@IT > 「価値観を変える未来の技術に挑戦」ヤフーOB訪問記

t_ob

第4回 「価値観を変える未来の技術に挑戦」ヤフーOB訪問記


平井駿(東京大学大学院)
金武明日香(@IT自分戦略研究所)
2010/3/18


就職活動といえばOB訪問。だが実際は「誰に連絡していいか分からない」「何を聞けばいいの?」「うわべのことだけしか教えてもらえなかった」など苦労が多い。本連載では学生記者と編集部が企業の若手エンジニアに「OB訪問」し、その様子をお届けする。

第3回1 2次のページ

 ヤフーの社内開発イベント「Hack Day」は、200名近くの技術者たちが24時間かけて開発の腕を競い合うお祭りだ。技術力と根気を必要とするHack Dayで、入社2年目にして優勝を果たし、正式サービスとして作品をリリースした技術者がいる。

 「WebでOB訪問」第4回は、ヤフー2008年入社の吉田一星(よしだいっせい)氏。今回は吉田氏に、ヤフーでの仕事やHack Dayでの開発体験談を聞いた。

連載:WebでOB訪問 バックナンバー


「未来の技術を扱いたい」――3つの部署を兼務

 現在、吉田氏は 検索システムの開発、iPhoneアプリ開発、画像処理に関する研究所支援という3つの仕事を兼務している。

 吉田氏のメイン業務は、新たな検索プラットフォーム「ABYSS」の開発だ。これまで、ヤフーでは各サービスの検索にそれぞれ異なった検索エンジンを使用していた。ABYSSを利用すると、すべての検索を統括できるようになる。

ヤフー R&D統括本部 吉田一星氏
ヤフー R&D統括本部 吉田一星氏

 吉田氏の2番目の部署は、新たなサービスを実験的に生み出す研究所と連携している。吉田氏は「類似画像検索」――色や形、質感などを判断して類似画像を自動的に探し出すシステムの開発に携わっている。「類似画像検索は未来の技術です。この技術がもっと発達すれば、画像から花の名前がわかるようなサービスが将来作れるかもしれない」と吉田氏は話す。類似画像検索の技術を使ったiPhoneアプリ開発――これが吉田氏の3つ目の仕事だ。

 「未来の技術が好き」という吉田氏。なるほど、聞いてみるとどれも「新しい」技術を使った仕事である。新しいものに挑戦する3つの部署で、複数のことをこなす吉田氏のバイタリティに驚いてしまった。

ヤフーに入ったのは自然な流れだった

 吉田氏がインターネットに興味を持ったのは中学生のとき。中学校の入学祝いとして、インターネットに接続できる家庭用ゲーム機 ピピンアットマークをもらったことがきっかけだったという。

エンジニアライフ
コラムニスト募集中!
あなたも@ITでコラムを書いてみないか

自分のスキル・キャリアの棚卸し、勉強会のレポート、 プロとしてのアドバイス……書くことは無限にある!

コードもコラムも書けるエンジニアになりたい挑戦者からの応募、絶賛受付中

 吉田氏は自分でホームページを作り始め、Macのアプリケーションなども自作するようになった。趣味が高じて、大学は情報系の学部に進学した。学生時代ITベンチャー企業でデザイナーやプログラマとして働いたことで、吉田氏は「ITエンジニア」という仕事への興味を強めていった。

 「ヤフーはわたしがインターネットを使い始めたときに創業した企業です。本当によく使っていて、一番身近な存在でした。就職活動をするとき、まず頭に浮かんできたのはヤフーでしたね」。

 ヤフーに入るのが「自然な流れ」だった。吉田氏は、就職活動時代をこう振り返る。

 入社前からヤフーになじんでいた吉田氏だが、入社後にイメージの変化はあったのだろうか。「思っていたよりも『若い』という印象でした。社員数は約3500人、規模としては十分大手なのですが、いい意味であまり『大企業っぽくない』んですね。全体的に雰囲気が若くて、チャレンジ精神が旺盛な職場だと思います」

 実際にヤフーで働いたときのやりがいについて聞いたところ、「他の企業では味わえない仕事がある」という答えが返ってきた。「Yahoo! Japanは圧倒的な規模を誇るWebサイト。アクセス数やログ数が他の企業とは桁違いで、これらを扱うノウハウもたまっています。やりがいは大きいですよ」と笑顔を見せる。

 また、ヤフーは独自の技術を多く持っている。ITエンジニアは、日本ヤフーの技術と米国ヤフーの技術、両方を使うことができる。技術が好きな人にとっては魅力的な開発環境であることがうかがえる。

休日は家族と過ごし、仕事以外では勉強会に参加

 日々忙しそうなヤフーの技術者は、どのようなスタイルで日々仕事をしているのだろうか?

 ヤフーの技術者はフレックスタイム制で働いている。現在、吉田氏は普段は10時頃出社して、21時頃に帰宅するという生活を送っている。勤務時間は部署によって異なるようだ。

 プライベートと仕事はどのように両立しているのだろうか。吉田氏は最近結婚したため、家族と休日を過ごすことが多いようだ。独身時代は、家でプログラミングをすることが多かったという。

 吉田氏には、仕事以外にも熱中していることがある。同期の社員と一緒に行う「社内勉強会」だ。最近は、機械学習の勉強をしているそうだ。仕事とプライベート、どちらもしっかり楽しんだ生活を送っているという印象を受けた。

24時間かけて開発しまくる「技術者のお祭り」  

第3回1 2次のページ



自分戦略研究所、フォーラム化のお知らせ

@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。

現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。

これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。