@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(95)
女性がビジネス社会で勝ち残るための方法
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2009/3/28
■24歳の勝間和代氏を変えた、ビジネス社会の攻略本
ビジネス・ゲーム―誰も教えてくれなかった女性の働き方 ベティ・L・ハラガン(著)、福沢恵子、水野谷悦子(訳) 光文社 2008年9月 ISBN-10:4334785220 ISBN-13:978-4344016231 1575円(税込み) |
米国で1977年に出版されベストセラーになった「Games Mother Never Taught You」を日本の状況に合わせてまとめ、1993年に発刊した書籍の文庫版。ビジネスはゲームであるとし、女性が「ビジネス・ゲーム」で勝ち残るためのルールを説く。 経済評論家の勝間和代氏は「人生を助けてくれた本」と評している(『ビジネス・ゲーム』、p.208)。
筆者は、十分な能力や意欲を持つ多くの女性が、それにふさわしい仕事や地位、収入を得ていないとする。その理由は「男性中心のビジネス社会でどのように振舞ったらよいかをあまりに知らないままで働いている」(本書、p.19)からだ。
第2章以降、女性がこの状況を打破するための方法が語られる。第2章、第3章では、会社を軍隊に、ビジネスをスポーツにたとえ、その中で賢く振る舞うための方法を紹介する。階級のピラミッドの縦のつながりである「命令の鎖」に従って行動すること、ミスをしても必要以上にがっかりせず、そこから学ぶことなど。
第4章、第5章では、男性中心のビジネス社会において、状況に応じた役割を演じることで有利に動く方法を紹介する。
第6章、第7章では、管理職を目指すことの勧め、自分のいまのポジションを図解して目標地までの道のりを明らかにする方法、仕事を続けるうえでの障害となる5つの要素を紹介する。
第8章では社会人が教育を受ける際の注意点と自分を会社に売り込む方法、第9章では大学生に向け、就職のために受講すべき分野、ビジネスの基礎体力をつけるために経験しておくべきこと(スポーツチームに入ること、実社会で働く経験をしておくことなど)を紹介する。
第10〜13章では、より具体的な「ビジネス・ゲーム」のルールが語られる。特権の行使方法、効率を上げるための仕事術、アサーティブであることの重要性、服装に関する注意点、セクハラの対処法など。
終章で、筆者は「ゲームはここから始まる」としている。「ビジネス・ゲームはあなたの人生を価値あるものにするだろうと私は確信しています」(本書、p.185)。本書から得られる普遍的な知識を武器に、ビジネス・ゲームを楽しもう。(鯖)
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