10年くらい前までは、就活といえば「OB/OG訪問をしなければ始まらない」という認識が一般的でした。しかし個人情報保護法の施行以降、OBの連絡先を教えない企業が増えてきたため、必須感はそれほどでもなくなってきました。
基本的にOB/OG訪問は「会う社員の印象や雰囲気が自分と合っているか」という個人的な感覚が判断ポイントになりますので、一概に基準を設定できるものではありません。とはいえ、説明会と同様、下記は留意しておくとよいでしょう。
そもそも社風が悪い、社員が抑圧されている、もしくは教育が不十分といった理由が考えられます。
このような兆候が見えた場合は要注意。何かしらの問題を抱えているか、そうなってしまうくらいのプレッシャーが存在する企業なのか……などの可能性を考えましょう。
説明することで、応募者を辞退させてしまう要素があるのかもしれません。
面接とは、コミュニケーションを通じて「企業が応募者を判断する場」である一方、「応募者が企業を判断する場」でもあります。一般的な企業はそのことを十分承知していますから、自社のことを分かってもらうために、
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などのデータをきちんと整理して用意します。面接にかかわる社員に対しても、それらを把握しておくよう徹底するものです。
しかし、企業の詳細について質問してもきちんとした回答がない場合は、そういった情報共有が徹底していないか、社員自体も知らされていない、もしくは会社としてあえて出したくない、といった理由が存在している可能性があります。
いずれにせよ、社内体制が整っていない表れであり、きちんと説明できない後ろ暗さがあるのかもしれません。
そうまでしないとつなぎとめられない、という理由があります。
その会社に内定を得ていたとしても、正式に入社するまでは学生です。束縛していいわけではありません。
入社前に呼ばれて、研修や懇親会を行う。これが3カ月に1度程度であれば、まず一般的と考えてよいと思われます。しかし、毎月、もしくはそれを上回る頻度で行っている企業は、「そうまでしないと内定者が定着しない」と考えるだけの何かがあるのかもしれません。
組織マネジメントが機能しておらず、顧客まで失っている可能性があります。
本来、入社前には
など、詳細な情報が伝えられるものです。
しかし、こちら側から催促しないと連絡が来なかったり、伝えられる情報が不十分な企業があります。重要な連絡ができていない会社ということは、何かしら人事機能やマネジメントに問題を抱えていることが考えられます。
また、誰でも新しい会社に入るときには不安があるもの。その気持ちを汲めておらず、フォローができていないということは、顧客に対しても同様に気配りが足りない可能性が考えられます。注意した方がよいでしょう。
入社後であっても、ブラック企業に取り込まれないようにするにはまだ間に合います。入社後、下記の【チェックリスト】に該当する事柄を目にしたり体験したりした場合は、早急にしかるべきところに報告、相談することを強くお勧めします。
客観的な意見を参考にしながら、勤務継続するかどうかを考えてみてください。
これらはいずれも本来、会社組織の中ではあってはならない行為ばかりです。そのようなことを平気で行うようなモラルが低い会社の危険性はお分かりいただけると思います。
皆さんには、「働いても報われない」という状態になっていただきたくはありません。それぞれのポイントで、しっかり見極めてほしいと願っています。仕事に同じ時間を費やすのであれば、ハッピーに、かつ得るものが多い環境で働いていただきたいものです。
報われない会社とはどんなものか、という判断基準を皆さん自身が持つことができれば、自ずと業界研究や職種研究、個別の企業研究においても見極めるべきポイントが明らかになり、自分が受ける会社をより深く知ろうとすることにもつながるでしょう。ぜひ、今回のチェックポイントを活用して、就職活動を乗り切っていただきたいと思います。
筆者プロフィール | |
新田龍(にった りょう) ブラック企業アナリスト、キャリア教育プロデューサー、大学講師、株式会社就活総合研究所 代表取締役、および株式会社ヴィベアータ 代表取締役。 |
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早稲田大学政治経済学部卒業後、ネット上で「ブラック企業」といわれる2社において事業企画、コンサルタント、人事採用職を経て独立。「すべてのはたらくひとをハッピーに」を目指し、これまで5000人以上の面接・カウンセリング経験、早稲田大学など20大学でのキャリア指導経験を持つ。著書に『人生を無駄にしない会社の選び方』、(日本実業出版社)がある。 | ![]() |
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