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転職目的別・これが私の生きる道

第6回 「残業の少ない会社に転職したい」人の本音と建前

アデコ 福間啓文
2008/10/16

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目的別の実例を挙げながら、転職における成功・失敗の要因を探る。皆さんの参考となる「道」を探してほしい。

 「自分のペースで仕事をする」という言葉から、皆さんはどのようなことを想像しますか。「自分のスキルを思う存分生かして仕事がしたい」「仕事をしながら趣味の時間も充実させたい」「家族との時間をつくりたい」など、さまざまだと思います。

 個々人の性格・価値観・考え方により、仕事のスタイルは大きく異なります。このことが転職を考えるきっかけになったり、転職先を選ぶときの大きなポイントになったりします。

 今回は、「自分のペースで仕事がしたい!」という転職の目的を取り上げ、2人のITエンジニアの事例を紹介します。

もっと子どもと過ごしたい岡部さん

 岡部さん(仮名)は32歳のネットワークエンジニアです。新卒で入社した会社ではネットワークの運用を中心に経験。入社から5年で、設計・構築ができる環境を希望して転職しました。

 現在の会社はネットワーク設計・構築から運用まで行う準大手のネットワークインテグレータで、岡部さんは持ち前のバイタリティを生かし、プロジェクトリーダーとして活躍していました。

 最近結婚をし、第一子も生まれて順風満帆に見える岡部さんですが、実は再度の転職を考え始めていました。

 岡部さんは子煩悩で、もう少し家にいる時間を長くし、もっと家事・育児にかかわりたいと思っていました。しかし現実は岡部さんの希望とは正反対。かかわっているプロジェクトは全社的に重要なものであり、顧客の無理難題に対応しなければならないような状態だったのです。残業は増え続け、揚げ句の果てには休日出社もたびたびあるような事態になっていました。

 岡部さんは直属の上司に相談したのですが、期待を裏切るような言葉が返ってきました。「この業界なら、残業はやむを得ないだろう。時短制度、育児休業制度、わが社にはそんな余裕はない! いま頑張ってもらわないと困る!」。これでは環境の改善は見込めないと判断した岡部さんは、とうとう転職活動を始めました。

面接で落とされてしまう

 岡部さんは転職活動で、下記のようなことをテーマにしていました。

  • これまでの経験が生かせるネットワークエンジニア職


  • 業種・企業規模にはこだわらない


  • 年収は多少ダウンしても可


  • プライベートとの両立ができる環境(残業が少ない、フレックス制度などが整っている会社)

 転職活動を開始し、数社に応募した岡部さんは、意外にうまくいかないことに気付きました。書類選考には通るのですが、面接で落とされてしまうのです。

「残業が多いから転職」ではストレートすぎる

 私が岡部さんと面談をしたのは、岡部さんが数社の面接に失敗した後のことでした。

 私は、岡部さんが転職理由についてどう答えているかが気になり、聞いてみました。すると岡部さんは、「残業が多く、プライベートとの両立ができないから転職したいと話しています」というのです。

 もちろん岡部さんの本音ではあるのでしょうが、これを聞いた面接官はどう感じるでしょう? 「もしプロジェクトが多忙になったら、すぐに辞めてしまうのでは……」と不安に思うでしょう。これが面接に落ち続けていた理由ではないでしょうか。

 そこで私は岡部さんに、「アピールの仕方を変えましょう」とアドバイスをしました。

 面接時には、「本音と建前」を使い分ける必要もあります。岡部さんは転職理由をあまりにもストレートに表現していたため、採用者側には戸惑いがあったでしょう。例えば、下記のように表現を和らげるといいのではと思います。

 「……以上のようなことで退職を考えました。御社に応募した理由の1つは、残業管理やフレックス制度など待遇面が充実し、社員を大事にしている社風がうかがえることです」

 アドバイスの後、私は企業を何社か紹介し、岡部さんはそのうちのいくつかに応募しました。

 今度は面接にも合格し、複数の企業から内定を獲得。岡部さんはその中から、残業時間が平均月20時間程度、時短制度があり、業界でも社員を大事にしていると定評があるユーザー系システムインテグレータに入社。見事、課題を克服したのです。

「会社の体制が古すぎる……」永田さん  

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