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第3回 HolyGrail――オンライン勉強会Roppongi.JSの挑戦

岑康貴
2008/8/22

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1人で運営することの限界と、凍結宣言

 メソッドが確立していない中、手探りで運営を始めた堀氏。しかしその後、毎週の定期開催が困難という状況になってしまう。

 「最初に方向性を決めるとき何人かに話を聞くと、オンラインなら平日の夜がいいという意見が多かったんです。通常のリアルな勉強会は土日が多いですが、オンラインなら仕事が終わった後にちょっとやる、というのがよいだろうという考えの人が多かったようです。そのくらいの規模なら毎週できるだろうと思っていました」

 しかし堀氏自身、決まった時間に退社するというワークスタイルではないため、開催できない日もあった。特に、定期開催日である火曜日に限って夜遅くまで仕事が長引くという時期が続き、「火曜日は呪われているのではないか」と考えたこともあったという。

 最も大きな問題は、運営担当者が堀氏1人だったということだ。

 通常の勉強会でも、運営や幹事を担うスタッフが1人または少数だと、うまく続けることができない。堀氏は「オンラインでライトにやる形式だから大丈夫だろう」と考えていた。しかし、現実は甘くなかった。

 開催日に自分が多忙な時は、ほかの人が運営と進行を担当してくれれば問題は解決する。事実、そうした形で開催された日もあった。しかし、急場しのぎでしかなかった。

 定期的に勉強会が開催できない。堀氏は、いったんRoppongi.JSを凍結することを宣言した。

「一時凍結」

「早く再開したい」

 堀氏は、凍結の理由を次のように話す。

 「定期的に開催できなかったことが“凍結”の最大の理由です。また、その要因の1つでもあるのですが、運営スタッフが僕1人で、明らかに人が足りなかったこと。内容がまだ高度だったということも問題でした」

 しかし、もうやめた、というつもりはないという。現在、手伝ってくれる人を募集中だ。人が集まってきたら、早いうちに再開したいと堀氏は語る。

 「少しずつ、手伝うという人が出てきてくれています。今後もJavaScriptに関わる何かをしてみたい、という人を募集します。JavaScriptを書いたことがないけれども、やってみたいという人も歓迎です。初心者向けにどういう形で進めたら分かりやすいか相談できるので」

 人が集まれば、隔週で再開する予定だ。作業も分担できる。堀氏は、やはり「毎週開催は大変」だと苦笑いをした。

 運営をしていくうえで、どのような部分が大変だったのだろうか。

 「とにかく、雑務がたくさんあった。それらを全部やらないといけないというのが大変でした」

 「オンラインでライト」な形式とはいえ、運営も楽、というわけではなかったようだ。

オンライン上での活動が活発になれば、楽しくなる

 
 

 なぜ、そのような大変な思いをしてまで、堀氏は「早く再開したい」と話すのだろうか。

 「やっぱり、JavaScriptが好きなんです。こうした勉強会を開くことで、自分の勉強にもなります。それから、『オンラインでゆるく』という形式なので義務感はないのですが、一度やるといったからには、楽しみにしている人もいると思います」

 また、堀氏は「初心者向けに」という言葉を何度も強調する。そこにはどのような思いが込められているのか。

 「なるべく多くの人に(勉強会に)入ってきてほしい。これは、JavaScriptに限らず、ほかの言語でもいいんです。もっといってしまえば、プログラミングでなくても構わない。オンライン上でいろいろな人の活動が活発になれば、楽しくなると思うんです。ゆるくでいいので、そういう活動が増えればいいなと思います」

 自分の取り組みが、そうした「オンライン上でのゆるい活動」のメソッドを確立するうえで役立てばいい、そう堀氏は語った。

 

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