第1回 ビーチまで徒歩5分。ハワイで働くITエンジニアたち
菅原英治(シグマコンサルティング)
2010/10/29
世界を飛び回るITエンジニア、シグマコンサルティングの菅原英治氏が、海外で活躍する日本人ITエンジニアに突撃インタビュー! |
■ はじめに
この連載は、海外で活躍する日本人ITエンジニアが、どんなことを考え、どのように働いているのかをレポートすることで、「ITエンジニアとしての働き方」について考えるきっかけをつくることを目的としています。
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昨今、長引く不況のためか、IT業界は明るい話題がなかなかありませんね。そのような中、現在の働き方について悩まれている諸兄も多いのではないでしょうか。本稿では、「楽しく明るく働くITエンジニア」をご紹介することで、「このような働き方もあるのだな」と、ITエンジニアの働き方について1つの可能性を示したいと思います。
最初にインタビューを行ったのは、「ハワイで楽しく働くITエンジニアたち」です。今回と次回の前後編でお送りしたいと思います。
本稿が不況を乗り切るためのヒントとして少しでも役立てば、筆者としてこれ以上にうれしいことはありません。
カラカウア通り沿いのヤシの木 |
● 筆者について
先に簡単に自己紹介をします。筆者はITエンジニアであり、また経営者でもあります。SIer(システムインテグレータ)でSEとして勤務した後、「もっとお客さんの近くでシステム開発を行いたい」と考えて起業し、5年目になりました。@ITの「Insider.NET」や「リッチクライアント&帳票」フォーラムで記事を執筆したことがあるので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
筆者にとって、「働き方」は、SEとして働いたサラリーマンのころから経営者となった現在まで、ずっと考え続けているテーマです。SE時代は、終電帰りが標準、土日なし、のいわゆるデスマーチ・プロジェクトを経験し、「こんな働き方でいいのだろうか」とよく考えていました。
筆者が起業したのは、このような働き方を変えたかったからでもありました。起業した結果、就業時間や休日という概念がなくなったので、自由になる時間が増えました。一方で公と私で時間をきっちり分けることが難しくなりました。経営者の働き方として難しいところは、仕事に時間が拘束されることと、収入が必ずしも比例しないところにあると感じています。
■ アロハ・スピリットがあふれる社風の企業
最初に、うわさの「ハワイで楽しく働くITエンジニアたち」がいる企業、Visual Systems, inc.(以下VS社)について紹介します
● ビーチまで徒歩5分
ワイキキ・ビジネス・プラザ |
VS社は、1994年創業の、ハワイで最初の日系SIerです。クライアントは、ハワイに進出している日系企業(旅行、ウエディング関係など)です。多くのシステムは現在、世界展開されているそうで、各国の商習慣を踏まえたシステム開発に強いノウハウを持っています。オフィスの場所は、ワイキキのど真ん中、ワイキキ・ビジネス・プラザにあります。オフィスから徒歩5分の距離にサーフィンのできるビーチがあるという、何ともうらやましいロケーションです。
VS社の人たちは、明るく楽しい方ばかりでした。「それぞれが家族を大事にする気持ちを、みんながお互いに大事にしている」というアロハ・スピリットが社風に影響を与えているそうです。
ワイキキ・ビジネス・プラザ前のカラカウア通り |
● ユニークな制度
VS社にはユニークな制度があります。まず、学生向けのインターンシップとして、日本から学生を招待し、ハワイで1年間の生活を体験する制度があります。その間の生活費、語学研修の費用はVS社が負担します。このような制度は日本ではなかなかできないでしょう。これは筆者の想像ですが、ハワイで働く魅力をしっかり伝えるためには、これくらいインターンに力を入れなくてはならないのでしょう。
さらに、日本のビジネスパーソン向けに、ある制度を企画中とのことです。題して「ハワイで一緒にビジネスを作りましょう制度」。
最寄りのコーヒーショップの風景。ちょっとした打ち合わせでもリゾート気分になれる |
この制度では、ハワイでなんらかのITビジネス(Webサービス、アプリ開発など)を始めたいビジネスパーソンを日本から1カ月程度招待します。その間の滞在費はVS社が負担し、おまけにゴルフ、サーフィン、マラソンなどのレッスン付きです。その代わり、開発したビジネスのプロフィットはシェアしましょう、というわけです。
ハワイは訪問者が100万人規模の人気観光地とはいえ、小さな島のため経済の規模が限られ、なかなか新しいビジネスが起こせないそうです。この制度で新しい風をハワイに吹き込んでくれる人が現れることに期待しているとのことです。
VS社についてのご紹介は以上です。明るく楽しい雰囲気が伝わりましたでしょうか。実にうらやましい職場環境で、筆者は正直なところ、「この環境ならそりゃ楽しいですよね」と思わざるを得ませんでした。
それでは続いて、VS社の皆さんのインタビューをご紹介します。
チャレンジし続けるゴルファー社長 |
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