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第72回 20年前の水準? 記録的マイナス幅の09年冬ボーナス

Tech総研
2010/2/22

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  空しい満足感。
グチをこぼしても始まらない?

 300人の回答者の「生声」をいくつか拾うと、

  • 「会社の仕事量が減っているから、ボーナスも当然なし」(生産管理/33歳)

  • 「仕事が減って支給額が前年の45%しかなかった」(機械設計/33歳)

  • 「去年より数十万円減った」(システム開発/33歳)

  • 「仕事の受注件数が激減。会社自体が現在、休業補助を受けている状態」(機械設計/32歳)

など、苦境を訴える声が相次ぐ。

 ボーナス減額の理由はもちろん、受注減、売り上げ減による利益の低下が目立つ。「自分の仕事は売り上げとは直結しないので、仕事の忙しさは変わらない。でも賞与は減る。やりきれない部分もある」(品質保証/34歳)と、自分ではどうにもならない状況に、苦渋がにじむコメントも見受けられた。

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 ボーナスへの不満が高じて、「会社の業績はそこまで悪くないにもかかわらず、基本給削減など人件費を削られ続けている」(研究/32歳)と、会社の賃金政策の批判に及ぶ声が一部で見られるが、全体のトーンとしては「業績不振でかなり減った。仕方ない。もらえるだけでもありがたい」(システム開発/30歳)という声が多い。この不況下で、いくら「ボーナス額が低い」とグチをこぼしても始まらないという、あきらめの心境が漂っている。

 満足度調査では「仕事内容に比べて安い」(54%)と「今回の金額に満足している」(45%)がほぼ拮抗する結果となった。「満足」といいつつ、その内容は推して知るべし、である。中には「ボーナスがもらえることはうれしいが、業績不振の中、会社は大丈夫なのか?」(品質管理/31歳)と、逆に会社の将来を心配する人まで登場する始末だ。

図1 2009年冬のボーナス金額の満足度は?

  「貯金する」人の割合が
さらに上昇

 最後にボーナスの使い道を聞いてみた(複数回答)。あらかじめ予想されたことだが、「貯金する」(81%)が圧倒的に多い。昨年の調査でも79%が「貯金する」と答えていたが、今年はその数字を上回った。以下、「買い物をする」(46%)、「ローン返済に充てる」(36%)、「旅行する」(20%)、「家族・恋人などにプレゼントを買う」(18%)という順番だ。

 買い物やプレゼントの中身までは聞けなかったが、2009年の年末商戦や冬の旅行需要の傾向から見ても、全体に小つぶになっているのは否めないだろう。

 デフレ経済とはいうものの、収入の目減りで、消費は縮こまったままだ。それでも、少ないボーナスをやりくりして、ささやかなプレゼントを贈り合う。普通のビジネスパーソンには、それが精いっぱいの姿なのかもしれない。

図2 2009年冬のボーナスの使い道とその金額(※複数回答)

この記事は、Tech総研/リクルートの2009年12月16日公開の記事を
再編集して掲載しています

 

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