最終回 3ステップで分かる「キャリア設計図」のつくり方
樋口研究室
山口紀子
2011/6/23
■「キャリア設計図」のつくり方
◎ステップ1:事例の洗い出し
最初に、あなたが関わった仕事の事例すべてについて、下記のものを書き出してください。
- 概要
- 提供していた「サービス/仕事」
- 担当していた「顧客」
図2 事例の洗い出し
◎ステップ2:満足度で振り分ける
次に、上記で書き出した事例を、「満足したか否か」で振り分けます。あなたがその事例を経験して「やって良かった」「スキルや知識が身に付いた」「学ぶべきものがあった」という満足度があったかどうかで判断してください。
図3 満足度で振り分ける
◎ステップ3:満足した仕事の共通点を探す
エンジニアライフ コラムニスト募集中! |
あなたも@ITでコラムを書いてみないか 自分のスキル・キャリアの棚卸し、勉強会のレポート、 プロとしてのアドバイス……書くことは無限にある! コードもコラムも書けるエンジニアになりたい挑戦者からの応募、絶賛受付中 |
最後に、「満足した」と分類した事例について、サービスや顧客の「共通点」を探します。
共通点のある「サービス/仕事」と「顧客」が、あなたのキャリアパスにおいてのキーワードとなります。このキーワードを忘れないようにしてください。
■あるべきキャリアパスを歩む行動とは?
満足度の高い事例をつなげると「あるべきキャリアパス」が見えてきます。
- 案件A:ある事例:作業の進捗や障害状況を「取りまとめ」ていた
- 案件B:協力会社や関連部門の「調整」役をしていた
- 案件C:担当者に「指示」をし、チーム全体を「管理」をしていた
「まとめる」「調整する」「管理する」――これらが、これまでのキャリアにおける「行動の共通点」です。次の仕事では、この共通点を満たす仕事に就けるよう、狙いを定めましょう。上記の例でいえば、
- リーダーとして人をまとめていく職務
- リーダーシップが必要な部下や顧客が存在する職場
などが該当します。
他にも、「クリエイティブ」な仕事が多く列挙されていたなら、製品やイベント、体制を企画・制作する仕事ができる仕事、「テクニカル」の仕事が多いなら、データベースやネットワーク、業務プログラムのスペシャリストになれる環境を探せばいいのです。
共通点として浮かび上がった「サービス/顧客」を会社内で求めるも良し、転職やコミュニティ活動など会社外に求めるも良しです。キャリア設計図に合わせてチャレンジする、この姿勢が重要です。言われたことをただ行うのではなく、自らがやりたいことを見定め、行動する。このことによって、あなたの仕事人生はより充実したものとなるでしょう。
■キャリア設計図は常に調整しよう
最後に注意点を1つ。キャリア設計図は、できるだけ頻繁に「見直し」をかけましょう。
あなたが進みたい道を決めても、その道が安全であるわけではありません。邪魔が入ったり、制度が変更になったりと、いろいろな障害があるはずです。
キャリアづくりは人生を通して続ける作業です。数年もすれば、サービスや顧客は変わります。頻繁に地図を見直せば、道に迷うことは少なくなるでしょう。
筆者プロフィール |
山口紀子●樋口研究室の認定コーチ。ヒューマンマネジメントの分野で活躍しているコンサルタントだが、IT分野の知識も豊富でエンジニアからの信頼が厚い。 |
» @IT自分戦略研究所 トップページへ |
@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。
現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。
これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。