Tech総研
2009/12/1
その2 「容認できるギャップ」と 「容認できないギャップ」の代表例 |
若手・中堅エンジニアそれぞれが抱くギャップの数々を見て、あなたにも思い当たる節はあっただろうか。
そもそも、若手・中堅両者にとって「容認できるギャップ」と「容認できないギャップ」の境界線は、どこにあるのだろうか。その代表例を今回のアンケート結果の中から抜粋してみた。
【20代若手が容認できない30代中堅とのギャップ】
- 言葉遣い。「はい……」など返事が薄いことがあり、どう対処すればよいか分からない(23歳/システム開発Webオープン系)
- 人間付き合い。仕事は仕事、休日は休日としっかり分けてもらいたい(24歳/回路設計)
- 押し付け。部下に作成からテストまですべて任せ、バグが出たときだけ文句をいうスタイルに納得できない(23歳/システム開発Webオープン系)
【20代若手が容認できる30代中堅とのギャップ】
- エラーやバグの原因推測。知識量やキャリアが違うので(23歳/システム開発Webオープン系)
- 仕事の進め方。キャリアのある方はプログラミングより設計に時間をかける(24歳/システム開発ファームウェア系)
- プログラミング。先輩の説明や指摘はおとなしく聞き入れて取り入れるようにしている(22歳/システム開発Webオープン系)
【30代中堅が容認できない20代若手とのギャップ】
- 言葉遣いや顧客に対するマナー。SEで敬語が使えない人が多すぎる(30歳/システム開発Webオープン系)
- 報告。決められた期限は守り、もし遅れそうなら事前に報告してほしい(35歳/システム開発ファームウェア系)
- あいさつ。上司も会社を出ればただの人だけど、最低限無視せずに会釈くらいしてはどうかと思う(30歳/システム開発Webオープン系)
【30代中堅が容認できる20代若手とのギャップ】
- 開発環境の違い。中堅は枯れた開発環境を使うが、若手は新しい開発環境を好み、それは悪いことではない(31歳/社内SE)
- 仕事の進め方。効率的にやろうという姿勢はとても評価できる(33歳/システム開発汎用機系)
- 自己啓発の有無。スキルアップのための努力は人それぞれで、それをしなくて困るのは本人だから(35歳/システム開発ファームウェア系)
主に容認できるポイントとしては若手・中堅ともに「仕事の進め方」が最も意見が多かった。中でもプログラミングやコーディング、開発環境の違いなどは、人それぞれ好みやスタイルがある。どんな手段であれ、最終的にそれが良い製品・良いサービスに結びつくのであれば特に問題ない、というとらえ方が多いようだ。
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一方、容認できないポイントとして若手・中堅ともに最も多かった意見が、「普段の言葉遣いやあいさつ」。若手は中堅に対して「部下だからといってあまりに高圧的な態度で、失礼にも程がある」「叱るのではなく、ただ怒っているだけ」といったように、パワハラでは? と思われるケースが見られた。逆に、中堅から若手に対して「敬語や尊敬語・謙譲語の違いが分からない」「お客さまに対してタメ口をするなどもってのほか」「あいさつをしない」といった、社会人としての基本的マナーが欠如している点を指摘する声が目立った。
このように人としての基本的マナーに対する若手・中堅それぞれの見方は厳しい一方で、エンジニアとしての仕事の進め方は自主性を尊重するのが、今回の調査結果から浮かび上がった全体的な傾向だ。
おわりに 若手の2割、中堅の4割が ギャップに関して直接話し合い、その多くが解決へ |
最後に、「ギャップがある」と回答した300人中165人(若手78人・中堅87人)に対して、「ギャップに関し、相手と話し合ったことがあるか?」と質問してみたところ、若手は20%、中堅は43%が「ある」と回答した。
図2 話し合った結果 |
その話し合いの結果は図2のとおり。中堅世代の一部で意見がかみ合わなかったと回答した以外、両者ともお互いの意見を尊重したり、また歩み寄るなど前向きな結論を出せたようだ。
考え方や行動など、あらゆる面において違いやギャップは少なからず存在するもの。もし、そのギャップを納得できないと感じるのであれば、あえて口に出し、腹を割って話し合うことは決して無駄ではないはずだ。
「最近の若手は……」「上の連中には分からん」と結論付けてしまう前に、勇気をもって話しかけてみることをオススメしたい。
この記事は、Tech総研/リクルートの2009年9月2日公開の記事を 再編集して掲載しています |
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