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第4回 誰にでもできる! 勉強会の作り方

よしおかひろたか
2008/10/29

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初めての勉強会開催の流れ

 勉強会を開催しようと思う動機は人それぞれである。その後の開催のプロセスは下記のとおりだ。

  1. 開催内容、お題、ネタ、発表者を決める

  2. 場所、日時を決める

  3. 告知

  4. 懇親会、飲み会などの予約

  5. 当日の運営

  6. フォロー、振り返りなど

お題の決定、発表者、形式

 なにがしかの勉強会を開催したいと思ったあなたは、すでに勉強会主宰者である。

 ひょっとしたら、自分に合った勉強会がすでにあるかもしれないので、「IT勉強会カレンダー」をチェックしてみよう。自分のニーズにピッタリと合う勉強会がなかったら、ここは思いきって勉強会の主宰者になってみよう。

 難しく考えることはない。できる範囲からのスモールスタートでいいと思う。

 お題はもちろん何でもいいのだが、唯一絶対まげてはいけないものは、「自分が勉強したいと思うお題にする」ということである。勉強したいと思わないことを勉強会のお題にする人はいないとは思うが、重要なことなので記しておく。カーネル読書会のお題は何でもありなのだが、唯一、絶対的な基準は「自分が興味のあることだけを選んで、話をしてもらっている」ということである。興味のないことに自分の時間とコストをかけるべきではないし、自分の興味や情熱が続かないのであれば、勉強会をやめる勇気も必要である。

 勉強会の発表者をどのように選ぶか。最初のうちは、自分自身が発表者となる場合が少なからずある。発表者のメリットは多い。自分がその分野に精通していないとしても、発表する機会を持つことによって、いろいろと調べて自分なりにまとめる。それは、自分があるテーマを理解し、整理するうえで非常に役に立つ作業だ。時間と労力を費やして、誰かにそれを聞いてもらうことは決して無駄な行為ではない。

 あるいは、仲間を募って、共通の興味を題材に選ぶのもいい。なんでもかんでも1人で抱え込まない方がいいかもしれない。

 勉強会の形式は、誰かに講義してもらう「セミナー形式」、ちょっと難しめの本を読む「読書会形式」、みんなでわいわい発表する「Lightning Talks形式」、共通の話題について議論をする「ワークショップ形式」などさまざまあるので、それも決めておく。

場所、日時を決める

 題材や形式を決めたら、次は勉強会の場所を選ぼう。

  1. 公共の施設(区民会館、市民会館など)

  2. 民間の貸会議室

  3. 自分の会社の会議室、あるいは学校の教室

  4. そのほか(居酒屋、カラオケルームなど)

 公共の施設の場合、値段は安めだが、その地域の居住者でなければいけないとか、勤務地がそこの地域になければいけないなどの縛りが存在する可能性がある。予約時に確認しよう。民間施設の場合は、公共施設に比べて値段が高めである。ただし、大小さまざまな施設があるので、ニーズに合った会議室が見つけられるだろう。

 コストがかからないという点では、会社の会議室や学校の教室という手もある。会社によっては、従業員以外の利用を制限していたり、そもそも利用を認めていなかったりするので、会社とよく相談してみよう。学校の施設についても同様で、まずは(学校に)相談してみる。

 意外な穴場は、居酒屋やカラオケルームである。最近は、プロジェクター完備の居酒屋が少なくない。LTのような軽めの議論では、意外といいかもしれない。カラオケルームは、電源の確保がしやすいというメリットがある。少人数(10人未満)の勉強会では、使えるかもしれない。

 日時については、平日の夕方からやるのか、休みの日にやるのかで、若干異なる。

 平日の就業時間後に開催となると、早くとも午後7時以降の開催になるので、長くて2時間程度しか時間が取れない。休日開催であれば、午後まるまる開催するとすれば、数時間は取れる。これなら、プログラムに余裕が持てる。

 勉強会の方向性や狙いによって、平日開催か休日開催かを考えよう。

  カーネル読書会の場合は、ミラクル・リナックスのオフィスで開催することが多い。自分の勤務先なので、使い慣れていて便利だからである。勉強会やコミュニティ活動に理解がある会社も多いので、一度会社に相談してみたらどうだろうか。前例がなければ、自分が前例になればいい。

懇親会の予約、準備

 カーネル読書会は、最初からカーネルをさかなにヨタ話をするというコンセプトだった(少なくとも自分の中ではそうだった)ので、宴会のないカーネル読書会というのはありえないし、宴会がなければカーネル読書会ではない。従って、お題の提供、会場の確保と同様に、飲み会の場所の設定も重要だった。ここだけは譲れない一線、みたいなものである。

 せっかく勉強会で集ったのだから、懇親を深めたいと思うのが人情である。懇親会も、希望者が会議室で持ち込みでだらだらやる形式から、近所の飲み屋で開催する形式までさまざまだ。勉強会自体を居酒屋やカラオケルームで開催した場合は、勉強会なのか飲み会なのか、そもそも始めからファジーだったりする。

 カーネル読書会をミラクル・リナックスのセミナールームでやる場合は、会場でピザパーティー(ビアバッシュと呼ぶ)を開催することが多い。会場でピザパーティーにすると、予算を安く抑えられるという直接的なメリットのほか、移動の時間を節約できる、立食形式なので、いろいろな人と自由に話ができるというさまざまなメリットがあるからである。

 勉強会の後の懇親会は、別に焼肉をがっつり食うとか、グルメを楽しむわけではない。お題に沿ったネタを皆で再度、そしゃくし直すのが目的だ。できれば自由に動き回れる方がいいし、講師に質問する機会があった方がいい。その意味で、立食形式はベストに近い。

 とはいうものの、会議室では飲食禁止ということも多い。その場合は、近所の飲み屋など、懇親会の場所を別途設ける必要があるだろう。

懇親会会場の選択・運営の注意ポイント

  1. 会場から近いこと

  2. 参加者を収容できるだけの広さがあること

  3. 当日、急に来れなくなる人もいるので、少なめの予約にすること(ドタキャン対策。1割程度はどうしてもドタキャンが発生する)

  4. 当日飛び入り参加も可能かどうか確認しておくこと

  5. 座敷だと席替えがしにくいので、いす席の方が何かと便利である。貸し切りにできるのならば、立食の方がいろいろな人と交流できてうれしい

  6. 飲み放題などを付けて、コースにしておくこと。個別オーダーだとあらかじめ予算が読めない

  7. 予算は4000円、5000円など切りのいい数字にしておいて、おつりの計算を簡略化しておくこと

  8. あらかじめ集金係を決めておき、名簿との照合を行うこと

  9. 未成年者がいる場合のフォローが必要である。名札などで未成年であることを分かるようにしておく。学割なども準備しよう。社会人が多い勉強会であるならば、学生は1000円にするなど厚遇しよう

  10. 会場への移動は迷子になる人もいるので、地図や連絡先などをコピーして参加者に配布しておくこと

 カーネル読書会のビアバッシュの段取りは、わたしの個人ブログにまとめたので参考にしてほしい。


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