テクノロジ・コンサルティング・キャリアファイル
企業のグローバル化にシステム共通化
――加速するグローバルプロジェクト
さまざまな企業がグローバル展開を進めるにつれ、ITのグローバル案件やシステム共通化案件は増加している。世界中の拠点と協力しながら仕事を進めるポイントはスキルよりもマインド――「相手の文化や考え方を尊重する意識」である。 |
高まる「グローバル化」へのニーズ、増える案件 | ||
グローバルプロジェクトは、お客さまのハイパフォーマンスを実現するため、アクセンチュアが積極的に支援している領域の1つです。アクセンチュアは、世界各国のグローバルネットワークと連携して、コンサルティング、テクノロジー、アウトソーシング各領域においてグローバルプロジェクトを推進する体制を整えています。
池田淳氏 アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 金融サービス SIグループ シニア・マネジャー |
グローバルプロジェクトには、大きく分けて3つのパターンがあります。
まず、日本企業の海外進出という、いわば「企業のグローバライゼーション」。国内市場の成長に限界がある中、海外進出を目指す日本企業が増えています。海外展開をするに当たり、グローバル規模の共通基盤を入れたい――これが大きなニーズの1つです。
次に、海外のデリバリーセンターと連携してのシステムのアウトソーシング。これもまた各国の開発拠点と一緒に仕事を進めるグローバルプロジェクトの1つです。
そして、海外に本社を置くグローバル企業の日本を含む各海外拠点の情報システムを、共通化していく案件。M&A(企業買収)によって統合した企業のシステムを共通化していくのも、このタイプと言えるでしょう。
こうした多様な案件に対応できるのは、世界中の拠点と強い連携体制を築けるアクセンチュアならではの強みがあるからです。
英語は得意ではなかったけれど…… | ||
グローバルプロジェクトでは、例えば、日本とフランスとインドの人たちが協力して1つの仕事をするといったような「多国籍」化が当たり前です。
グローバルプロジェクトに関わる場合、英語は必須ですが、必ずしもそればかりが求められるわけではありません。実は入社当時、私は英語が得意ではありませんでした。コンサルタントの場合、グローバルとローカル双方を理解し、かつ異なる国籍の人々が集まるプロジェクトを管理しなくてはなりません。仕事の幅は国内のそれよりかなり広いです。
グローバルプロジェクトは、複数拠点のチームプレイ | ||
具体的に、グローバルプロジェクトはどのようにして進むのかを紹介しましょう。例えば、グローバル展開する金融機関の案件があったとします。各国の会社を買収した段階では、情報システムは国ごとにバラバラです。そこで共通のプラットフォームを導入して“横串を通す”取り組みを行うことになったとしましょう。
お客さまの本社がヨーロッパにある場合(1)お客さまの本社(2)お客さまが本社を持つ国のアクセンチュア(3)お客さまの日本支社(4)日本のアクセンチュア、という4種類の関係者が同時並行で作業を進めることになります。
グローバライゼーションのポイントは、「世界共通のグローバル要件」と「各国固有のローカル要件」をうまく切り分けることです。法制度などは国ごとに異なるので、各国固有の要件はどうしても必要です。しかし、ローカルな要件が大きくなり過ぎるとグローバルの共有部分が相対的に減り、共通のプラットフォームを作る意味が薄れてしまいます。
共通部分を厚く保ちつつ、ローカルな部分が増え過ぎないようにコントロールしていく――このバランスを取るのはとても大変な仕事です。
そこで、各国で上がってくる要件に対して「変えられる部分」「変えられない部分」を切り分けます。例えば、各国の法律で定められていることは「変えられない部分」として残します。一方、「従来のビジネス慣習がそうだから」という理由で挙げられた要件の中には、変更可能なものがあるかもしれません。
「業務に影響がない部分はグローバル仕様に合わせる」という決定を行うのも、重要なポイントの1つです。
グローバルだけどワンチーム――マインドと組織文化 | ||
グローバルプロジェクトでは、世界の複数拠点に散らばったチームが要件定義をはじめ、複雑な共同作業を行うため、チーム運営が複雑になります。ただ、グローバルであることを意識し過ぎる必要はないと考えています。
アクセンチュアは日常的に、各国に散らばったチームが、時差や文化の違い、組織の壁を越えて、協力し合って仕事を進めています。「私たちはワン・グローバル・カンパニーだ」というマインドが根底にあるから、この連携が可能なのです。
別の国の人からのメールが来て、「○○の情報はないか」と聞かれたら、皆すぐ対応しようとします。部門の壁、国の壁を越えて情報共有する――それがチームのため、お客さまのためになるからです。海外出張は、私の場合はそれほど多くありません。各国のアクセンチュアの拠点と協力するため、テレビ会議、電話会議は盛んに利用しています。
グローバルな仕事の進め方の独特な部分として、以前こんなことがありました。あるパッケージを導入することになった際、そのパッケージの導入経験者がヨーロッパのアクセンチュアにいることが分かりました。そこで早速、彼に来日してもらい、プロジェクトを進めました。担当者が母国に戻った後も、協力関係は続きました。こうした形で、世界中に散らばった専門家が持っている深い知識を活用できることは、アクセンチュアの大きな強みです。
グローバルプロジェクトで必要な「相手を尊重する意識」 | ||
グローバルプロジェクトで活躍できる人材、求められる人材とは、どういう人たちなのでしょうか。
先ほどもお話ししたとおり、仕事をする上で英語は必須です。ですが、「もともと英語が流ちょうに話せることが必須条件」というわけではありません。英語が得意でなかった私の場合、会社に入ってから定期的な英会話トレーニングを始めて周囲に追い付きました。英語は、他の国との電話会議や出張など、実践で磨くこともできました。
さらに言うと、語学力よりも重要なのはむしろ、いろいろな国の人と一緒に働くときに必ず必要になる、「文化の違いを乗り越える力」だと思っています。例えば、国ごとに休暇のタイミングは異なりますし、働き方についてもさまざまな考え方があります。
日本のビジネスパーソンの慣習からすると、驚くようなタイミングで長い休暇を取る文化圏があります。それに時差。こういったさまざまな壁を乗り越えるには、やはり「相手の文化や考え方を尊重する意識」が最も大切になってきます。
英語能力や業務の理解、テクノロジーの知識といったスキルは、あくまでスキルです。異文化を受け入れるマインド、多様性を受け入れて活用する力、これがアクセンチュアの強みであり、力であるのです。
アクセンチュアはコンサルタントの経験者採用を行っています。
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提供:アクセンチュア株式会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2011年11月30日
アクセンチュア
経験者採用募集概要
アクセンチュアでは、経験者を対象に、テクノロジー・コンサルタント、アウトソーシング・コンサルタント、ソフトウェア・エンジニアの経験者採用を行っています。
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