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特集:転職市場予測

第5回 有名IT企業13社が回答――「採用抑制」が過半数


荒井亜子(@IT自分戦略研究所)
2009/10/5

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@IT自分戦略研究所は、有名IT企業にITエンジニアの中途採用に関するアンケートを実施し、13社から回答を得た。アンケート結果からは、昨年に比べ採用人員数を50%近く絞っている企業が多いことが分かった。

■有名IT企業にアンケートを実施

 本特集では「ITエンジニアの崩壊した転職市場を占う」ことを目的に、今日まで4本の記事を公開してきた。第1回のテーマは、転職市場回復時期の予測だった。第2回以降は、転職市場回復までにすべきことをテーマに、プログラマの小飼弾氏、エンジニアライフのコラムニストたち、人材業界歴20年のキャリアコンサルタント 岡本哲男氏がさまざまな角度からアドバイスを行った。

 最終回のテーマは、いまさらながら、「本当にITエンジニアの転職市場は崩壊しているのか」である。第1回で述べたように、2009年7月の完全失業率は過去最悪を記録し、ハローワークの有効求人倍率は1を切った状況であることから、転職市場は崩壊しているといえるだろう。しかしこれらは統計的な数字であり、@IT自分戦略研究所の読者が勤めたいと思う企業に関する直接的なデータではない。そこで、@IT自分戦略研究所は、有名IT企業に対し、中途採用に関する独自アンケートを実施した。

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 調査期間は2009年9月9日〜24日。対象企業は、@IT自分戦略研究所 読者調査を基にした人気企業20社。回答拒否が7社、有効回答は13社(匿名含む)だった。

 回答をしてくれた企業は、マイクロソフト、伊藤忠テクノソリューションズ、日立コンサルティング、ミクシィ、ヤフー、サイボウズなど。パッケージ・SI系が8社、Web系が5社だった。

■採用は抑制気味

 まずは現状把握から。企業に「現在の、ITエンジニアに関する中途採用状況」を聞いた(図1)。「採用抑制」が2社、「やや採用抑制」が7社であることから、7割の企業が採用を絞っていることが分かる。採用を絞る原因は、やはり不景気に絡んだ企業の業績悪化である。それに伴い、企業はいま、既存の人材(内部リソース)の有効活用に注力している。

図1 現在のITエンジニア中途採用状況

 ちなみに、アンケート記入を依頼した企業のうち、回答を控えるという企業は7社。その理由は、7社のうち6社が採用を抑制していることだった。「現在ITエンジニアを募集していないため」(外資系パッケージ企業系列コンサルティング)、「採用を抑制していることから、前向きにアンケートに記入できないため」(人材・出版サービス大手)などである。

■昨年と比較しても50%抑制。ここ1年が底

 次に、「1年前と比較して、現在の採用人員数はどれくらいか」という質問では、13社中10社が、昨年度に比べて採用人数を絞っていることが分かった(図2)。

図2 1年前(2008年度上期)と比較した、ITエンジニア中途採用状況

 企業がこのような戦略を取る背景とは何か。「採用人数を絞っている(50%以上)」と回答した某・ユーザー系大手システムインテグレータ企業は、「いい人がいれば採用するという形を取っていたら、結果的に昨年度比で50%以上減っていた」、日系大手コンサルティング企業は、「ITエンジニアではなく、即戦力になるコンサルタント経験者を積極採用しているので、結果的にITエンジニアの採用は昨年度比で50%以上減った」と説明する。サイボウズは、「新卒採用とポスドク採用に絞っている」ため、ITエンジニアの中途採用は「採用人数を絞っている(50%以上)」という回答だった。

 「採用人数を絞っている(50%未満)」と回答した企業の戦略として、日立コンサルティングは、「プロジェクトの状況を考慮しながら、既存のメンバーで賄うことが難しいポジションに限って厳選採用を行っている」と回答した。

企業が予測する、採用回復時期は??  

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