@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(114)
素敵な会議の「タテ」と「ヨコ」
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2009/8/11
■見晴らしのいい場所
優秀なファシリテータは、「会議の全体」と「進行中の議論」との関係を的確に見いだせる“見晴らしのいい場所”に立っている。全体と細部の状況を同時に把握するには、状況を記述する適切な方法が必要である。文字ではなく、図で理解する方法である。個条書きで平面的に考えるのではなく、図を使って立体的に考える方法である。立体感のある思考は、要素間の関係性を明示できるのである。これはファシリテータが有すべき基本的なスキルである。
タテの会議 ヨコの会議 久恒啓一(著) ダイヤモンド社 2009年3月 ISBN-10:4478008337 ISBN-13:978-4478008331 1575円(税込み) |
会議には「タテ型」と「ヨコ型」がある。
タテ型の会議は情報共有を目的とする会議のことだ。組織の上から下、あるいは下から上の方向で情報が流れる。営業進ちょく会議や編集会議がこれに当たる。ヨコ型の会議では部門を横断して情報が多方向に流れる。新規プロジェクトの立ち上げ会議などがヨコ型の会議だ。
タテ型の会議で特に配慮すべきは雰囲気づくりである。参加者同士のタテの権力関係に注意を払い、情報がスムーズに流れるようにする。上司の演説を途中で止めたり、部下の自発的な発言を促す仕組み作りがファシリテータの腕の見せどころだ。
ヨコ型の会議で重要なのは、あらかじめ“落としどころ”を決めておくことにある。シナリオを考えずに会議に臨むのは無謀だと心得ておくことが重要。また、根回しもヨコ型の会議を成功に導く重要な行為だ。ヨコ型の会議はアイデアブレストから始まり、部門間の調整を経たうえで、多くの場合、経営会議にかけられて会社公認のプロジェクトに発展する可能性が高い。タテ型の会議のような情報共有の場ではなく、新たな価値を生み出す場なので、アイデアを膨らませ、成長させる仕組みを会議に組み込む努力が求められる。(鯨)
本を読む前に | |
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