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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(21)
「働く」という行為の意味

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/8/12

■2人の偉人の悩み

悩む力

姜尚中(著)
集英社
2007年9月
ISBN-10:4087204448
ISBN-13:978-4087204445
714円(税込み)

 小説家 夏目漱石と社会学者 マックス・ウェーバーを手掛かりに「悩む力」を考える。この本は悩みを肯定するのである。だから、さまざまなテーマについて大いに悩む。悩むことに悩まない。

 「私」について悩み、「金」について煩悶し、「情報と知性の関係」について考え、「青春」や「仕事」や「愛」や「死」について、その本質を問う。夏目漱石はこれらのテーマについて、小説執筆という活動を通して悩み続けた人である。マックス・ウェーバーも同じ。2人の偉人は、生涯をかけて悩みと向き合い、その悩みの成果を仕事として結実させた。

 何のために働くのか? 『それから』という小説がある。主人公の代助は、ブルジョワ実業家の息子なので働かなくても食べていくことができる。30歳近くだが、働かず、親と同居している。親は働けというが、代助は「生活の為(た)めの労力は卑しい」として、働こうとしない。インテリなので、原書で本を読み、高尚な思索に耽る。高等遊民である。そんな彼だが、友人の妻を愛したことで親に勘当される。これまで蔑(さげす)んでいた生活のための労働に従事するはめになる。

 「人が働く」という行為の意味は「社会の中で、自分の存在を認められること」(『悩む力』、p.122)だとこの本に書いてある。「社会というのは、基本的に見知らぬ者同士が集まっている集合体であり、だから、そこで生きるためには、他者から何らかの形で仲間として承認される必要があります」(同書、p.122)ともある。

 『それから』を触媒にしながら、人が働くことの本質について悩んでいる。必ずしも明確な答えは出ない。それでも、あきらめずに悩み続けるべきであるとこの本は説く。(鯖)

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