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稚内北星学園大学・東京サテライト校の「システム開発演習」。企業から本当に実際のシステム開発案件を受注し、要求分析から設計、実装といった一連の工程を経験してシステムを作り上げ、納品する。さらにアフターケアまで行うという極めて実践的なカリキュラムである。同大学の丸山不二夫学長は「システム開発の上流から下流までを実践的に学んでもらうのが狙い」と語る。2005年4月からスタートしたばかりの同コースの魅力を探った。


 

ITエンジニアの「2層構造」がはらむ問題を
開発案件ベースの講座が打ち破る

 稚内北星学園大学・東京サテライト校が、「システム開発演習」という実際の開発案件をベースとした先駆的なカリキュラムを開設したのには理由がある。

 現在、システム開発の現場で活躍するITエンジニアは、大きく2つの層に分類できる。1つは、ITエンジニアの大部分を占める「プログラマ」であり、もう1つは「プロジェクトマネージャ」である。システム開発の現場に存在する「ITエンジニアの2層構造」が、実はさまざまな問題をはらんでいる。

 プロジェクトマネージャは本来、クライアントの要求を分析しプログラムに落とし込む業務を担当すべきだが、現実には人員の配置とコスト管理に労力のほぼすべてを費やしている。しかもマネージャという職務に就いたことで、最新の実装技術に触れるチャンスが減ってしまう。要求分析やシステム設計など本来の上流工程を経験することもできず、最新の実装技術を知ることもできず、ただ「人とお金の管理」を任されているだけになってしまうのだ。

 一方、プログラマは、クライアントが何を求めているのかも知らされず、ただ指示されたプログラムを作り続けるケースが多い。上流工程の方法論を学ぶこともなく、具体的なプロジェクト管理を体験するチャンスもない。

 しかも、元請けのシステムインテグレータ(SIer)では実装技術を知らないまま、20代後半でいきなりプロジェクトマネージャになってしまうのに対し、2次請け・3次請けのSIerではキャリアを積んだ30代になってもプログラマのままという現実がある。

 マネージャ層とプログラマ層の間にある「見えない壁」により、プロジェクトマネージャが最新の実装技術を学ぶことも、プログラマが上流工程を知ることも非常に難しくなっているのが実情だ。「最新の実装技術を知らずに的確なプロジェクト管理はできないし、上流工程を知らずに効率的なプログラミングはできない。マネージャとプログラマの2層構造の打破が実際の開発現場で難しいのなら、大学という教育機関でやるべきだ」(丸山学長)。実際のシステム開発案件を通じて、プログラマには上流工程を、プロジェクトマネージャには最新の実装技術と本来の上流工程を学んでもらう。「システム開発演習」開設の狙いはそこにある。

 

要求分析から設計、実装まで
上流から下流工程までを一貫して学べる

 「システム開発演習」の具体的な授業の内容を紹介しよう。

 システム開発における上流から下流工程までを網羅している中で、主にモデリング・要求分析・プロジェクト管理手法などを担当するのは、浅海智晴事務所代表で稚内北星学園大学教授の浅海智晴氏である。

浅海智晴事務所代表
稚内北星学園大学教授
浅海智晴氏
1985年富士通入社。UNIXワークステーション/サーバのOS、分散基盤、Web基盤の開発に従事。2001年9月に浅海智晴事務所を設立。現在はオブジェクト指向、Java、XMLを中心に活動を行っている。 著書に「Java Super Tips オブジェクト指向設計編」、「XML/DOM Programming」(秀和システム)、「やさしいUML入門」、「Relaxer-Java/XMLによるWeb開発」、 「XML SmartDoc公式リファレンスマニュアル」(ピアソンエデュケーション)がある。

 浅海氏が担当する講座では、現在、国内のシステム開発会社からダイレクトメールなどのメール配信用社内システム構築の案件を受注し、システム構築に取り組んでいる。学生4〜5名を1グループとして4グループを構成し、各グループが並行して要求のヒアリングからモデリング、実装といった一連の工程を経験する。「システムそのものは高度な知識やスキルが必要となるものではありません。ここではモデリングにフォーカスしたいと考えています。クライアントからの要求をしっかりと聞き出し、UMLベースでモデリングする。つまりは『インタビュー』のスキルです」(浅海氏)。

 浅海氏は、このコースの特徴について「実際の開発案件であるため正解が用意されていない。それが通常の大学の講義や教育ベンダのコースとは大きく異なる」と語る。「実際の開発案件なので、クライアント側も正解を持っていない。そこから要求を引き出し、『正解に近いシステムを提案していく』。実際の開発現場で本当に求められる力を身に付けることができる」(浅海氏)。クライアントとともにシステムを作り上げていく工程を学ぶことができるのだ。そのために学生が実際にクライアントと会ってインタビューをする機会がセッティングされており、プログラミングのスキルを実際のシステム構築に生かすための「接点」を探り、学ぶことができる。

 また、グループでシステム開発に取り組むことによる相乗効果も期待できる。コースでは開発案件の進ちょくに応じて学生にプログラム開発などの課題が与えられ、講義はそれらのレビューが中心となる。学生は自らのPCにEclipseなどで開発環境を作り、開発したシステムをグループごとに持ち寄って、相互にレビューを通じて批評し合ったり、それぞれの長所を取り入れて新たなものを作成したりする。議論を重ねることで、プロジェクトを総合的に進めていく手法を体験しながら学ぶことが可能だ。「いろいろなバックグラウンドを持った学生が集まることで、新たな価値を生み出したい」(浅海氏)。同じ案件を複数の技術で並行開発し、比較評価をすることで技術も蓄積できる。

 

最新技術をいち早く検証できるのは
ITエンジニアにとって大きな財産

 システム開発において、専門性の高い知識やスキルを必要とされるのがデータベースの構築である。データベースに関するスペシャリスト、日本オラクル テクノロジープロダクト統括本部 佐藤直生氏の講義を受けられるのも、「システム開発演習」の大きな魅力である。浅海氏の講義と同様、実際に受注している開発案件のデータベースに関する部分をターゲットとした講義となる。

日本オラクル テクノロジープロダクト統括本部
稚内北星学園客員助教授
佐藤直生氏
日本オラクルにてJ2EEやWebサービス、SOAのテクノロジー・エバンジェリストとして、講演、執筆、プロジェクト支援などの活動を行う。監訳書に「J2EEデザインパターン」、「Java魂 - プログラミングを極める匠の技」などがある。

 具体的には、実際の開発案件において、HibernateなどのO/Rマッピングツールを用い、煩雑なデータベースの処理をいかにしてスムーズに行えるようにするかのシナリオを提示していく。データベースには物理設計・論理設計・概念設計があるが、それらの知識やスキルを学習すると同時に「O/Rマッピングという概念、それを実現するツールについても学習する」(佐藤氏)ことになる。「O/Rマッピング、そのツールのどちらも現時点ではそれほどには普及していません。認知度はまだまだ低いです。ただしSQLベースからO/Rマッピングへの移行は進みつつあります。O/Rマッピングを中心に、短期間で高品質なデータベースを構築する技術を実案件を通じて修得していただきたい」(佐藤氏)という。

 浅海氏、佐藤氏の講義を通じて「システム開発演習」で注目したいのは、常に最新の技術に触れられるチャンスに恵まれていることである。「企業でのシステム開発では失敗は許されない。だから実績と信頼に裏打ちされた『枯れた』技術で安定したシステムを作ることが求められる。ところが、このコースでは成功率30%でも新しい技術を次々に採用していく。日本に入ってくるどの技術が生き残り、どの技術が消えていくかを一番先に実案件で試しながら見極められるのは、ITエンジニアとして大きな財産になる」(浅海氏)。

 浅海氏も佐藤氏も「学生たちと実際の開発案件を共有しながら、私たちが培ってきた『個人のスキル』や『現場のノウハウ』をすべて伝えたい」という。実際の開発案件を基に、本当に現場で役立つスキルを修得し、最新の技術に触れる機会にも恵まれる。「実践的かつ、最新技術を多用するなど極めて理論的なコース」(丸山学長)なのである。

 稚内北星学園大学の「システム開発演習」は、2006年4月に入学する3、4年生を募集している。現在の職場ではプログラマだが「上流工程を学びたい」、あるいはプロジェクトマネージャだが「最新の実装技術を身に付けたい」……。現在の環境でのキャリア構築に悩んでいるのであれば「wakhokで学ぶ」という選択はいかがだろうか。

「システム開発演習」学生インタビュー

失敗を恐れずにチャレンジ
グループでの活発な議論が刺激的

 「Javaを極めたかった」という茶屋孝典氏は、都内のシステム開発会社のプログラマである。2005年4月に稚内北星学園大学・東京サテライト校の3年次に入学。現在、「システム開発演習」を受講している。

稚内北星学園大学・東京サテライト校で学ぶ茶屋孝典さん

 実際に「システム開発演習」を受講して、大きなカルチャーショックを受けたという。「職場では、ただプログラミングをするだけ。システムの開発プロセスをどうするべきかといった議論はまったくありませんでした。ところが、このコースでは要求のヒアリング、プログラミング、開発プロセスなど、すべてにおいてグループで活発な議論がある。ものすごく刺激になります」

 職場ではプログラマとしてシステム開発に携わっているが、仕事でのプログラミングと東京サテライト校のコースでのプログラミングは「まったく別物」という。「仕事では、あまり深くは考えずにプログラミングをしていました。東京サテライト校のコースでは、プログラムを1つ作るにも、システムのどこに使われるのか、何が求められているのかを考える。取り組む姿勢が違ってきます。失敗を恐れずに新しい技術にチャレンジできるのも大きな魅力です」

 その影響は仕事にも出てきたようだ。「与えられたことを機械的にこなしていくだけではなく、『もっといい開発プロセスがあるのでは』と考えるようになりました。いまは、開発プロセスを身に付け、将来のキャリアにつなげたい」。実際の開発案件をベースに、上流から下流まで一貫して学べるコースだからこそ、ITエンジニアとしての新たなキャリアパスの可能性も示してくれるかもしれない。


企画:アイティメディア 営業局
制作:アイティメディア 営業局
掲載内容有効期限:2005年7月3日

【最新】東京サテライト校 学校説明会
■学校説明会日時
2008年1月13日(日)
2008年2月16日(土)

■内容
(下記スケジュールは1/13実施分です)
12:30-13:00 受付
13:00-14:00 東京サテライト校に関する説明
14:00-15:00 体験講座「技術者は何を学べばいいのか」
15:00- 個別進学相談会、東京サテライト校授業見学(希望者)

詳しくは、東京サテライト校学校説明会のページをご覧ください。

■お問い合わせ
稚内北星学園大学 東京サテライト校
東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル12階
TEL 03-5297-5520

■参加申込み
東京サテライト校説明会
稚内北星学園大学
稚内北星学園大学 情報メディア学部

■本校
北海道稚内市若葉台1丁目2290番28
電話:0162-32-7511
FAX:0162-32-7500

東京サテライト校
東京都千代田区外神田1-18-13
秋葉原ダイビル
<交通>
JR秋葉原駅電気街口 徒歩1分
東京メトロ銀座線 末広町駅 徒歩3分
東京メトロ日比谷線 秋葉原駅 徒歩4分
つくばエクスプレス 秋葉原駅 徒歩3分
東京サテライト校
編入学説明会
■説明会
稚内北星学園大学東京サテライト校の目的・カリキュラムなどの説明を受けることができるとともに、 東京で展開するセミナーや講義の「半日体験」ができます。

■日時
2005年6月12日(日) 終了しました
13:00〜15:00
15:00より引き続き進学相談会を行います

■対象者
・スキルアップしたいIT技術者の方。

・IT産業で働きながら、オープン系の標準技術を基礎から学びたいと考えている方(例えば、COBOLやVisual Basicで開発をしている方)。

・ IT産業で働きながら、技術の幅をもっと広げたいと考える方(例えば、仕事ではネットワ ーク構築をしているが、Enterprise Javaといったデータベースやプログラミングの技術も学んでみたい方。あるいは、その逆の方)。

・ IT産業で働きながら、新しい技術に対応して一層のスキルアップを図りたい方(例えば 、現在業務で行っている技術が、陳腐化しつつあるのではと不安を感じている方)。

・ ITを基礎から学びたい方、別の職場で働いているが、ITベンダ系の資格を取得してIT技術者へ転進を図りたい方。

・ 短期大学、高等専門学校、各種専門学校を卒業しているので、IT技術を学び、大卒の資格(学士)を取得したい方。

・ ほかの大学に在籍しながら、自分の大学では対応していない新しいIT技術を学びたい方(対面授業は休日開講が基本です。編入生ではありませんが、ダブルスクールは可能です)。
東京サテライト校
2006年編入学試験
稚内北星では、IT業界で働く、あるいは働こうとする社会人を主な対象として、2004年度から 「東京サテライト校」を開設し、3年次への編入学生を受け入れています。
ブロ―ドバンド技術も利用しながら、単なる遠隔教育を超えて、 東京サテライトでの対面授業を重視した、全く新しいスタイルの大学教育が行なわれてます。
東京で働きながら、稚内北星の教育コンテンツを受けることが出来るのです。

■編入学試験
【出願期間】
1期  2005年6月20日〜7月4日
2期  2005年9月5日〜9月16日
3期  2005年11月1日〜11月14日
4期  2006年1月16日〜1月30日

【試験日】
1期 2005年7月10日(日)
2期 2005年9月25日(日)
3期 2005年11月20日(日)
4期 2006年2月5日(日)

■試験会場
稚内北星学園大学 東京サテライト校

■選抜方法
書類審査 小論文・面接
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サマースクール
2005 in 稚内
稚内北星学園大学では、毎夏、一般向けのコンピュータ公開講座「サマースクール」を開催しています。最先端の知識を求めて、全国各地から多数の参加をいただいております。「サマースクール in 稚内」は今年度も下記の日程と内容で実施します。
※終了しました

8月2日(火)〜6日(土)

■システム管理入門コース
本講座では、 Linux(Vine Linux を予定)を用いて、様々なサービスやシステム運用の基本について学びます。Linuxの管理経験は問いません。エディタはviを使います。

■IPv6コース
本コースでは、PC-Unixを用いて、IPv6での接続を実際に行い、IPv6について学びます。同時に、IPsecについても実際に接続を行いながら学びます。


■J2SE 5.0 とアノテーションプログラミング
J2SE 5.0から追加された各種機能のうち、特にアノテーション(メタデータ) 、新ツールapt、アノテーションを定義しそれらを処理するためのアノテーションプログラミングの方法について解説します。


■JSFによるWebアプリケーション開発
本講座では、JSFの入門からはじめ、JSFを使ったWebアプリケーションの開発技法を学びます。


8月6日(土)〜10日(水)

■ルーティングとネットワーク管理
動的なルーティングを最終的な目標としますが、そこにいたるまでに実際のサイトに近い形にするために、ファイアーウォールやDNS,Mail の設定を行います。

■EJB3.0コース
本講座では、EJB3.0の基礎技術となるAnnotationの概要からはじめ、サンプルプログラムを作成しながらSession BeansとEntity Beansの基本を理解していただくことを目標にします。


■JBIとSOAコース
JBI(Java Business Integration)は、J2EEの次の次のバージョンである、J2EE6.0の中核技術です。コースでは、JBIのソースコード・リーディングを中心にしていきたいと考えています。SOAの今後に興味がある人には、重要な情報が提供できると思います。J2EEとWebサービスの知識を前提とします。



*各コースとも、初日は15:00頃(本州方面からの航空便の到着時刻)に合わせて開始します。
*最終日は、午前中に飛行機および列車の出発時刻に合わせて終了、解散します。
*前半と後半の講座は、連続して受講できます。

■受講料について
いずれのコースとも60,000円
(食費・宿泊費・教材費込み。学生・小中高教員は40,000円)