@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(91)
        充実した人生のために今日からできること
      @IT自分戦略研究所 書評チーム
      2009/3/14
■シンプルに考える
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                     ザ・チョイス エリヤフ・ゴールドラット(著) 岸良裕司(監訳)、三木本亮(訳) ダイヤモンド社 2008年11月 ISBN-10:4478006652 ISBN-13:978-4478006658 1680円(税込み)  | 
                   
娘 「父さんの人生にいちばん大きく影響したのは、どんな選択だったの?」
父 「わたしは、充実した人生を送りたいと思っていた。(中略)それがいちばん重要な決定だったかな」
という父娘の会話で始まる本書のテーマは「充実した人生を送るためにはどうしたらいいか?」だ。
著者はTOC(制約理論)を世界中に広めたベストセラー『ザ・ゴール』で有名なエリヤフ・ゴールドラット博士。博士は講演の最後に「意義ある人生を送ってほしい」と締めくくるそうだ。意義ある人生の実現方法を紹介したのが本書である。
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冒頭で紹介したように、父(博士自身)と娘(博士の実の娘)の対話や娘への課題として提示される博士のレポート(企業へのコンサルティングに関するもの)によって本書は構成されている。過去の著書同様、物語風なので気軽に読み進めることができる。充実した人生を送るための処方せんを要約するとこうだ。
まずはこの原則を信じること
- 物事はそもそもシンプルである(さまざまな結果は、1つの根本的な原因に帰結する)
 - どんな対立も解消することができる(妥協点を見いだすことに時間を使うのは無駄)
 - ウィン−ウィン(Win−Win)のソリューションは必ず存在する
 
この原則を信じられない要因を排除する
- 人は「現実は複雑で対立は当たり前」と思い込んでいる
 - 人は問題を相手のせいにしたがる
 
明晰(めいせき)に考える練習をする
- 身近な事柄すべてを対象に、その原因と結果について考える
 - 直感に基づいて原因と結果の関係を次々と考察する
 - 対象への深い理解によって感情が生まれ、さらに直感が磨かれる
 
この不況下でわたしたちビジネスパーソンは毎日タフな日を送っている。そんな同輩に、本書から博士の次の言葉を送りたい。
「他人に責任を押しつけたり、環境のせいにしてはいけないということだ。あるいは、自分のコントロールの及ぶ範囲じゃないとか、自分の能力を超えているなどと言ってはダメだ。自分自身の人生なんだから、自分ですべて責任を持たなければいけない。そうすることで、充実した有意義な人生を送ることができるようになるんだ。だけど、それは決して簡単なことではない。人というものは、愚痴をこぼしたり、不平不満を言ったりするのが大好きな生きものだ。だが、実際、私はそうした愉しみとは、おさらばしなければならなかったんだ」(『ザ・チョイス』、p.257)(鯖)
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