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第18回 「心の病」で労災請求、過去最高に
提供:日本人材ニュースHRN、日本人材ニュースCarrera
2012/6/25
人材採用・育成の専門紙「日本人材ニュースHRN」、キャリア支援ニュースサイト「日本人材ニュースCarrera」から、IT業界の雇用に関する記事を転載してお届けします。 |
6月の気になる「キャリアNews」をまとめました。見出しを読めば、大体の内容がさっくり分かるようになっています。
◇◇◇
- 【働き方】 「心の病」で労災請求、過去最高に
- 【企業動向】希望退職・早期退職を募集する上場企業、4月以降に増加
- 【企業動向】電気料金値上げで減益、生産拠点は海外へ移す
- 【企業動向】国内市場の縮小を理由に、企業の海外進出が加速
■「心の病」で労災請求、過去最高に
うつ病などの精神障害による労災請求件数が増加し、3年連続で過去最高を更新したことが分かった。
●2011年は、90件増しの1200件超
2011年度の労災補償の請求件数は1272件で、前年度から91件増加。3年連続で過去最高となった。支給決定件数も過去最高の325件(前年度比17件増)。
●30〜39歳がボリュームゾーン
年齢別に見ると、請求件数、支給決定件数ともに、30〜39歳(請求件数420件、支給決定件数112件)が最多。次いで40〜49歳(同365件、同71件)、20〜29歳(同247件、同69件)となっている。
●労災認定される理由、トップ3:「仕事環境の変化」「事故・災害経験」「いじめ」
支給決定の理由は、「仕事内容・仕事量の変化」(52件)、「悲惨な事故や災害の体験・目撃」(48人)、「嫌がらせ、いじめ、暴行」(40件)などが多かった。
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一方、過労による脳・心臓疾患の請求件数898件(前年度比96件増)で2年連続で増加した。支給決定件数は310件(同25件増)。年齢別では、年齢別に見ると、請求件数、支給決定件数ともに、50〜59歳(請求件数314件、支給決定件数119件)、40〜49歳(同228件、同95件)、60歳以上(同227件、同60件)の順に多くなっている。
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■希望退職・早期退職を募集する上場企業、4月以降に増加
希望退職・早期退職者募集を実施した上場企業が、4月以降に増加していることが、東京商工リサーチの調べで分かった。
●4〜5月だけで、17社が募集
1月以降に希望退職・早期退職者募集の実施を開示、内容が確認できた上場企業は、6月7日現在で33社(前年同期比+2社)。4月に9社、5月に8社と、全体の半数を占めている。
個別企業で募集人数が最も多かったのは、八千代工業の771人(応募人数)。次いで、アルバックグループ700人、メガネスーパー450人、太陽誘電330人、ベスト電器300人となっている。募集(応募)人数が100人以上の企業は10社。
●募集が多い業種は、「電気機器」「小売」「情報・通信」
産業別に見ると、電気機器が8社で最多。小売5社、情報・通信3社、精密機械3社と続いている。
上場企業の希望退職・早期退職者募集はリーマン・ショック後の2009年に191社となり、10年85社、11年58社と減少してきた。今年に入り大手電機メーカーなどが大規模な人員削減計画を発表しているが、募集の具体的な内容はまだ公表しておらず、今回の集計には含まれていないため、全体の募集人数は今後増加する可能性が高くなっている。
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■国内市場の縮小を理由に、企業の海外進出が加速
●今後3年以内の海外進出を見込む企業、去年の1.4倍に
帝国データバンクの海外進出に対する企業の意識調査によると、国内市場の縮小や新たな事業展開のために、今後3年以内に海外進出を見込む企業が2011年度比で1.4倍に上ることが分かった。
回答企業1万467社のうち、2011年度に海外に進出した企業は1028社(9.8%)。今後2〜3年での海外進出の意向がある企業は1430社(13.7%)となっている。
●製造、サービス業が進出を考える
今後2〜3年で海外に進出する意向がある企業を業界別にみると、「製造」(19.9%)、「サービス」(13.8%)で進出を考えている企業が多い。
製造業では「精密機械、医療機械・器具製造」(29.9%)が調査対象51業種中で最高となったほか、「機械製造」(27.0%)、「電気機械製造」(26.8%)、「繊維・繊維製品・服飾品製造」(25.0%)、「化学品製造」(24.7%)、「輸送用機械・器具製造」(22.3%)が2割を超えた。一方、サービス業では「人材派遣・紹介」(19.0%)の割合が高い。
海外進出を決定した(決定する)際のポイントでは、「良質で安価な労働力が確保できる」(35.0%)が最も多く、「現地の製品・サービス需要が拡大」(19.9%)、「納入先を含む他の日系企業の進出実績がある」(18.8%)と続く。
●海外進出する理由は、「国内市場の縮小」「新規事業」
海外進出のきっかけについて聞いたところ、「国内市場の縮小」(45.1%)、「新たな事業展開」(40.4%)を4割超の企業が挙げた。
調査は、5月21日〜31日に全国2万2955社を対象に実施し、1万467社から回答を得た。
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■電気料金値上げで減益、生産拠点は海外へ移す
経済同友会が四半期ごとに実施している景気定点観測アンケート調査によると、電気料金の値上げによって減益を予想し、生産拠点の海外移転を検討する製造業の経営者が多いことが分かった。
●「減益を余儀なくされる」製造業、過半数を超える
6月の調査結果によると、電気料金の値上げによる懸念を聞いたところ、製造業は「販売価格に転嫁できず、減益を余儀なくされる」が53.1%で半数を超えた。
次いで「先行きの不透明さから、企業マインドを慎重化させる」(37.5%)、「生産拠点などの海外移転を検討せざるを得なくなる」(31.3%)、「追加の設備投資が必要となる」(29.7%)、「取引先の海外移転により、事業展開にネガティブな影響がでる」(21.9%)となっている。
●非製造業、「先行きの透明さ」に不安
非製造業では「先行きの不透明さから、企業マインドを慎重化させる」(37.2%)が最も多い。
製造業では半数を超えている「販売価格に転嫁できず減益を余儀なくされる」が非製造業では26.4%、製造業では6.3%の「電気料金の値上げは、節電のみで対応する(大きな懸念はない)」が非製造業では33.1%となっており、電気料金の値上げが製造業に与える影響の大きさがうかがえる。
●「日本の政治状況がリスク」と考える経営者は7割
「日本の政治状況がビジネス上のリスクになる」と考えている経営者が7割近くに上っており、その理由として「政策の一貫性がないことによる、ビジネス展開における予見可能性の低さ」が製造業、非製造業ともに最も多く、製造業では「FTA・TPPなどの取り組みの遅れによる競争条件の悪化」、非製造業では「財政問題から派生する金利の上昇」を上げる経営者が多かった。
調査は5月30日〜6月8日に実施し、経済同友会会員ら288人の経営者から回答を得た。
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