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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(11)
『HotPepperミラクル・ストーリー』を読む

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/7/29

■ビジネスの構造を徹底的に考える

HotPepperミラクル・ストーリー

平尾勇司著
東洋経済新報社
2008年5月
ISBN-10:4492501835
ISBN-13:978-4492501832
1575円(税込み)

 『ホットペッパー』事業は立ち上げ後わずか4年で売り上げ300億円、営業利益100億円というリクルートの基幹事業となった。創刊当時のスタッフ数は619人。このうち、社員は68人にすぎず、450人の業務委託、101人の契約社員・アルバイトが事業を支えていた。現在は1500人にまで拡大したが、それでも85%が非正社員である。

 雑誌事業の常識をいくつも覆すことで、これまでにないメディアと市場を創出した。

  • タダで配る

  • 毎月500万部

  • オールカラー

  • 編集記事なし

  • インデックス不要

  • ワンプライス

  • クーポンマガジン

  • 営業マンが制作マン

  • コンビニ・駅に無料設置

 ビジネスの構造を徹底的に考えると常識を疑わざるを得ない場面に出くわす。そのとき、常識の壁を前にしておとなしく引き下がるか、壁を壊そうとするか。常識破りには1つ1つきちんとした理由がある。

 事業の成功に対して貪欲である。“勝つためのシナリオ”を検討し、実行に移していった。シナリオを貫くコンセプトは「選択と集中」だ。広告クライアントを「飲食、居酒屋」に絞った。営業エリアは「コア商圏の半径2キロ」以内。広告商品は「1/9P」で規格化した。3回連続受注すること。このシナリオを組織に浸透させた。

 「『ホットペッパー』は数字に厳しい組織だ」。著者の平尾勇司氏は書く。「『とにかくがんばる』とか『一生懸命やる』なんてことには意味がない。(中略)やったかどうかがデジタルで明らかになるのが数字だ。だからマネジメントできる」(『HotPepperミラクル・ストーリー』p.127)。「できるか、できないか」ではなく、「やるか、やらないか」。いさぎよい。

 平尾氏はリーダーの育成について、一家言持っている。女性に嫌われる男にリーダーは務まらない。「汚い、せこい、弱い、面白くない、可愛くない」男は女性に嫌われる。「世の中は男と女が半分ずつだろ、女性をマネジメントできない奴は組織の半分をマネジメントできないことになる」(同書、p.227)。(鯖)

本を読む前に
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