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第8回 勉強会というライブが持つ「人を動かす力」

よしおかひろたか
2009/2/26

エンジニアの開催する勉強会が増えている。本連載では、かつてシリコンバレーで「勉強会の文化」に身を置き、自らも長年にわたって勉強会を開催し続けている「生涯一プログラマ」のよしおかひろたか氏が、勉強会に参加し、開催するためのマインドとノウハウを紹介する。

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 開発者のイベント「Developers Summit 2009」(略してデブサミ2009)に行ってきた。2月12日の最後のセッション、コミュニティLT(Lightning Talks)に参加するためだ。

 デブサミはIT系の開発者向けのイベント。今回、LTを行うコミュニティを公募するということだったので、「勉強会勉強会」として応募した。多数のコミュニティに交ざってめでたく当選し、LTをすることになったのだが、気が付くと司会まで仰せつかってしまった。

 LTといえばドラ。ドラといえばドラ娘。ということで、LTに欠かせないドラ娘ことナガタユウコさんと一緒に司会進行をした。しかも和服姿で。インターネットによる動画中継は、われらが動画中継職人、溝口浩二さんと荻原一平さんにお願いした。

デブサミでLTをした

コミュニティ名
発表者(敬称略)
よしおかひろたか(id:hyoshiok)
市谷(id:papanda0806)
加藤、瀧、太田
柏貴光、梅村知正
懸田剛
大浦史仁
天野勝
高橋征義
佐藤正志
飯島聡
山田正樹

 デブサミコミュニティLTの司会を通じて、わたしが伝えたかったことは「いろいろなコミュニティがあるということ」「コミュニティ内のコミュニケーションから、コミュニティ間のコミュニケーションへ」「コミュニティの素晴らしさを宣伝してほしい」という思いだ。

 勉強会勉強会のプレゼン資料は下記の通り(slideshareにアップロードした。なお、デブサミ2009の講演資料一覧はこちら)。結論は2つで、「勉強会の主催者になろう」ということと、「IT勉強会カレンダーを見よう」ということだ。

 インターネット中継の動画もUstream.tvで見ることができる。

Live Videos by Ustream

 勉強会やコミュニティ活動をもっともっと楽しくしたいし、もっともっと多くの人に参加してほしい。そのためには、もっともっと多くの人に知ってもらう必要がある。その1つとして、このような場で発表したり、いろいろな人と話したりしている。もちろん、この連載もその一環だ。

 これらの経験の中で学んだことは、「勉強会の当事者になることが勉強会を楽しむ一番の方法」だということ。しかし、勉強会開催の経験がなければ、そのハードルが大変高く感じられるし、簡単にできるとはなかなか思えない。

 主催者になることの直接的な利益は存在する。仕事に役立ったり、掛け替えのない人とのつながりを得られたりする。

 デブサミという場をいただき、LTを通していろいろなコミュニティの方と直接会う機会、話す機会をいただけた。参加者の1人として大変貴重な経験をした。参加者の日記やブログで当日の感想を読んだが、LT以外のセッションも、興味深いものがたくさんあったようだ。

勉強会大集合とKPI

 「オープンソースカンファレンス(OSC)2008 Tokyo/Fall」で「勉強会大集合」のイベントを開催したことは第4回でお伝えしたとおりだ。勉強会大集合のLTとパネルディスカッションを開催するに当たっては、パネリストの皆さんと、勉強会大集合というイベントのKPI(Key Performance Indicator)を事前に設定した。KPIとは、業務の達成度を定量的に把握する指標などと定義されているが、ここではパネリストにとってのKPIを「パネルディスカッションを聞いた観客の満足度」という観点から設定してみた。

 具体的なKPIとして、

  1. 参加者にブログなどで感想を書いてもらった

  2. パネルディスカッションで紹介した方法を試した

  3. 勉強会を開催した

の3つを設定した。

 わたしたちは、勉強会を紹介し、少しでも勉強会に興味を持ってもらうことを目的にパネルディスカッションを行った。観客の心に何らかの思いが残れば、第一段階としては成功である。

 その近似値として、例えばブログなどに記してもらう。もちろん、Webメディアなどプロが書いた記事もそれに含まれる。それは単に参加者が面白いと感じただけではなく、記者が商業メディアに載せるべきという価値判断をしたということであり、イベントそのものの価値が伝わったと考えたからである。

 さらに、興味を持ってもらうだけではなく、勉強会を開催している人たちにとって何らかの参考になったかどうかを指標とした。運営のヒントとして持ち帰ってもらうだけではなく、実際に試行した人が現れれば、その試みが成功したか否かにかかわらず、そのような影響を与えたという点で実践的な内容のあるコンテンツだったといえる。

 究極的には、勉強会大集合で勉強会の意義を観客に伝え、それが何らかの波紋を広げ、少しでも勉強会開催のハードルが下がり、多くの新たな勉強会が生まれたかどうかが指標となる。それこそが、わたしたちが目指したゴールである。

 そんなことを考えながら、パネリストたちとKPIを冗談半分、本気半分で設定した。

 ちなみに、このときのメーリングリストを母体として勉強会勉強会を立ち上げた。現在では200人ほどの人に参加いただいている。勉強会や懇親会開催に役立つ情報リンク集や、勉強会公式タグの情報なども掲載している。メーリングリストのトラフィックはそれほど多くないので、興味があればご参加いただきたい。

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