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情報システムのフロンティアへの挑戦――DWHに集めたテラ級のデータをビジネスアナリティクスに活用する

小売業向けシステムは、独特の性格を持つ“情報システムのフロンティア”であるという。小売業界でやりとりされる「ビッグデータ」を活用するにはどうすればいいか? 答えはデータウェアハウスと、ビジネスアナリティクスの中にある。

  小売業のシステムという、大きなフロンティア

 小売業は、ITコンサルタントにとってエキサイティングな分野です。なぜなら「ITによる改善を行える、大きなフロンティアが残っている」からです。

 DWH(データウェアハウス)とビジネスアナリティクスを組み合わせ、ビジネス価値を向上させることは、技術的に最も“旬”なトピックの1つといえるでしょう。

  独特の性格を持つ、小売業向けシステム

 小売業向け情報システムの性格は、かなり独特です。スーパーマーケットなどは国内中に数百もの店舗を持ち、扱う品目数は数万規模に上ります。店舗には毎日、数千人単位で来客があり、彼ら1人1人がアイテムを購入していきます。結果として、トランザクション数は膨大なものになります。

 これらの「大量データ」という側面がある一方、日々のオペレーションはかなり「属人的」――すなわち長年の経験や勘、度胸に頼る世界です。情報システムにとっては難しいことばかりです。

  在庫最適化、需要予測は
まだ十分にシステム化されていない

アクセンチュア 上村知広氏
上村知広氏
アクセンチュア
テクノロジー コンサルティング本部
マネジャー

 ですが、難しいことだからこそ、面白くもあります。「情報システムがどのようにして、小売業であるお客さまのビジネスに貢献するか」という視点で考えてみると、できること、やるべきことがたくさんあります。

 需要予測や在庫最適化、品揃最適化、価格最適化などは、小売業界にとって非常に重要であるにもかかわらず、システム化はこれからという分野です。

 例えば、スーパーマーケットでは特売やプロモーション用の値付けがとても大事ですが、システムが価格最適化を支援する取り組みはあまり進んでいません。このような分野のビジネスアナリティクスは、情報システムの重要なフロンティアなのです。

  DWHの進化は大量データの蓄積を可能とした。
次はビッグデータをどう分析するか

 「企業内のデータを格納して取り出す」という意味では、今のDWHは「来るところまで来た」というレベルになりました。

 1枚1枚のレシート単位の細かさでデータを蓄えることなど、造作もありません。商品が何個売れたかを単品で把握できるし、買い物客1人1人の内訳も調べられます。1億件を超えるデータがあっても、今のシステムはそれを蓄積し、閲覧できます。私が最近扱ったシステムは、数テラバイト級のデータを扱うものでした。

 ですが、データはあくまでデータです。これらの膨大な「ビッグデータ」を、どのように分析するか――これは今、最もホットな分野でしょう。個別のデータだけを見ても、ビジネスにはあまり役立ちません。大事なのはデータ分析、ビジネスアナリティクスといった「ためたデータの使い道」を考えることです。

  属人化している「技」をシステムに落とし込む

 長年、小売業界は、現場に数人はいる“勘が鋭い人”が、その長年の経験と読みに基づいてデータ分析を担当する、といったいわゆる職人技の世界でした。このような職人技の分析で必要な知識を抽出し、システム化して横展開できれば、これは小売業を営む顧客にとって素晴らしい業務改善になります。

 データの分析をシステム化する基本は、統計手法です。大量のデータ群をクラスタリングして判別する手法はすでに存在します。

 ただ、データをクラスタに分けた後の仕事、すなわち「データに意味付けをする仕事」は、人間が行う必要があります。買い物にくるユーザーのパターン(例えば、土日にまとめ買いをする、特定の品目を買う人がどの地域に多いかなど)を見いだし、意味付け、ビジネスの拡大と最適化に活用する――。

 必ずしも統計的手法に詳しくないシステムユーザーが、こうしたデータ活用をできるようにするにはどうすればいいか。われわれITコンサルタントは、そこを考えていかなければいけません。

  仮説の検証から業務改革、システムの提案まで
一貫してできる魅力

 アクセンチュアには、ビジネスアナリティクスを行うに当たり、情報システム導入に先駆けて受託分析を実施しているチームもあります。お客さまの会社に入り込んで、データをもらって分析し、結果をフィードバックします。あらかじめ用意したデータ分析・運用の仮説を、期間と領域を限定した「パイロット案件」として実行するわけです。

 このパイロット案件のメリットは、「情報システムを作る前に、そのシステムの価値をデータ分析で証明できる」という点です。データ分析の結果いかんでは、業務プロセスが変わってくる場合があります。こうした形で、業務改革と情報システムの提案へ結び付け、お客さまのハイパフォーマンスを実現していくのです。

 ビジネスの現場に密着して、仮説の検証、業務プロセスの改革、そして情報システムの構築まで行う――これは非常に大局的な視点で物事を見る必要があり、「私たちの仕事はお客さまの業績改善に大きく寄与している」という実感があります。これこそが、ITコンサルタントの仕事のやりがいです。

  ワークライフバランスを大事にする

 仕事上の充実とともに、ワークライフバランスも心掛けられるようになりました。アクセンチュアに転職する前は、システム開発会社でソフトウェア・エンジニアをしていました。入社前は「外資だし、ハードな環境だろう」と身構えていたのですが、最初に配属されたプロジェクトチームでは温泉やスキーに行くなど、想像していたよりずっとアットホームな雰囲気で驚いた記憶があります。

 プロジェクトの状況により長時間労働の日はもちろんありますが、休みはちゃんと取るようにしています。3年間続いたプロジェクトの後は2週間休みを取り、ずっと子どもと一緒に過ごしました。今年も3週間、休みを取る予定です。長い休暇の後は、仕事に戻るためにまたエンジンを掛け直さないといけませんが、こうした形で仕事とプライベートにメリハリを付けることは、とても大事だと個人的には思っています。自分が望むような働き方ができる職場であるから、仕事では大きな挑戦ができるのだと思っています。


アクセンチュアはコンサルタントの経験者採用を行っています。

提供:アクセンチュア株式会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2011年11月30日

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経験者採用募集概要

アクセンチュアでは、経験者を対象に、テクノロジー・コンサルタント、アウトソーシング・コンサルタント、ソフトウェア・エンジニアの経験者採用を行っています。