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「仕事に満足している人」の3つの思考スタイルとは?

堀内浩二
2007/8/20

 こんにちは、堀内浩二です。@IT自分戦略研究所とJOB@ITの読者を対象に2007年5月に行われた「@IT自分戦略研究所/JOB@IT 読者調査 2007年春季版」の解説記事、「ITエンジニアの転職観、キャリア観を追う!」はお読みになりましたか? 調査で分かったITエンジニアの転職観、今後のキャリアに関する考え方などを紹介しています。

 調査では、現在の仕事への総合的な満足度も聞いています。今回の記事ではこの「満足度」に焦点を絞り、少し掘り下げてみたいと思います。

「ハイ・プロフィール」な人は満足度も高い

 まずは現状への満足度と、プロフィール(年齢・処遇などの外的特徴)の関係を見てみましょう。データを分析してみる前は、「仕事への満足度というものはその人の感じ方の問題が大きく、年収や職種による差はあまりないのでは?」と思っていましたが、そうではありませんでした。

・年齢
「満足している」「どちらともいえない」「不満である」と答えた方の平均年齢は、それぞれ33.6歳、33.8歳、33.7歳。ほぼ同じといっていいでしょう。

 年齢層ごとに、「満足している」「どちらともいえない」「不満である」と答えた方の割合を示してみたのが図1です。

図1 年齢と満足度のクロス集計(N=742)

 やはり強い相関はないものの、年齢層の高い方が満足度はやや高い傾向があることが分かります。

 分かりやすくするため、「満足している」を「不満である」で割った値を「満足格差」と名付けて比較してみます(「どちらともいえない」は除きました)。不満な人に比べ、満足している人の割合が高いほど数値は大きくなります。結果は20代で1.33 、30代で1.35、40代以上で1.55となりました。

・企業規模
総じて企業規模が大きい方が満足度が高いようです(図2)。満足格差を計算してみると、小規模では1.23、中規模では1.25、大規模では1.88となりました。

図2 勤務先従業員規模と満足度のクロス集計(N=742)

・職務内容
傾向をひとくくりにいうことはできませんが、満足と不満足の傾向がはっきりしている職務内容がいくつかあります(図3)。「ITコンサルタント、ITアーキテクト、プロジェクトマネージャ」の満足格差は2.61です。一方「システム開発」のそれは1.06。

 ITコンサルタントやITアーキテクト、プロジェクトマネージャは、キャリア上の目標として掲げる人が多い仕事ですので、感覚的にうなずけます。

図3 職務内容と満足度のクロス集計(N=742)

・雇用形態
母数がだいぶ違いますので精度は下がりますが、満足格差は「経営者・管理職」2.06、「一般社員」1.23、「契約・派遣社員・フリーランス」2.00となりました(図4)。

図4 雇用形態と満足度のクロス集計(N=742)

・現在の年収
割と分かりやすい傾向が出ています(図5)。満足格差は年収400万円未満で0.93、400万円以上600万円未満で1.37、600万円以上で2.00となりました。満足格差が1未満というのは、「不満である」割合の方が高いことを示しています。

図5 現在の年収と満足度のクロス集計(N=742)

 ちなみに満足度別に年収の平均を計算すると、「満足している」560万円、「どちらともいえない」520万円、「不満である」490万円となりました。

 上記をまとめると、

「満足」エンジニアは、

「年齢にはそれほど関係なく」
「大きな企業に勤めていて」
「いわゆる『上流』の仕事で」
「管理職や自営など仕事の裁量が大きく」
「年収は高い」。

 もちろん、これらがすべてANDで結ばれているかどうかは分かりませんが、ひと言でいえば、

 「ハイ・プロフィール」な人は現状の満足度が高い

ことになります。

「満足している人」から何を学ぶか

 これらの結果を見て、「そりゃ大企業で高年収なら満足でしょ」と思ったあなた。その解釈は早計というもの。

 上でいっていることは、単に「ある属性と仕事の満足度には相関関係がある」というだけのこと。年収が高いから満足しているのか、現状に満足できるようなスキルの持ち主が結果として高年収を得ているのか、そういった因果関係はこの調査からでは分かりません。おそらく実際には両方の要素があるのでしょう。

 重要なのは、すべてを環境のせいにしないこと。環境のせいにしてしまうと、自分からできることがなくなってしまいます。そこで今回は、こんな仮説を立ててみましょう。

 「『満足している人』にはある思考スタイルがあって、それが良い結果(処遇や年収など)をもたらし、その結果がまた満足度を高めるという、『満足の好循環』を仕掛けている」

 ただうらやましがるだけでなく、謙虚に「満足している人の思考スタイル」に学んでみようということです。

 そのために、調査の結果から比較的傾向のはっきりしているデータをピックアップし、「満足している人の思考スタイル」を抽出してみたいと思います。

どうすれば「満足エンジニア」に近づけるのか?
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