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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(37)
できる大人の社会常識

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/9/4

■社会常識は5つのテーマに分類できる

できる大人は
こう考える


高瀬淳一(著)
筑摩書房
2008年1月
ISBN-10:4480064036
ISBN-13:978-4480064035
714円(税込み)

 できる大人は社会常識がある。逆にいえば、社会常識がない人はできる大人ではない。この本によると、社会常識とは社会活動に必要な基本的な考え方のことである。つまり、できる大人というのは、(口でいうだけではなく)実際の活動によって社会に認められる人のことなのである。社会に認められないうちは、できる大人とは見なされない。

 社会常識をきちんと身に付ければ、社会に認められる人になる。では、社会常識とは何か。社会常識は5つのテーマに分類できる(『できる大人はこう考える』、p.202)。

  • 「定義」=社会活動に必要な言葉の意味の「明確さ」についての考え方

  • 「程度」=社会活動に必要な「適切さ」を保つための考え方

  • 「視点」=社会活動で尊重すべき「多様性」についての考え方

  • 「分類」=社会活動のために「分析・評価」をするというときの考え方

  • 「総括」=社会活動に着手するときの「総合判断」についての考え方

 例えば、「定義」について。できる大人は抽象的な言葉に満足はしないし、もっともらしい言葉を振り回すこともない。「顧客満足度を高めること、それがいま弊社に求められている最も重要な戦略である」というせりふから、どのような具体的行動が展開できるか。顧客満足度とは何か。まずはこの言葉を定義しなければならない。できない大人の思考は、顧客満足度と口にした途端に停止する。これでは仕事が先に進まない。

 各章には練習問題が載っている。本書は、それらを飛ばさず、丁寧に解くことを推奨している。(鯖)

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