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実案件を題材に、最新技術を多角的に学べる! 稚内北星学園大学「システム開発演習」の3大メリットとは

「実際の案件を受注し、その開発を通じてシステム開発の上流から下流までの実践力を付ける」という狙いで、2005年4月より稚内北星学園大学・東京サテライト校で始まった「システム開発演習」。最新技術やプロジェクトマネジメント力など、総合的なスキルを培うこの授業の1段階目(1年目)が終了した。教授は何を期待し、学生は何を身に付けたのか。稚内北星学園大学教授の浅海智晴氏、同教授ゼミを受講した白石俊平氏に話を聞いた。

 

実社会では学べないスキルでも
「システム開発演習」なら可能だ!

 そもそもシステム開発演習の狙いは、要求分析からシステム設計、実装に至る全プロセスを一貫して学ぶことにある。加えて「実際の受注案件なので、一般の授業と異なり、緊張感と責任感を持って課題に取り組めます」(稚内北星学園大学教授 浅海智晴氏)という。

稚内北星学園大学教授 浅海智晴氏

 ただ一口に「上流から下流まで」とはいっても、その範囲は非常に広い。そこで2005年度のシステム開発演習では、「クライアントの要求をきちんとシステム設計に落とし込むこと」「成果を出すためのプロジェクト管理能力を付けること」の2点をメインにしたそうだ。その背景について浅海氏は「企業に所属したとしても、実際の開発現場では役割が細分化されており、一部分しか担当できないのが現状。本授業では、学生が自らクライアント先にヒアリングに行き、その結果をシステム設計にフィードバックし、最新技術を用いながら納品に向けて成果物を管理していく全工程を担当できるのです」と説明する。

 今回学生たちが開発したシステムは、あるシステム開発(SI)企業が顧客にセミナー開催などを告知するためのメール配信システム。短期間で開発できる規模であり、しかも発注元がSI企業で、こうした授業の意義を理解しているというのも大きなポイントだろう。

 

ユーザーの視点から
「要件をシステム設計に落とす」

 この授業では学生がチームに分かれ、チームごとに開発を進めていくというスタイルを採用した。最後に発注元の企業にプレゼンテーションを行い、その中から1つのシステムを選択してもらう。具体的には、「ヒアリング項目の設定」「ヒアリング」「設計」「開発」「プレゼンテーション」というプロセスをこなしていく。ちなみにヒアリングについては、クライアントの都合を考慮し、全チームの代表者が一度に訪問するという形を取った。

 開発工程のタスクや成果物は、プロジェクト管理ツールのASPサービス「SourceForge Enterprise Edition」で管理。成果物を規定し、その管理を徹底させることで、プロジェクトマネジメントの能力も磨いていくというわけだ。

 では「ユーザー要件を具体的なアーキテクチャに落とし込む」という部分についてはどうか。浅海氏は「そのポイントとして今回は、事前の質問項目準備と実際の要求項目を表すのに、ユースケースモデルを使うことを徹底しました。というのは、実際の現場でもそうですが、要求項目の記述はどうしても開発者の視点からのものになりがちです。例えばユーザーインターフェイス1つを取っても、開発者の視点で考えたものが、必ずしもエンドユーザーの要求に応えているとは限らない。そうではなくユースケースからクライアントの要求をとらえ、どのような技術セットが必要か、どう仕様化していくかを考える。この部分に最も注力したのです」と語る。

 クライアントから要求を引き出すにはどのような質問項目が適当なのか。その結果をどのようにフィードバックさせていくのか。授業では、こうした課題におけるユースケースの適用方法をたたき込んでいったという。

 学生の反応はどうか。本コースを履修している白石俊平氏は「ユーザーインターフェイスをユースケースから設計していくのは初めての体験でした」と語る。「要件に基づきシステムのプロセスを考えると、インターフェイスの流れも見えてきます。そこでユーザーの視点から考えてみると、『次にこの処理画面がくるのであれば、その画面に直接飛ぶボタンをここに付けよう』という発想も生まれてくる。それまで自分では意識していなかったのですが、使う側の視点に立つことがいかに重要か理解できました」(白石氏)

 

会社の案件ではできない
「最新先端技術の採用」が必須!

 このシステム開発演習には、冒頭に挙げた目的のほかにもう1つの狙いがある。それは「最新技術を使って開発せよ」ということだ。

 実際の開発案件では、クライアントの意向もあり、開発者側の希望で最新技術を適用することはほとんど不可能だ。実際に業務で使うシステムであれば、どうしても安定性や性能という要件が先にくる。そのため実案件では「枯れた技術」の使用に流れがちだ。

 だからこそ「最新技術を実際のシステム開発で使う」ことができるシステム開発演習は、学生のモチベーションを高揚させるポイントとなる。「実案件に近いけれど、授業の一環」というメリットを最大限に生かした内容といえる。

 浅海氏は「この授業の目的は、総合的な技術を身に付けることにあります。つまりヒアリングやモデリング、プロジェクトマネジメントだけでなく、最新技術を吟味し、それを適用していくという実装スキルも重要視しています」と述べる。学生をチーム分けしたのもそのためだ。各チームで異なる技術を用いて開発し、比較することで、その技術の有用性やデメリットも総合的に検証していくという。

 今回の授業では、大きく「Java EE 5とJBossをベースに開発する」というテーマが設定された。学生チームはそれぞれ「SpringとEJB3.0とJSF」の組み合わせや「Spring MVCフレームワーク」などの最新仕様を選択し、開発を進めていった。白石氏も「技術者魂が揺さぶられました」と感想を述べている。

 「前例がないので、設計が難しいという苦労はありました。例えばJSFの性能を最大化する最適なアーキテクチャは、自分たちで考えるしかないのです。しかしこうした苦労も含め、実際に最新技術を検証し、『クライアントが喜ぶシステム』を作り上げるという高揚感もありました。例えば、標準のJSFにはコンポーネントが少ないので、Apache MyFaces ProjectのTomahawkというコンポーネントを日付入力コンポーネントとして適用するなど、“コーディングしない”開発に挑戦してみました。こうした工夫やそのための情報収集など、いろいろな点で大きな勉強になったと思います」(白石氏)

 

独学だと1つの技術で手いっぱい
みんながいるから「多次元」に学べる

 カリキュラムの目的と学生の意識が見事にマッチングしているシステム開発演習だが、これからはどのように進むのか。浅海氏は今後の進め方を2段階で考えているそうだ。

 まず第1段階では、「今回の成果物を基にクラスタシステムを組んでみるなど、注目技術と成果物を融合させること」「SourceForge Enterprise Editionを使いこなし、WBSでのタスク管理などプロジェクトマネジメントのスキルをさらに徹底させること」という2点に注力する。ちなみに注目技術は、クラスタシステムだけではない。Ajaxなどのリッチクライアント技術のほか、レグレッションテストなどのテスト技法についても視野に入れているそうだ。

 来年度(4月)以降の第2段階では、新技術への取り込みとともに、再度「ユーザー要求の把握とシステム設計」「プロジェクトマネジメント」のスキル向上についてグレードアップしていくそうだ。学生から「次はこういうことをやってみたい」というリクエストも出ている。.NETサーバとEJBサーバの連携、ハイアベイラビリティ技術やスケールアップ/スケールアウト技術など、注目される技術もさまざまであり、どんな順番でこなしていくかは考案中だという。

 「この授業のメリットは3つあります。まず実社会ではなかなか身に付けられない総合的な開発スキルを実践で学べること。次に最新技術を使って実際のビジネスシステムを開発できること。最後に、1人だと1つの技術しか追えないけれど、みんなで学べば比較できることが挙げられます。クライアントと学生が集まり、自分のやりたいことをやりながら比較評価して、最新技術を多次元に活用できるのが面白いのです。ぜひ稚内北星学園大学で、この“ワクワク感”を体感してください」と浅海氏は語った。

システム開発演習学生インタビュー
心地よいプレッシャーの中で最新技術を学ぶ楽しみ
稚内北星学園大学 東京サテライト校で学ぶ白石俊平氏

 今回インタビューした白石氏は、あるベンチャー企業で開発エンジニアとして勤務していた。現在はフリーとして活躍しているという。稚内北星学園大学に入学したきっかけは「人脈を広げたかったから」とのこと。モデリングやプロジェクトマネジメントなどの上流工程のスキルが学べることは、入学するまで知らなかったそうだ。

 白石氏はシステム開発演習を次のように評価する。「授業のための課題ではなく、本当にクライアントから依頼された案件なので、プレッシャーも掛かりますが、その分モチベーションは向上します。こうした心地よい中で、優秀な方々と一緒に最新技術を学べるという経験は、どんな大企業に入っても決して得ることができない体験でしょう」

 「いま興味があるのはRoR(Ruby On Rails)やTrailsです。独学だとモチベーションを維持するのが大変ですが、ここでは『お客さまがいる』というプレッシャーがある。そのため技術を覚える速度は比べ物になりません。心地よいプレッシャーの中で、新しい世界をどんどん吸収していく、こうした楽しみをぜひ皆さんと共有したいと思います」


稚内北星学園大学
東京サテライト校 体験入学・説明会

稚内北星学園大学東京サテライト校の目的・カリキュラムなどの説明を受けることができるとともに、 東京で展開するセミナーや講義の「一日体験」ができます。 詳細は東京サテライト校Webページにてご確認ください。

※2006年3月分は終了いたしました。


■参加方法

稚内北星学園大学 東京サテライト校Webページ内のお申し込みフォームよりお申し込みを御願いいたします。

※聴講歓迎※
入学意志の有無にかかわらず、多くの方にwakhokのIT教育コンテンツをご体験いただきたいと思いますので、東京サテライト校への編入学を考えていない方の聴講も歓迎いたします。



提供:稚内北星学園大学
企画:アイティメディア株式会社
制作:@IT編集部
掲載内容有効期限:2006/3/13

【最新】東京サテライト校 学校説明会
■学校説明会日時
2008年1月13日(日)
2008年2月16日(土)

■内容
(下記スケジュールは1/13実施分です)
12:30-13:00 受付
13:00-14:00 東京サテライト校に関する説明
14:00-15:00 体験講座「技術者は何を学べばいいのか」
15:00- 個別進学相談会、東京サテライト校授業見学(希望者)

詳しくは、東京サテライト校学校説明会のページをご覧ください。

■お問い合わせ
稚内北星学園大学 東京サテライト校
東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル12階
TEL 03-5297-5520

■参加申込み
東京サテライト校説明会
稚内北星学園大学
稚内北星学園大学 情報メディア学部

■本校
北海道稚内市若葉台1丁目2290番28
電話:0162-32-7511
FAX:0162-32-7500

東京サテライト校
東京都千代田区外神田1-18-13
秋葉原ダイビル
<交通>
JR秋葉原駅電気街口 徒歩1分
東京メトロ銀座線 末広町駅 徒歩3分
東京メトロ日比谷線 秋葉原駅 徒歩4分
つくばエクスプレス 秋葉原駅 徒歩3分
「東京で働きながら、新しいITを学ぶ」
東京サテライト校
2006年編入学試験
稚内北星では、IT業界で働く、あるいは働こうとする社会人を主な対象として、2004年度から 「東京サテライト校」を開設し、3年次への編入学生を受け入れています。
ブロ―ドバンド技術も利用しながら、単なる遠隔教育を超えて、 東京サテライトでの対面授業を重視した、全く新しいスタイルの大学教育が行なわれています。
東京で働きながら、稚内北星の教育コンテンツを受けることができます。

■編入学試験
【出願期間】
4期  2006年3月1日〜3月10日

【試験日】
4期 2006年3月18日(土)

■試験会場
稚内北星学園大学 東京サテライト校

■選抜方法
書類審査 小論文・面接

編入学試験の詳細については東京サテライト校Webページをご覧ください 。
東京サテライト校 説明会
■説明会
稚内北星学園大学東京サテライト校の目的・カリキュラムなどの説明を受けることができます。

■日時
2006年3月4日(土) 終了いたしました。
13:00〜17
:00
■内容
・東京サテライト校に関する説明
・大学での学び方と科目紹介
・丸山/浅海/佐藤ゼミ活動紹介
・個別進学相談会
・東京サテライト校授業見学


■対象者
・スキルアップしたいIT技術者の方。

・IT産業で働きながら、オープン系の標準技術を基礎から学びたいと考えている方(例えば、COBOLやVisual Basicで開発をしている方)。

・ IT産業で働きながら、技術の幅をもっと広げたいと考える方(例えば、仕事ではネットワ ーク構築をしているが、Enterprise Javaといったデータベースやプログラミングの技術も学んでみたい方。あるいは、その逆の方)。

・ IT産業で働きながら、新しい技術に対応して一層のスキルアップを図りたい方(例えば 、現在業務で行っている技術が、陳腐化しつつあるのではと不安を感じている方)。

・ ITを基礎から学びたい方、別の職場で働いているが、ITベンダ系の資格を取得してIT技術者へ転進を図りたい方。

・ 短期大学、高等専門学校、各種専門学校を卒業しているので、IT技術を学び、大卒の資格(学士)を取得したい方。

・ ほかの大学に在籍しながら、自分の大学では対応していない新しいIT技術を学びたい方(対面授業は休日開講が基本です。編入生ではありませんが、ダブルスクールは可能です)。

説明会の詳細は東京サテライト校Webページをご覧ください。

参加をご希望の方は、お申し込みのページよりお申し込みをお願いいたします。

※聴講歓迎※
入学意志の有無にかかわらず、多くの方にwakhokのIT教育コンテンツをご体験いただきたいと思いますので、東京サテライト校への編入学を考えていない方の聴講も歓迎いたします。
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