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わたしのターニングポイント

第1回 「人」を理解しない者に、システム屋の資格はない

グローバルセキュリティエキスパート 篠田昌克
2008/3/7

転職して「コンサルタント」に、そして再度の転職

 その後私は転職し、なんとコンサルタントという肩書をもらってしまいました。しかし、実際にはコンサルティングはできず、ITエンジニアっぽい業務を行っていました。「自分は何をコンサルティングしているのか」という問いに対し、明確な答えを持っていなかったのです。知っているだけではコンサルティングはできない。ITエンジニアだった自分が、職種の違いを見せつけられた瞬間でした。

 それでもセキュリティ分野に特化して、設計、構築、運用とひと通りの経験を積むことができたのは幸運でした。業種がセキュリティから離れてしまっていたら、いまの立場にいることはできなかったでしょうから。

 しかしその後、決定的な事実と遭遇します。担当営業から、「社長命令でわが社はJ-SOXはやらないことになった」と説明されたのです。J-SOXといえば内部統制。セキュリティ分野の人間にとっては、業務系に携わることのできる唯一の入り口を封じられたも同然です(いま思えば、これは事実ではありませんでした。なぜならその社のサイトにはサービス内容にちゃんと「内部統制支援」という言葉があるのですから)。

 「マネージャになるまではこの会社を辞めない」と思っていた私の脳裏に、「もう一度転職をすることになるかもしれない」という予感が浮かんできました。その予感が的中したかのように、某転職サイトでスカウトを受けました。その企業が、現在私の所属するグローバルセキュリティエキスパート(以降GSXと略)です。

 社名に「セキュリティ」というキーワードがあり、Webサイトのトップには「内部統制支援」の大きな文字。それまでITエンジニア職でのスカウトはありましたが、コンサルタントとしてのスカウトは初めてです。私は予感に従って応募し、晴れて転職を果たしました。今回のお題が「転職」ではないのでプロセスには触れませんが、セキュリティ分野業務に従事していたおかげで面接などではその点をアピールできましたし、論文などもすらすらと書くことができました。

 そんな私を迎えてくれたGSXのマネジメント・コンサルティング事業部長は、笑って私の肩をたたき「半年ほど内部統制を頑張ってみるか?」といってくれました。内心、やっと自分の求めていた場所に来たような気がして、どきどきが止まりませんでした。

3つのターニングポイント

 ここまでの話を整理し、私のターニングポイントを考えると、

・ITILという国際規格に出合ったこと

が最も大きいと思います。

 自分だけで物事を判断すると、どうしても視野が狭くなってしまいます。しかし、大勢の人たちの手で作られた標準や規格に照らし合わせてみることで、視野は広がり、規格によっては網羅性も持たせることができます。しかし、実はITILなどには最低限のことしか書かれていないので、そこにわれわれが悩んで考えたものを加えていかなくてはなりません。これこそがコンサルティングと呼べるものなのではないでしょうか。

・「知っているだけではコンサルティングはできない」と気付いたこと

も、1つのターニングポイントとなりました。人と出会って、人とコミュニケーションを取ることは、それ自体が勉強でもあります。知識の収集だけにとらわれず、人と積極的にコミュニケーションを図るということが、その知識を活用するための1つの手段ともなりました。1人で悩んでいては、解決策は出にくいものです。

・「システムは人と人をつなげるもの」と気付いたこと

これが3つ目のターニングポイントです。現在私は、内部統制のうちの1つ、IT全般統制の支援業務に従事しています。ここには私が考えていた構成がそのまま表れています。つまり、1つのシステムによってユーザー、ユーザーの顧客、開発者、運用者などさまざまな人たちがつながっています。そのつながりが「妥当であるかどうか」を、私は監査人として見ているのです。あのときに考えた「システムは人と人をつなげるもの」だということはきっと間違っていない、あのとき考えていて本当に良かったと思いながら、私はいま働いています。


 ここまでずいぶんとえらそうに書いてきましたが、実は「この先どうなりたいのか?」についてはいまだに整理ができていません。まずはシステム監査人として独り立ちすることを考えないといけませんが、実際そのくらいのことしか分かっていません。

 しかし、仕事について考えていれば、きっと自分についても「そうか!」と思うことがあるでしょう。それはこれを読んでくださっている皆さんも一緒で、まずは考えることです。いつか必ず、いまよりも素晴らしい「そうか!」が見つかることでしょう。

 さらなる「そうか!」を求めて、一生懸命、考え続けたいと思います。


今回のインデックス
「品質100%のシステムなんてあり得ない」と思っていた時代
ITILとセキュリティとの出合い、そして転換
私の3つのターニングポイント

筆者プロフィール
グローバルセキュリティエキスパート 篠田昌克●1972年東京都足立区生まれ。明治大学理工学部数学科卒。メーカー系ソフトハウスのSEから基盤系SEへと転身後、ITIL、セキュリティ関連業務の経験を生かしGSXに入社。現在セキュリティ全般のコンサルタントとして内部統制支援に携わる。SE時代に培ったVBAを駆使したIT全般統制の自動化は社内外に定評がある。趣味はトロンボーン演奏。クラシックから転身し、現在ファンクに挑戦中。

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