.4 万円
24位 福島県 418.1 万円 430.0 万円 410.8 万円
25位 石川県 417.9 万円 390.9 万円 435.3 万円
26位 広島県 417.8 万円 424.5 万円 412.1 万円
27位 群馬県 407.6 万円 440.0 万円 347.7 万円
28位 福井県 406.7 万円 372.9 万円 525.0 万円
29位 福岡県 404.9万円 398.4 万円 407.3 万円
30位 和歌山県 404.0 万円 454.3 万円 286.7 万円
31位 愛媛県 402.9 万円 496.7 万円 332.5 万円
32位 長崎県 401.4 万円 416.0 万円 365.0 万円
33位 富山県 399.0 万円 429.3 万円 372.5 万円
34位 宮崎県 398.3 万円 466.7 万円 330.0 万円
35位 鳥取県 396.7 万円 272.5 万円 496.0 万円
36位 長野県 389.8 万円 412.5 万円 370.8 万円
37位 鹿児島県 387.5 万円 467.5 万円 307.5 万円
38位 岩手県 376.2 万円 391.4 万円 358.3 万円
39位 岡山県 372.9 万円 353.8 万円 382.5 万円
40位 島根県 370.0 万円 375.0 万円 350.0 万円
41位 沖縄県 368.9 万円 - 368.9 万円
42位 新潟県 367.1 万円 411.4 万円 345.0 万円
43位 山形県 365.9 万円 368.4 万円 356.7 万円
44位 山口県 360.0 万円 450.0 万円 300.0 万円
45位 青森県 351.3 万円 415.0 万円 287.5 万円
46位 大分県 335.6 万円 383.3 万円 311.7 万円
47位 秋田県 318.0 万円 350.0 万円 296.7 万円
全体平均 459.9 万円 464.1 万円 457.7 万円

表2 エンジニア4300人に聞いた勤務地別「年収」ランキング

  IT系では福井、奈良、香川、鳥取が
上位にランク

 電気・機械・化学(EMC系)などのいわゆるハード系職種と、IT系との比較も見ておこう。EMC系が高いのは、栃木、三重、北海道、愛媛、岐阜、神奈川、東京など。北海道はやや意外ではあるが、関東、関西地区が東北、九州、中国地区を上回っているというのが全体の傾向だ。

 IT系については、徳島、福井、奈良、香川が善戦している。近年、ソフトウェア産業振興に力を入れる鳥取も上位にランクした。東京、神奈川も上位に入るが、IT・ソフトウェアの場合は、事業所の全国展開が進み、必ずしも年収レベルでは首都圏の独り勝ちとはいえない、ということが分かる。装置や工場設備を前提としないIT系の仕事は、全国どこにいてもできるし、それなりの年収を得ることができるということかもしれない。

「高賃金=高満足度」とは必ずしもいえない  

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