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第4回 昇進年齢の個人差が拡大 課長への昇進標準39.4歳

提供:日本人材ニュースHRN日本人材ニュースCarrera
2010/4/2


人材採用・育成の専門紙「日本人材ニュースHRN」、キャリア支援ニュースサイト「日本人材ニュースCarrera」から、IT業界の雇用に関する記事を転載してお届けします。

 民間調査機関の労務行政研究所は、大卒社員の企業における役職(係長・課長・部長相当の職位)への昇進年齢の実態と、2004年と比較した昇進スピードの変化について調査を行い、その結果を発表した。

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 調査では、同期入社や入社年次が近い社員の課長昇進に関し、「昇進までの年数の個人差が大きくなった(早い者と遅い者との差が広がった)」と答えた企業は全体の43.9%に上り、早期登用の広まりなどから昇進スピードの個人差は広がる傾向にあることなどが分かった。

「最短」昇進年齢の平均値は、係長29.5歳、課長33.9歳

5年前(2004年)と比較した、役職への昇進スピードの変化
2004年と比較した、役職への昇進スピードの変化

 係長・課長・部長の各役職への回答企業の制度上の「最短」昇進年齢と「標準」昇進年齢を調べたところ、最短では係長29.5歳、課長33.9歳、部長40.1歳、「標準」は係長32.7歳、課長39.4歳、部長47.0歳だった。

 「最短」と「標準」の昇進年齢の平均値との差は、係長が3.2歳に対し部長では6.9歳となり、上位の職位ほど最短・標準の差が拡大する傾向にある。

 実在者の平均年齢は、係長は39.6歳、課長45.1歳、部長50.7歳となり、前回調査の平均年齢(係長38.8歳、課長44.8歳、部長51.3歳)よりも若干だが若返っている。

「昇進が早くなっている」が約3割、理由は「若返りを図るため」

昇進年齢(制度上、実在者の比較)
昇進年齢(制度上、実在者の比較)

 実在者の昇進スピードの変化は「変わらない」が最も多く、全体の約6割を占めている。一方、「早くなっている」も約3割を占めており、早めの出世が目立つ。

 集計企業が前回と異なることから単純な比較はできないが、課長への昇進について「早くなっている」とする回答割合は、前々回37.6%→前回55.2%→今回28.5%と推移している。

 「(1)優秀な人材の早期登用に向けた取り組みが、各社で一定の定着をみたと思われること、(2)景気の低迷に伴って組織拡大にブレーキがかかり、早期登用の受け皿(ポスト)が、頭打ちまたは減少に転じたこと、(3)バブル期以降の採用抑制のため、早期登用のターゲットとなる年代層の社員数が限られていることなどが考えられる」(同研究所)。

 課長および部長について昇進が「早くなっている」理由は、「若返りを図るため、若手を積極登用した」が最も多く、課長で67.6%、部長で63.2%といずれも6割超を占めた。これに続くのが「成果主義、能力主義の浸透」(課長56.8%、部長60.5%)で、経営幹部候補や優秀者の積極登用が進んでいる状況がうかがえる。

 これに対し、「遅くなっている」理由のトップは「ポスト不足」で、課長・部長とも回答の7割超を占めた。前回調査の課長91.7%、部長85.7%に比べると、その割合はダウンしている。

 一方、2番目に多かった「昇格基準を厳格に運用している(または厳格化した)」を挙げた企業は、課長で42.1%(前回33.3%)、部長で50.0%(同21.4%)となり、いずれも増加傾向を示している。同研究所では「成果や発揮能力を重視する制度の広まりに加えて、バブル期の大量採用層が昇進対象年代にかかる中、ポスト登用時の選抜をより厳格化する動きがあるものとみられる」と分析している。

 「課長に昇進するまでのスピードの個人差の変化」についての比較では、「変わらない」(52.0%)がなお過半数を占めているものの、「昇進までの年数の個人差が大きくなった(早い者と遅い者との差が広がった)」も43.9%に上っており、優秀者の早期登用や、成果・能力に応じた評価などが昇進スピードに大きく影響しているようだ。

 調査は同研究所が、2009年10月5日〜12月3日の間、全国証券市場の上場企業を中心とする4003社を対象に実施し、138社(製造業63社・非製造業75社)から回答を得た。

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