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組込みソフトウェア技術者試験の概要教えます

近森満(社団法人組込みシステム技術協会 ETEC運営事務局、サートプロ 代表取締役社長)
2007/4/18

組み込みエンジニアを対象とした試験制度が社団法人組込みシステム技術協会からリリースされたのが、昨年2006年のこと。その誕生の背景や資格試験の概要を、運営事務局を運営するETEC運営事務局が紹介する。

急激に変化する組み込みマーケット

 組み込みシステムといえば、以前はファクトリーオートメーションに代表される製造・生産システムや、制御システムの中にある産業用制御機器などを指すことが多かったものです。

 しかし現在は、製品に組み込まれ、自律して動作・制御するハードウェアとソフトウェアを一緒にして、組み込みシステムと呼ぶことが一般的になってきました。製品としては携帯電話、車載機器、カーナビゲーション、店舗などでのオーダー用携帯端末、デジタルテレビ、高機能なゲームマシン、デジタルカメラ、プリンタ、コピー機、自動車、自動販売機など、周囲にあるほとんどの機械は、何らかの組み込みシステムが搭載されているといっても過言ではありません。

 さらに最近の組み込みシステムは、有線や無線のネットワークで結ばれているものが多くなっています。また高機能化が進み、組み込みシステム上で動くアプリケーションやサービスが拡大し、多様化しています。

 組み込みシステムにかかわるビジネスや産業も急激に拡大し、組み込みシステムのマーケットが注目されているのです。そのため組み込みシステム開発には、さまざまな技術、スキルが必要となっています。

図1 特許庁の「特許でわかるプログラム制御技術」の「プログラム制御技術応用分野の広がり」より引用

■組み込みシステム最大の問題とは

 このように未来が明るそうに見える組み込みシステムですが、問題もあります。その最たるものが組み込みソフトウェアエンジニアが、大量に不足しているという現実です。

 経済産業省が発表した「2006年版組込みソフトウェア産業実態調査報告書」によると、現在約20万人の組み込み技術者が従事していますが、9万4000人が不足しているとのことです。

 こうした人材難は、いまに始まったことではありません。実は約20年前にも、マイコンエンジニアの不足が問題となっていたのです。いってしまえば業界はいつも人材難という問題を抱えているようなものです。

知らず知らずに組み込み開発経験者に

 一般に、組み込み系のシステム開発と一般のシステム開発はまったく別で、あまり関係がないと考えているITエンジニアも多いかもしれません。

 しかし最近では、メモリ容量が多いものや開発環境が整っているもので、さほどハードウェアに詳しくなくても開発できる場合は、通常のシステム開発会社などが開発に当たることも多くなってきました。

 そういう意味では皆さんも、知らず知らずの間に組み込みシステムを開発した経験があるかもしれません。

   


今回のインデックス
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