@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(119)
決める力
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2009/9/15
■仕事の質は話し合いの質で決まる
仕事は話し合いの連続である。わたしたちはオフィスの内外で毎日、実に多種多様な性質の人たちと話し合いをする。さまざまな規模の話し合いの集積があなたの仕事の総体なのである。仕事を続ける限り、人との話し合いを回避することはできない。つまり、上手に話をすることができれば、結果的にあなたの仕事はうまくいくと考えられる。
世界で一番シンプルな 決め方の技術 スペンサー・ジョンソン(著) 門田美鈴(翻訳) ダイヤモンド社 2009年7月 ISBN-10:4478009392 ISBN-13:978-4478009390 1260円(税込み) |
成功した話し合いとは、正しい判断を導き出せた話し合いのことだ。なぜなら、話し合いとは、正しい判断を下すために行うものだからである。
正しい判断を下すための適切な頭の働かせ方というものがある。そういう技術がある。ある技術は、(技術の)存在を知り、(技術の)体系を把握し、練習を繰り返すことで身に付けることができる。
適切に頭を働かせるには、自分自身に以下の3つの問いを課すことから始める。
- わたしは本当に必要なことに応えているだろうか
- わたしは選択肢が分かっているだろうか
- わたしは考え抜いているだろうか
1について。あなたはその話し合いの本当の目的を知っているだろうか。真の目的が分かっていれば、その目的を達成するために最善の方法を導くことができる。最善の方法は、必要不可欠な要素で構成されている。その方法は、目的を達成するための最短のルートを明らかにし、最小のコストを約束する。最善の方法とは目標を達成するために行うべき必要不可欠な方法のことである。誤った方法を選択してしまう話し合いでは、「必要」よりも「願望」が優先される。願望が優先されると、その方法の必要性が歪む。結果的に、目標は達成できないことになる。
2について。目的を達成する最善の方法は、いくつかの選択肢から選ばれる。では、選択肢はどのように机上に乗せられるのか。一見、あなたの前には無限の選択肢が広がっているように思える。しかし、あなたを取り巻くさまざまな条件を注意深く観察すれば、あなたがリストアップできる現実的な選択肢は限られたものになることが分かる。選択肢を絞り込むには、情報を集めることだ。現実を見つめることだ。思い込みや想像で現実を歪めてはいけない。
3について。選択肢の中から最善のものを選び出すには、それぞれの選択肢を実行した場合に出来(しゅったい)するであろういくつもの事件を具体的に想像し、目的に最短かつ最小コストで辿り着く未来を見つけ出す必要がある。「それからどうなる? その次は? その次は? それで? それで?」。最低5段階の展開を考えること。考え抜くとはそういうことだ。良い結論が出るまで考える。「やってみなければ分からない」という言い訳はしない方がいい。実は何も考えていない、ということを露呈するだけだ。たいがいのことはやらなくても分かる。(鯖)
本を読む前に | |
判断を下す日々 (@IT自分戦略研究所) | |
検索では見つからない「未来」の見つけ方 (@IT自分戦略研究所) | |
素敵な会議の「タテ」と「ヨコ」 (@IT自分戦略研究所) |
書評にあるボタンをクリックすると、オンライン書店で、その書籍を注文することができます。詳しくはクリックして表示されるページをご覧ください。 |
@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。
現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。
これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。