緊急アンケート! コミュニティ活動に興味ありますか?
長谷川玲奈(@IT自分戦略研究所)
2007/8/23
コミュニティ活動支援室のオープンを記念して、緊急アンケートを実施! ITエンジニアはコミュニティにどれくらいの興味を持っているのか、コミュニティ活動に求めるものは何かを探った。 |
@IT自分戦略研究所内に8月10日、コミュニティ活動支援室がオープンした。各コミュニティや所属するITエンジニアの活躍を取り上げてコミュニティ活動の支援をすること、コミュニティに興味を持つITエンジニアが参加するきっかけをつくることなどが目的だ。
これに伴い、@IT自分戦略研究所では緊急アンケートを実施。開発コミュニティやユーザー会など、会社以外でITにかかわる組織活動に参加しているか、興味はあるか、その目的や興味を引かれる理由は何かなどを聞いた。
回答してくれたITエンジニアは54人と少なめだが、興味深いデータが集まった。さっそく見てみよう。
■13%が参加、75.9%が興味あり
開発コミュニティやユーザー会など、会社以外でITにかかわる組織活動に参加しているかどうかを聞いた結果が図1だ。
図1 コミュニティ活動への参加状況(N=54) |
「特定の開発コミュニティやユーザー会などに所属している」9.3%、「特定の組織には所属していないが、ときどき開発コミュニティやユーザー会などに参加している」3.7%を合計し、全体の13.0%が何らかの活動に参加していることになる。
「特にそのような活動には参加していないが、興味はある」と答えた人が全体の75.9%、「特にそのような活動には参加していないし、興味もない」人が11.1%。
実際に活動に参加している人は少ないが、全体の4人に3人は興味を持っていることが分かる。ITエンジニアのコミュニティへの関心度がうかがえる。
活動の参加者には、どんな活動に参加しているのか、活動をしていて一番良かったと思ったのはどんなときかも聞いている。「経営勉強会」「OSS関係の組織」「ベンダ主催の分科会」などに参加し、「同業他社の情報や業界の動向」「技術的刺激」「より詳しい情報」を得たり「公私共にいろんな相談に乗ってもらえ」「社外の人と話ができ」たりしたときに、活動をしていて良かったと感じるという意見が集まった。
■コミュニティ活動に何を求める?
何らかの活動に参加している、もしくは興味があるとした88.9%の人に、その理由を尋ねた結果が図2だ。
図2 参加目的/興味を引かれる理由(複数回答、N=48) |
活動に参加する目的、または興味を引かれる理由の1位は「技術情報が手に入る」(77.1%)だった。2位「スキルアップにつながる」(70.8%)、3位「人脈ができる」(62.5%)、4位「業界動向が把握できる」(58.3%)、5位「他社のノウハウや事例を知ることができる」(50.0%)と続く。ここまでは半数以上の参加者または興味保有者が理由として挙げていることになる。
1位、4位、5位の項目に加えて8位「情報の少ない専門的な分野でも情報が豊富に手に入る」(41.7%)、9位「他業種/他分野に広く触れることで見聞が広まる」(37.5%)など、情報取得に関する理由が上位を占めている。ITエンジニアがコミュニティ活動に求めるものは、情報、スキルアップ、人脈であるといえそうだ。
逆に下位を見てみると、「ソフトウェアやツールなどが無料で手に入る」(8.3%)、「商談が生まれたり、お金になったりする」(8.3%)、「企業のサポートが受けられる」(0%)などの金銭に関する項目が集まっている。金銭的メリットはあまり重視されていないようだ。
■参加しないのは「よく知らない」から
今度は、現在コミュニティ活動に参加していないとした87.0%の人に、参加しない理由を聞いた。図3を見てほしい。
図3 参加しない理由(複数回答、N=47) |
1位は「どんなコミュニティがあるのかよく知らない」(63.8%)だった。非参加者の3分の2近くがこのことを理由として挙げており、2位以下の「手間がかかるまたはそのための時間が取れない」(38.3%)、「能力的についていけない」(34.0%)などに大きく差をつけている。
「ほかにやりたいことがある」(8.5%)、「会社での活動で十分間に合っている」(4.3%)、「メリットを感じられない」(4.3%)などの、コミュニティ活動自体を否定する回答は少ない。
1位の項目に加え「自分が望むような適当なコミュニティが見つからない」(17.0%)など、希望の活動の場がどこにあるか分からないという回答、時間や能力的な問題に対する不安が目立っている。
■コミュニティに興味があるなら、まずは知ることから始めよう
今回の緊急アンケートで、
- 75.9%が、コミュニティ活動には参加していないが興味はあると答えている
- コミュニティ活動に求めるものは情報、スキルアップ、人脈
- 参加しない理由は「どんなコミュニティがあるのかよく知らない」から
ということが分かった。
情報や人脈を得たいと思い、興味を持っているのに、よく知らないという理由だけで参加をためらうのは惜しいことだ。少しでも興味があるならば、まずは知ることから始めてみてはどうだろう。
コミュニティ活動支援室には、コミュニティの紹介記事やそこで活躍するITエンジニアのインタビュー、勉強会やイベントの予定を掲載するコミュニティカレンダーなどが掲載されている。ぜひ参考にしてほしい。
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