@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(33)
『財務マネジメントの基本と原則』を読む
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/8/29
■財務マネジメントの目的
財務マネジメントの 基本と原則 デイビッド・メッキン(著) 國貞克則(翻訳) 東洋経済新報社 2008年6月 ISBN-10:4492601740 ISBN-13:978-4492601747 2100円(税込み) |
企業活動とは利益を生み出す活動のことである。そして、利益とは「ある期間の売上高を生み出すのにかかった費用を差し引いたもの」(『財務マネジメントの基本と原則』、p.27)のこと。ここで重要なポイントが2つある。利益を計算する場合は、“ある期間の売上高を対象に考えること”と“その売上高を生み出すのにかかった費用を支払い時期とは関係なく、その売上高に対応させて差し引く”という点。キャッシュフローと利益の違いはまさにこの2点にある。
財務マネジメントの目的は、事業アイデアを効率的に利益に変えることにある。この目的のために企業は資産を取得する(資産を取得するには資金調達が必要だ)。そして、資産を売り上げに変える。さらに、売り上げを利益にする。企業活動は大きくこの3段階のステップで表現できる。財務マネジメントというのは、この3段階のステップを上手に管理する技術である。
第1部で財務マネジメントにおける最も重要な4つの数字が紹介される。株主資本利益率(ROE)、ギアリング比率、資産回転率、利益率の4つ。ROEがビジネス目標であり、あとの3つはビジネス目標を達成するための評価手法である。つまり、ROEを改善するには、ギアリング比率を高めること、資産回転率を高めること、利益率を増やすといった戦略が求められる。
第2部は財務諸表の活用方法。「貸借対照表」(BS)、「損益計算書」(PL)、キャッシュフロー計算書(CS)の3つの基本財務諸表の意味と読み方が記述される。
第1部、第2部の記述内容を把握することで、財務マネジメントに関係する基礎情報の理解が促進される。(鰆)
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