エンジニアライフ時事争論(14)
脱・やりがい探し!
それより仕事を覚える方が先
@IT自分戦略研究所
2010/8/31
■「もともと、やりがいを求めて仕事をしていなかった」
やりがいのある仕事をしたいというエンジニアがいる一方、「やりがいなんて後から見つければいい」というエンジニアもいる。『プログラマで、生きている』のひでみ氏は、「やりがい探しよりも先にやるべきことがある」と語る。
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「生涯プログラマでありたい」と主張するひでみ氏は、もともと仕事には「やりがい」をまったく求めていなかった。彼女は「仕事ができる人になりたい」と思い、ひたすら仕事をこなしていた。
ひたすら「仕事ができる人になる」という目標を目指して仕事をする。やりがいは考慮しない。そうやって仕事を続けていると、できることが増えて裁量権も大きくなる。すると、だんだん仕事が面白くなってくる。
ひでみ氏は「技術職は、仕事がある程度できるようにならなければ面白くないし、やりがいも得られないのでは」と語る。仕事のやりがいが分からないなら、あれこれ考えずにまずは自分を守る力を身に付ける。そうすれば、自然とやりがいらしきものが見えてくるのではないだろうか。
■「自分に合わない仕事かも」と思わず、まずは何でも経験する
「自分が仕事に何を求めているのか、どうしたいのか分からない」と職場の人間から相談を受けた場合、あなたはどう答えるだろうか。『Innovation “D”』の山無駄氏は、「まずはいまの仕事を真剣にやってみるべき」とアドバイスしている。
相談者は20代後半の若手エンジニア。相談内容は「自分がやりたい仕事を実現させるために転職したものの、転職先が倒産してしまった。やむなく転職を繰り返すうちに、自分が本当にやりたいことが分からなくなってしまった」というものだ。
山無駄氏は、「いまの仕事が自分に向いているかどうかは、後で考えればよい」と語る。なぜなら、いま自分に向いていないと思っても、将来の自分に向いていないかどうかは分からないからだ。
若いうちは、とにかくいろいろなことを経験することが必要である。若いころの経験が、40代以降にできる仕事の質を決める。では、どうやって経験を積めばいいのか? 山無駄氏のアドバイスはシンプルである。
「人の話を聞け。本を読め。寝る間を惜しんで仕事しろ。量はやがて質に変わる」
頭で考えても分からないなら、まずは手を動かしてみる。経験や失敗は決して無駄にはならないと、山無駄氏は主張している。
以上、コラムニストが考える「エンジニアとしての仕事のやりがい」を紹介した。「もうやめよう」と思ったときに、それでも自分を引き止めるものがあるなら、それが「やりがい」なのかもしれない。読者諸君が「この仕事をしていて良かったなあ」といえる瞬間はどんなときだろうか?
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