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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(29)
ロジカル・シンキングの初歩

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/8/25

■ロジカル・シンキングの基本

ロジカル・シンキング
入門


茂木秀昭(著)
日本経済新聞社
2004年7月
ISBN-10:4532110246
ISBN-13:978-4532110246
872円(税込み)

 論理の基本は「なぜ?/なぜなら」という構造で表現できる。この基本構造を反復し、結論を得る。

 「なぜ?/なぜなら」の議論を構築するには、具体的な根拠が必要だ。根拠とは、統計、数値、事実、具体例を指す。これらの個別データを一般化するための論拠(ワラント)があれば、議論の合理性を高めることができる。

 「主張(=推論、仮説)」「データ(=事実、事例)」「論拠(=ワラント、一般的な傾向)」という3点で論理を構築していくこと、それが三角ロジックである。このうち、個々のデータから一般的な傾向を導き出し、仮説を提示するのが帰納法で、一般的な傾向を個々のデータに当てはめて仮説を提示するのが演繹法だ。

 この本では「問題解決」「意志決定」「説得力を高める」「日常で鍛える」の4つの分野でロジカル・シンキングを活用するプロセスを紹介している。

 ある問題を解決するには、問題を定義し、その原因を探るというプロセスを踏む。そのためには「徹底的な情報収集」「問題領域の設定」「問題の本質と周辺要因の区別」を行う。問題を特定できたら、いくつかの問題を性質ごとに分類し、優先順位を決める。

 どのように分類するか。

  「問題を事実、価値、政策の観点から分類する」「問題の重要度に応じて優先順位を決める」「問題の直接的な原因とより根本的な原因を探ってゆく」。そして、解決策を立案する。解決策は「問題の原因を除去する解決策を策定する」「深刻な問題ほど優先的に解決する」「問題解決によるゴールやビジョンを明確にする」というアクションを行う。

 その後、合意的な意志決定を行う。必要なアクションは「開かれた議論を通じて合理的に計画策定する」「代替案を提示・検証し合う」「反対意見を封じ込めず、良い点は活かしていく」。

 最後に「職務分担を明確にする」「情報共有と社内コミュニケーションを怠らない」「期限を設け、責任を明確にする」という行動を通じて、解決策を確実に実行する体制を構築する。(鯨)

本を読む前に
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