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第69回 不況期の転職者91%が「転職成功」と答えた理由

Tech総研
2009/10/22

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昨年のリーマンショック以降の不況で、エンジニアの転職市場は厳しい状況だ。昨年末から現在にかけて、実際に転職したエンジニア100人に、給与の増減や満足度を聞いた。不況の影響はどんなところに表れているのか。そこで転職を成功させる秘けつは何だったのか。(Tech総研/リクルートの記事を再編集して掲載)

  転職先の企業規模は
小さくなる傾向

 今回の調査対象は2008年10月から2009年6月にかけて転職したエンジニア100人(22歳〜40歳)だ。実際の転職時期は「2009年1月」が22%、ついで「2008年10月」が14%、「2009年4月」が14%。転職理由で最も多いのが「会社からの評価や給与が上がらない、下がった」の30%。以下、「会社や業界の将来に不安を感じた」(24%)、「仕事量や雑務が多くなっていた」(23%)、「休日数、残業、勤務時間に不満があった」(22%)と続く。

図1 転職を決意した理由は何ですか?

 Tech総研では毎年、エンジニアの転職理由について同様の調査を行っている。2004年から2006年にかけて転職したエンジニア300人を対象にした調査(2006年1月)でも、「会社からの評価や給与が上がらない、下がった」は53%、「会社や業界の将来に不安を感じた」は40%となっており、「給与」と「会社の将来性」が転職の2大要因であることには変わりがない。不況期だから特段にその理由が多くなっている、という傾向は見られなかった。

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 ただし、2006年の調査では「リストラがあった」「会社が倒産した」が合計9%程度だったのに対して、今回は13%と高くなっている。不況の影響を感じる。

 今回に限らず、不況下の転職活動でよく指摘されるのは、転職前と転職後の企業規模の変化だ。今回の不況でも、大手が採用を絞る中で、これまで大手企業との競争で良い人材を採りにくかった中小企業が活発な求人を行っている、という報告もある。一般的には「ダウングレード転職」と呼ばれる現象だ。

 転職前後の企業規模の変化を見ると、増加しているのが「10人未満」「50〜100人未満」の企業。逆に減少しているのが「10〜50人未満」「100〜500人未満」「500〜1000人未満」「1000〜5000人未満」「5000人以上」の企業だ。例えば転職前は「5000人以上」の大企業に勤めていた人が10%いたが、転職後はそれが7%に減っている。転職によって企業規模が小さくなる現象が起きているのではないか、という推測ができる。

図2 転職前後の従業員規模

 不況下では、転職活動を始めてから実際に転職先に入社するまでの期間(転職活動期間)が長期化する傾向も指摘されている。今回の調査では「3カ月以内」が最も多く(37%)、「1カ月以内」も28%いる。だが、これらについては2006年調査と比べて、特に長期化している傾向は見られなかった。

図3 転職活動を始めてから、
実際に転職先に入社するまでの期間

 また、最近の転職活動は仮に最終面接に残ったとしても、経営判断という理由で採用不可になる率が高い、といわれる。そのため、転職希望者は通常期よりも数多くの企業にエントリーし、面接をこなさなければならない。今回の調査では「転職活動で実際に応募した企業数」を聞いている。最も多いのが「1社のみ」(39%)というのは、転職者にとっては1つの安心材料ともいえる。だが、「5社」が11%、「10社以上」が9%という数字も、決して見逃すことはできない。

図4 実際に応募した企業数

91%が「成功」、80%が「普通」以上の満足度  

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