@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(89)
コンサルタントの3つの心得
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2009/2/17
■SEとコンサルタント、共通点と相違点
SEからコンサルタントになる方法 北添裕己(著) 日本実業出版社 2008年2月 ISBN-10:4534043449 ISBN-13:978-4534043443 1470円(税込み) |
システムエンジニア(SE)からのキャリアアップ職種として人気のコンサルタント。本書は、コンサルタント歴20年の著者が「SEからコンサルタントになる」ために必要なスキルや心得をまとめている。
コンサルタントの仕事とは「クライアントの問題を解決すること」。SEは「システムを構築すること」を目的としており、ゴールが異なる。ただし、SEに必要な2つのスキルはコンサルタントとして活躍するうえで役立つ。「プロジェクトマネジメントスキル」と「ITスキル」だ。さらに、SEからコンサルタントになるには「体力」「献身的な姿勢」「俯瞰(ふかん)力」が必須となる。
SEとコンサルタントは根本的に異なる仕事なので、物事のとらえ方を変える必要がある。著者は次の3つのコツを押さえることで、コンサルタントに必要なスキルや基礎力を無理なく身に付けられると説く(『SEからコンサルタントになる方法』、p.40)。
- 何事にもスピードを重視する
- オリジナリティにこだわらない
- できるだけ相手に合わせる
本書ではこの3点をベースに、タイムマネジメントスキルやプロジェクトマネジメントスキル、提案力などの考え方と身に付け方を紹介している。コンサルタントに求められるスキルや考え方には、SEに共通するものと、まったく異なるものが混在している。それらを整理し、SEとしての強みをどう生かして、新たにどんなものが必要となるのかを考えるのに役立つ。
「得意分野」は伸ばし、「苦手分野」は克服する。苦手な仕事を効率的、かつ効果的にこなすためには「周囲の助言やアイデアを積極的に受け入れること」(同、p.79)だと本書は説く。一方、得意分野を磨くことを忘れれば、何の取り柄もないコンサルタントになるだろう。「得意」の研さんと「苦手」の克服のバランスに注意を払うべし。(鯨)
本を読む前に | |
『コンサルティングの基本』を読む (@IT自分戦略研究所) | |
ITコンサルタントの仕事は映画製作? (@IT自分戦略研究所) | |
あこがれのITコンサルになれたはいいけれど (@IT自分戦略研究所) |
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