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転職目的別・これが私の生きる道

第7回 「やりたいこと」で世の中の役に立つ方法

アデコ 高野和幸
2008/10/30

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目的別の実例を挙げながら、転職における成功・失敗の要因を探る。皆さんの参考となる「道」を探してほしい。

「やりたいこと」を仕事にできていますか?

 「いまの仕事は、あなたのやりたいことですか? やりたいことを仕事にできていますか?」と突然質問されたら、あなたはなんと回答しますか。

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 やりたいことを仕事にできていることは、とても幸せなことです。たくさんの方の転職のお手伝いをしてきた経験から、私はそう強く感じています。

 やりたいことであれば、前向きに意欲を持って取り組むことができます。仕事でもそれ以外の場面でも、多くのことを学ぼうとする「アンテナ」が敏感になり、人間としての成長度にも大きな差が生まれてくると思います。

 ITエンジニアは、スペシャリストとして専門性を磨く醍醐(だいご)味、ものづくりにかかわれる職人的な喜び、ユーザーの業務改善に貢献できる達成感など、「やりたい!」と感じられる要素が多い仕事です。

 自分自身の「やりたい!」を的確にキャッチし、実現できれば、ITエンジニアという仕事をさらに楽しく充実したものに変えることができると思います。

 今回は、やりたいことを仕事にすることに真剣に取り組んだ2人のエピソードを紹介します。

非効率なシステムを作ることに不満が

 安田さん(仮名)は、中堅のシステム開発会社でWebアプリケーション開発に従事する28歳のITエンジニア。入社以来熱心にスキルを磨き、サブリーダーとして活躍していました。

 ですが、サブリーダーを任され始めたころから、安田さんは今後のキャリアについて真剣に考えるようになり、同時に大きな不安を抱くようになっていたのです。

 安田さんにとって、ITエンジニアの仕事はとても楽しいものでした。しかし同時に、お客さまから指示されたものを指示されたとおりに作らなければならないことに、大きな違和感を覚えていました。

 明らかに非効率なシステム、意味のない仕様でも、お客さまが作れといえば拒むことはできない立場。心血を注いだシステムも、結局は他社の持ち物であり、最後まで面倒を見ることはできません。

 もともと、安田さんはこのままITエンジニアを続け、プロジェクトマネージャへとステップアップしようと考えていました。しかし、サブリーダーという重要な役割を任されるようになったところで、この不満は今後ますます大きくなっていくのではないかと考えたのです。安田さんは深く悩み、ITエンジニアをやめようかとまで思うようになりました。

 私が安田さんに会ったのは、そのころのことでした。私は、安田さんがやりたい仕事とはどんなものなのか、あらためて確認することにしました。

いわれたものを作るのではなく、自ら企画できる仕事がしたい

 安田さんはやる気に満ちた表情で、希望する仕事のイメージを話してくれました。「もし、これまでのキャリアにこだわらなくていいのであれば、お客さまに役立つサービスを企画し、提案するようなクリエイティブな仕事がしてみたいのです」

 大学時代の就職活動でも、ITエンジニアになるか、雑誌の編集など企画をメインにできる仕事を選ぶか、最後まで迷っていたそうです。

 私は安田さんにこう提案しました。「もちろん、年齢的にキャリアチェンジは不可能ではありません。でも、そんなリスクを冒さなくても、これまでの経験や知識を十分に活用しながら、自社のサービスに深くかかわる方法がありますよ」

 実際に紹介したのは、国内最大手のインターネット企業で、自社サービスの開発を担当するITエンジニア職でした。この企業は、システム開発の大半を外部に委託しており、社内のITエンジニアは主に部門間の調整、サービス内容の企画を担当していました。

 ただし、サービスを一から立ち上げる純粋な企画職とは異なり、あくまでもシステム担当という立場での参画です。この点について安田さんに確認をしたところ、「私がやりたいのは、世の中に向けて新しい便利なサービスが生み出される瞬間に、自分なりの立場でかかわっていくことなんだと気付きました。ゼロから企画を考える仕事よりも、むしろシステムでそれをどうバックアップするのかを考える方がワクワクすると思います」と笑顔で提案を受け入れてくれました。

 Web系の開発で十分な実績を持っていた安田さん。実際に転職活動を開始してみると、その企業から非常に高い評価を受けることができました。加えて、「お客さまの役に立つサービスを開発したい」という大きな意欲が、指示待ちで業務をこなすだけの人材との差別化になり、難関を突破。晴れて「やりたい仕事」への転身を成功させたのです。

過酷な環境で働く仲間を手助けしたい清水さん  

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